第43回 厚生省交渉(1998年12月11日)

<情報公開関連>

【厚】=厚生省、【交】=交渉団

1:レセプト開示問題
(1)福岡県医師会が「レセプト開示するか否かの決定は、医師会がする」という旨を医師会員に通知した問題で、その後、福岡県医師会は、福岡県衛生部保険指導医事課がレセプト開示業務を県幹部に限定する約束をしたとする通知を出している。レセプト開示業務に医師会の圧力が入らないようにする為、管理職以外の担当課職員で対応するように指導せよ。


【厚】最初に福岡県のレセプト開示問題ですが、私、社会保険庁保険管理課の入と申します。前回から懸案となっている、医師会と話し合いをした結果、窓口対応者が決められた、と医師会の文書から読みとれる、ということで、今回誤解を招いている結果になっていますけれど、前々回にも行ったと思いますが、福岡県としては次長なり庶務課長が対応する、というのは、聞かれたからそう答えただけで、そのことが医師会の通知に書かれただけで、「話し合い」と書かれていますが、話し合いで決めたわけではない、ということを確認しています。
【交】話し合いで決めたのではないんですか。県の幹部も医師会も一緒に集まってこのことを話をしたのは事実でしょう。
【厚】そうですね。
【交】そこでこのことを決めたのではないんですか。
【厚】県としては、レセプト開示のことを医師会に説明に行って、誰が対応するのか、と聞かれたからそう答えただけのようです。県としては社会保険庁の通知に基づいてやりたい、と説明に行ったときに、医師会としては開示非開示は医師会の方でやらせて欲しい、という依頼があったわけですよ。そこで、医師会に照会するということはしません、と県は言って、それじゃあ、誰が担当するのか、と聞かれてそう答えたようです。
【交】それじゃあ、なぜ、福岡県だけ管理職が対応することになったのですか。
【厚】レセプト開示通知を出した後に、いろんな所から責任者を誰にすればよいか、という問い合わせを受けたわけですよ。通知では対応者は医療給付担当課が行う、ということになっているんですが、社会保険庁としては、責任者について聞かれたら次長か課長で、と言ってきたわけですよ。だから、福岡県は責任者を次長にして、ついでに、窓口担当者も次長でと決めたようです。
【交】責任者は次長でいいけど、なぜ、対応は誰がやっても同じでしょう。なぜ、窓口担当者を次長と課長に決めなければいけないんですか。
【厚】未然にトラブルを防ぐという意味です。
【交】一般の事務的な流れでいいのに、なぜ、受付の窓口に管理職が出てこなければいけないんですか。そこの理由がよくわからないんですよ。管理職が最後にチェックするのはいいですよ。でも、窓口まで管理職が出て来るのは普通じゃないでしょ。そこに圧力のようなものを感じるから問題にしているんですよ。
【厚】そこは慎重に慎重に期してですね。
【交】公務員はみんな守秘義務があるでしょう。もし、次長や庶務課長が休んでいたらどうするんですか。
【厚】私は保険局保険課の高木といいますが、どうして次長や庶務課長が対応したらいけないんですか。
【交】その話は既に何回もやってきていますよ。あなたは初めて参加するんだったら、過去の交渉経過を読んで、きちんと引き継ぎをして来て下さい。
【厚】今までは、この問題については保険課が対応してきましたが、事務は誰が対応するのかということに関しては、政府管掌保険につきましては社会保険庁の職員として対応するわけで、ですから今回は、社会保険庁の保険管理課と保険指導課に来てもらっているんですけど。
【交】そうして誠意を見せていただけることは有り難いですが、これは県だからと言って、政府管掌保険だけということではなく、県から市町村の方におりていませんか。福岡県内の各市の国保課なども、次長や庶務課長に限っているのかどうかを調べておられますか。それなら国保の問題でしょ。
【厚】国保課の河野ですが、そこまでは把握しておりません。
【交】国保について確認していただけませんか。
【厚】福岡県下の市町村におけるレセプト開示手続きがどうなっているかですね。【交】県と県の医師会が話し合って決めているんだから、県内のすべての保険者がそういう風になっているというのは、考えられることですからね。
【厚】では、事実関係として把握しておくことを確認しますが、それは2点あって、今問題になっているような通知・約束事が県から市町村に行ってるかと、実際に各市町村ではレセプト開示についてどのような対応をしているのか、ということですね。
【交】はい、そういうことです。
【厚】先ほどの件ですが、窓口対応は次長か庶務課長が行う、というのは県が独自に決めているわけですよね。それで医師会に話をしたときには、社会保険庁の通知通りにやるという話しかしてないわけですよね。それで、その後で、医師会の方から窓口対応は誰がされるのですか、という問い合わせがありまして、それで県の保険指導課は庶務課長と次長が対応します、と話しただけなんですね。医師会の通知では、県と医師会があたかも話し合いをして、そういうふうに決めた、というように読めますが、それは事実ではないということなんですね。
【交】事実じゃないというなら汚名返上のためにも、そのことを県は公式に発言しなければいけないんじゃないですか。医師会は話し合いで決めた、と言って、県は話し合いをしていない、というだけではどっちを信用していいかわからないじゃないですか。
【厚】そもそも話し合いをした理由は、レセプト開示があれば医師会に照会せよ、という話があったから、県は話し合いをしたわけですよね。
【交】そうですよ。この問題をわかりやすく言うとね、もともと医師会は、自分たちが開示・非開示を判断したかったんですよね。
【厚】はい。その問題が、一番目の通知にあったのは確かです。
【交】福岡県は、レセプト開示請求があれば、開示・非開示を医師会に照会して決めようとしていたことが新聞報道で問題にされて、県と医師会が話し合いをした結果、厚生省の通知通りにするが、ただし、福岡県だけは対応を次長と庶務課長だけに限定する、と決めた。つまり、国民が不審に思っているのは、医師会に照会しないと言いながら、医師会との話し合いに出ていた人だけで窓口対応をすると決めたと言うことは、その人たちが医師会に漏らしているのではないか、と感じているからなんです。私たちは、そういう経緯がなければ、これほど問題にしはしません。公には医師会に照会するのはやめた、と言いながら、結局は、窓口対応者を限定することで、こそっと医師会に照会しているのではないか、と疑われるから、こんな、他府県と異なる対応はやめさせろ、と言ってるんですよ。
【厚】ああ、なるほど。
【交】とにかく、もういちど確認しておいて下さい。時間がないので次に行きます。


(2)秋田市は、今年4月よりレセプト開示の受付を始めたが、今年4月以前に発行され現在保管されているレセプトに関しては開示しないとしている。前回交渉で、この理由が二転三転した。現に保管されているものに対する開示請求に応じるよう指導せよ。

【厚】この件につきましては、前回夏に聞いたときには、ここにもご指摘がありますように、こちらの秋田市への聞き方が不十分な点がありまして、4月以前のレセプトの開示をしない、としたことの理由が二転三転した、というのは事実なんですけど、よくよくもう一度聞いてみましたら、ちょっと変な話なのかもしれませんが、私は国民健康保険課なんですけど、実際に請求をされていた方が老人医療の対象の方でして、私は国保の担当の主幹と話をしていたんですけど、そこでちょっと話がかみ合わないことがありまして、今回、老人のご担当の主幹と話をしていただきまして、今日は老人保健の担当の方に来ていただいておりますので、そちらの方からご説明させていただきます。
【厚】老人保健福祉局企画課の田中といいます。まず、ご存じだと思いますが、レセプトの開示については、平成9年6月25日付で老人保健福祉局長、保険局長、社会保険庁の運営部長の三者連名で、各都道府県の知事宛に通知を行っているところでありまして、その内容につきましては、レセプト等の取り扱いにつきましては、開示する保険者の判断によるものでありますが、近年、被保険者からの開示要望が高まっていることを受けまして、被保険者へのサービスの充実をはかる一環として、本人あるいは法定代理人等、遺族からの求めがあった場合についての取り扱いをまとめる内容になっております。厚生省としましては、その通知にもありますように、レセプト開示については最終的には保険者の判断によるものと考えております。ご指摘の秋田市についてなんですが、確認したところ、前回交渉であった、4月以前に発行されたレセプトの非開示理由が二転三転した件ですが、この件につきましては、根拠となりますものが、市の公開条例によりますか、診療報酬明細書等の開示にかかる取り扱い要領、というのがありますが、その条例によるか要領によるか、で食い違ってしまったことが原因であると思われます。さらに、秋田市に確認しましたところ、取り扱い要領にあります施行が平成10年の7月1日になっておりまして、対象物の開示が平成10年の4月1日となっております。これについても問い合わせたところ、秋田市では年間140万枚以上のレセプトを取り扱っておりまして、整理・保管上の問題も考慮しまして、市の一番の根拠となります情報公開条例の基準も施行が7月1日、対象物が4月1日になっておりまして、それと同じようにしたということでございます。それで、4月1日以前のものにつきまして、いろいろとこういうふうな話がありますよ、と話をしたところ、まあ、開示対象レセプトの範囲外のレセプト開示について要望があったときなんですが、こういう取り扱い要領に定めがない開示依頼があったときにはですね、依頼者に特別な事情がある、と認められる場合にはですね、要領ですので、つくった課が3課くらい関係しているんですが、その状況に応じて、十分に協議して対応する考えはありますので、ということでした。
【交】そうすると、この請求して断られた方が、もう一度請求に行ってみる価値があるということですか。
【厚】そうですね。秋田市自体は、厚生省にこういう話が来ている、というような当事者意識があんまりなかったもんですからね。ですから、実際に窓口に行ってこういう事情で、と説明してもらえばちゃんと対応します、ということでした。


(3)東京都小平市は、レセプト開示請求がなされた後の、医師からのレセプト差し替えに応じ、差し替え前のレセプトを開示していない。至急、事実を把握し、差し替え前のレセプトも開示するよう指導せよ。また、今後同様の差し替えが生じないように対応せよ。

【厚】まず、至急事実を把握し、というところですけども、東京都を通じて確認させていただきました。それで、実際にここに書いてありますように、レセプトの開示請求が出されて、小平市の方で厚生省から出している通知にもありますように、主治医からの確認ということで、確認をいたしましたところ、レセプトに誤りがあった、ということでレセプトの返戻の申し入れがあった、と、医療機関からの申し入れということで、いったんレセプトを返戻しまして、訂正されたレセプトということで、現在、小平市の方に出されています。それで、訂正されたレセプトの方を小平市の方で開示をしたということが事実であります。実際に、この請求をされた方が、小平市にも行かれていますし、東京都の方にもお手紙をいただいたりお電話をいただいて、訂正される差し替え前のレセプトの開示についてご要請があるようなんですが、今の状態といたしましては、いったん開示請求が出された後に、レセプトの訂正がなされたということで、ある意味、不信感のようなものがおありになっているかと思いますけれども、取り扱いに関しましては、レセプトを過誤請求で医師からの申し入れで訂正できるようになっておりますので、今、訂正される前の返戻されたレセプトの所有権というのは、医療機関の方に移っているわけでして、結局、保険者が持っているわけではないんですね。ですから医療機関と患者さんの間でもお話があったと思うんですけど、ここにあります、「今後同様の差し替えが生じないように対応せよ」ということですが、結局、レセプトの開示の際に主治医に確認するというのは通知にもございますように、診療上の問題がないかどうかということですので、
【交】告知の問題だけだと厚生省は記者会見ではっきり言ってますよ。
【厚】ええ。通知にもそのように書いてありますよう。で、タイミングとして、このように不信感を招くような結果になっている、というのは事実だと思うんですが、ちょっと長々と申し上げましたが、結論といたしましては、今、小平市なり東京となり厚生省なりが訂正前のレセプトを開示するように指導することは少し難しい、ということであります。
【交】いろいろと査定もやって厳しくやっていると思うんですけどね、こういう形で実際にレセプトの開示請求があったとに、返戻を申し入れてくるというのはね、普通の感覚では、何かおかしいことがあったのではないかと疑念を抱くのが普通の感覚だと思うんですよ。
【厚】はい。
【交】だから例えば、そういう事例を契機にして、前のやつも開示できるようにするんだ、というようなそういう手だてというか、そうじゃないと、本当に単なる計算ミスか、何かおかしいことがあったのか、がわからないでしょ。開示請求があったとに、というのは普通何かおかしいと思うんですよ。だから、こういうケースでは、返戻前のものも出させるとか、そういう方法を考えないとまずいと思うんですよ。それも開示するという姿勢こそが、不正請求を未然に防いでいくことにもなると思うんですよね。
【厚】この件につきましては、医療機関のお医者さんの方がご本人さんの対して、こういう理由で差し替えするということを、事前に直接お話をされている、と聞いておるのですが。
【交】差し替えをする、というのは聞いているんですけど、当然差し替え前のも開示されるもんだと思っていたんですよ。差し替え前に開示請求しているんだから。差し替え前のものを出さない、ということがわかっていたら、差し替えは許しませんでしたよ。
【厚】ええ。
【交】これから長い間やって行くんだから、こういった事例がまた出てくる可能性があると思いますよ。請求されてから書き直すというのは、通常はおかしな話ですよ。情報公開条例や個人情報保護条例などで、請求されてから書き直して開示するなんて通用しますか。
【厚】それは、ちょっとタイミングの問題があるかもしれないんですけども、実際、過誤請求の場合はレセプトの返戻があって、訂正されたものが改めて出されるという仕組みが別途ありますので、今回、この件としてはタイミングとして開示請求が出されてから訂正されたというような誤解というか不信感を生むようなことになっていると思うんですけど、制度上、訂正されたものが正しいレセプトで、古い方は、もはやレセプトではありませんので。
【交】開示請求に応じて開示してから返戻することもできるはずでしょう。そこにあるレセプトが開示請求されたんですからね。
【厚】小平市の方には、訂正される前のレセプトがもうありませんので。
【交】いや、開示請求されたときのその時の判断としてそうすべきだったんじゃないか、と言っているのです。開示請求は、証拠保全と同じように考えなければいけないと思いますよ。証拠保全されるとわかってから書き直したら改竄と言うんですよ。まだ、どこをどう訂正したかわかるような訂正ならいいですけど、全く別のものと差し替えることなんかしたら開示請求の意味がなくなってしまうということがわかりませんか。返戻のケースも、開示請求のケースも年間にそんなにたくさんある訳じゃないでしょうから、このようなケースではコピーを取って保存しておくのは当たり前じゃないですか。そもそも、患者は訂正前のレセプトに従って自己負担分を支払っているんですから。
【厚】そこはですね、詳細はよく聞いてはいないんですが、不正請求なりなんなりが出たとかそういうことではなくて、自己負担分のところには影響は特にない、と聞いているんですけども。
【交】誰がそれを言っているの。口で言っただけが通用するわけないよ。あなた、そういうふうに答弁するなら、責任を持って、もっと正確に調べるべきだよ。
【厚】いえ、冒頭に申し上げましたように、東京都を通じて小平市に確認をしていただいた結果です。
【交】レセプトの訂正前後で自己負担分に変化がないという証拠は何なんですか。
【厚】特に書類をもらっているわけではありませんが、やりとりの記録というのはこちらに送っていただいておりますので、そこに、そういうふうに記述してある、ということで確認しています。
【交】以前のレセプトの内容はもう残ってないんじゃないですか。
【厚】ですから、そういう意味での確認はできておりません。
【交】今、やりとりの内容を厚生省が入手している、とおっしゃいましたね。それを見せて下さいよ。
【厚】それは、お見せするようなものではないと思うんですが。
【交】今、自己負担分に変化があるんじゃないか、という質問に対して、変化はない、と答えたんだから、その書類の中にそういうことが書いてある、というんだから、それを見せて下さいよ。
【厚】それは、個人的な担当官のメモですので。
【交】でも、その担当官のメモを入手して、それを根拠に正式な発言をしているんだから、見せないとだめですよ。
【厚】それは、ちょっとこの場に持ってきていませんのでお見せできませんが、そういうことでしたら、自己負担分に変化がないということを直接小平市の方に確認いたしまして、また、後日お知らせさせていただきます。
【交】ということは、小平市には、訂正前のレセプトは残っていないけれど、何が書き換えられたかのメモは残っているということですか。
【厚】そこもちょっと確認させていただきます。
【交】そもそも、返戻するときにはコピーを取っておく必要があると思いませんか。だって、厚生省は減額査定があったときの自己負担分の過払いをどうするか、ということを検討しているでしょう。コピーも残さず返戻してしまったら、自己負担分の領収書と合わなくなるじゃないですか。自己負担分を返してもらうときにどうするんですか。コピーを取るというのが行政対応として当然じゃないですか。レセプト開示は不正請求を防ぐという意味も込められていると思うんですよ。なのに、開示請求後に訂正を許しているようでは何にもならないでしょう。訂正前のレセプトも開示されるように検討していただけませんか。
【厚】小平市のことにつきましては事実関係を再度確認させていただきます。
【交】それと、返戻するときには、必ずコピーを取って返戻するように、という通知を全国に出す、という方向の検討を始めていただけませんか。コピーがなくなってしまうと、厚生省が自己負担分の過払い分を返すシステム作りを検討する、と局長が国会で言っているのに、それができなくなってしまうでしょう。
【厚】それにつきましては、うちの課だけの問題ではありませんので。
【交】でも検討を始める、というくらいは約束して下さいよ。検討に必要を感じませんか。
【厚】それは、ちょっと、実務的なことがどうなるかを考えてみないと。
【交】実務的なことがどうか、の前に必要性を感じませんか。必要性を感じて検討を始めてから、実務のことを検討するんですよ。検討の必要性を感じることがまず大切なんですよ。どうなんですか。
【厚】今日この場でですね、こういう話は初めて出てきましたわけですので・・
【交】厚生省としては答弁できなくても、個人的には必要性を感じると言って下さいよ。
【厚】テープがまわっているのでちょっと言えませんが、いずれにしてもですね、この問題を、今回この場でこういう話があったということを、問題として認識している、ということなら言えます。
【交】こんな事例はね、情報公開を進めてきた人たちからすれば信じられないことで、とても大きなニュースになりえる話なんですよ。だから、検討していきたい、と答えるか、検討するつもりはない、と答えるかはとても大きな問題だと思いますよ。一応、そういう要望をしておきますから。次回、また同じ質問をさせていただきますから。


(4)レセプト開示実施状況が、前回調査で十分とは言えない。したがって、政府管掌だけでなく、毎年、実施状況や、開示請求件数、開示件数を健保組合や国保についても調査されたい。

【厚】平成10年2月現在の調査しました、その時は、政管健保の分は、件数が枚数のことでして、同じになっています。
【交】請求件数、つまり開示請求の請求書の枚数を「件数」として、実際に開示されたレセプトの枚数を「枚数」として、調査できないんですか。
【厚】それは、次回の調査の時には考えてみます。請求に来た人の数と、開示されたレセプトの枚数では、個人的には、枚数の方が確かなデータになるんではないかと思ってはいますけれども。
【交】この質問の主旨は、前回各保険者毎に調査して、今後継続的に調査を続けるのか、と聞いたら、やらない、というような答えなので、要望しているということなんですけど。
【厚】そこはですね、今年、健保組合に対して規制緩和を行いまして、今まで予算を認可していたんですけど、届け出制になったために、書類でですね強制的に徴収できるというものではなくなったものですから、そういう答えになったと思うのですが、我々としましては、これは大事な問題だと考えていますので、任意という形にはあると思いますが、ちゃんと状況がわかるように調査はやっていきたい、と考えております。予算があるときには、都道府県を通して、ということができたんですけど、その辺が少し難しい問題で、都道府県を通すかどうかも考えなければいけませんし、アンケート形式になりますと、任意アンケートになりますので、回収率なども含めたようなものになるかと思いますが、まあ、政管健保や市町村でしたら行政機関ですから、それはできるんですが、組合になるとそういう難しい問題がありまして、そこは一つご理解いただきたいな、と思っています。ただ、我々としては、なおざりにするということではなく、大事な問題だと考えております。レセプトの保存期間についても、このレセプト開示との関係で現在検討しております。
【交】今後、年に一度くらいは調査を続けていってくれるということですね。
【厚】やりたいと思っております。


(5)レセプト開示の取り扱い要項の内、本人確認の方法として、「障害者手帳」だけでも可能となるよう要項を変更せよ。安田病院や大和川病院にかかっていた精神障害者などで、この要項をたてにレセプト開示請求ができない状況が生まれている。

【厚】障害者手帳だけで、レセプト開示できない状況が生まれているということで、一応、政管健保かなと思って、大阪の方に確認はしてみたんですが、その実状の細かい中身が把握できなかったので何とも言えないんですが、基本的に保険者としましてはですね、本人確認の事務手続き上のことで最初からふたを閉めるというのは確かにおかしなことですので、そこはちょっと検討する余地があるのかな、と考えてはいるのですが、一つの提示だけではですね、障害者手帳というのは写真が貼っていないものですからね、それだけを持ってこられて本当に本人ですね、というのは確認できないもんですから、基本的にそれだけでは、難しいのかな、と思っているのですが。
【交】写真が貼ってなくても、二つだったらOKなんでしょ。
【厚】そうです。そこはだから、せめて二つはということで。そういう話をしたら二つでも本当はだめなのかもしれないですけど、そうすると、また難しいものですので、だから、このケースでは、印鑑証明とかそういうものと合わせてもらって、印鑑証明も法律に基づいた方法ではないんですが、そういった形でやってもらえないか、と思うのですが。
【交】そういうものがとれない事情のある方がたくさんおられるから、障害者手帳だけで良しとならないか、という要望なんです。
【厚】その事情を教えていただければ、検討の余地はあるかと思うんですが。
【交】それでは時間もありますので、電話で後日ご連絡させていただきます。
【厚】わかりました。私、社会保険庁保険管理課の入(いり)健太郎までお願いします。


(6)(5)の取り扱い要項の中で、保険医療機関や保険薬局への「レセプト開示のお知らせ」は不要である。要項を変更されたい。

【厚】レセプト開示のお知らせは不要である、ということですが、レセプトというのは内部的書類といいますか、医療機関が個別的に支払基金に提出する書類でございますから、それについて開示した、とお知らせする事は何も問題がないんじゃないかと、事前にお伺いをたてるわけではないですから、通常の配慮として、問題がないんじゃないかなと思っておりますので、不要である、ということは言えないんじゃないかな、と思いますけど。
【交】これは、現実に「これはいやだ、やめて欲しい」という、国民の声として出てきているんですよ。その理由は、私たちは病院に対してレセプトを見せてくれ、とは言いに行っていない、保険者に請求に行っているのに、保険者がそれをわざわざ病院に言ってしまうと、結局、病院に対して言ってるのと同じことになってしまうでしょう。つまり、開示請求することを病院には知られたくない、という人がいてるわけですよ。通院が続いている場合に、気まずくなるかも、と心配するとかね。
【厚】医療機関の対応が若干変わってくるかも知れないということですね。
【交】そうです。だから、医療機関に知られたくなくて、レセプトが見たい人のプライバシーが侵害されているということですよ。わざわざ知らせる必要が本当にあるのなら仕方がないですけど、よく考えてみれば必要ないんじゃないか、ということですよ。しかも、保険者も手間ですよ。とにかく、都会ならいくつも病院がありますが、地方だと行く病院が限られていますから、トラブルを恐れて、見たくても請求できないということが起こりえますよ。先ほどの小平市の件でも、請求があったことを知ってからレセプトの書き換えをしているんですから、不必要な通知によって、カルテの改竄もされる可能性もあります。とにかく、不必要なことなんです。
【厚】本人の場合は、告知の問題で聞くから、これは必要ないですけど、調剤薬局のレセプトや遺族からの請求の場合は、あらかじめ医療機関には聞かないでレセプトを開示する、ということで、ただし、開示してからその旨を医療機関に知らせることになっている、この部分が要らない、ということですね。
【交】レセプトが返戻され訂正があったときに本人に通知する、と言うようなことこそ、しなければいけないのにしていない。病院にはよけいなことまで連絡している、ということですよ。
【厚】これは基本的な主旨としては、本人からの請求の場合は、医療機関への照会ではなくて、主治医が転勤していた場合なども考慮して、主治医への照会となっていまして、それでは医療機関も事務的な処理上困るだろうということで、お知らせを出していたところですが、そうですね、遺族への開示については、もともと照会しないわけですから、そこはちょっと認識不足でした。ご要望の主旨がわかりましたので、次回までに検討させていただきます。


(7)レセプトに単価が205円以下のものも明示するよう通達されたい。

【厚】これまでは、205円を超えるような高額なものは、名称や投与量や単価などを注釈として書いてもらうことが、審査の際に必要だということでやってもらっているんですが、205円以下のものですと、安い薬などについては、摘要欄に書く必要がない、と、したがって、何回処方していくら請求がある、ということは書いてもらわなければいけませんけど、薬の名前とかそういったものまでは求めていない、という現状があります。なぜ、こういうふうにしているかということなんですけれども、端的に言いますと請求時の簡素化ということでしております。実際処方したものを全部書き出して請求書の中に書いていく、それを審査するわけですが、実際そこまで見て審査するということは、ほぼあり得ないですし、医療機関にそこまで負担をかけるのはどうか、ということです。それで、この要望されている主旨というのは、今、実際には患者さんが自分の受けた医療内容を知る手段は、このレセプト開示しかありませんので、この中で、わからない事項がある、ということにご不満がある、ということだろうと考えているわけですが、ただ、おっしゃることは十分よくわかるのですが、実際、それを全部書け、と指示した場合にですね、医療機関の側がどう反応するか、と考えた場合、事務負担が増えるわけですよね。それを、じゃあどう評価してくれるんだ、ということになった場合、診療報酬の点数なんかも今のままでよいのか、という話に跳ね返ってくるかも知れない、ということです。
【交】別に跳ね返ってもいいし、事務負担と言うけど、レセプトなんて今どきほとんどコンピューターでしょ。国立病院は全部そうだし。
【厚】そうですね。
【交】それと、もう一つの論点はね、減額査定の場合の自己負担分の返還の問題なんですよ。それは、たとえ10円でも払い過ぎがあった場合は返すべきだ、と厚生省は言ってるわけですよ。そういいながらそれを隠しているわけですよ。支払基金が205円以下をチェックしないけれども、レセプトには205円以下を書いて下さい、ということでもいいんですよ。本人がチェックできますから。レセプトを本人に開示するように言ったのは厚生省ですからね。
【厚】まあ、ですから、先ほど申しましたように、事務負担が・・・
【交】事務負担の問題と内容を知りたい、というのがぶつかり合っている中で、事務負担が勝つから、知りたい側は一方的に下がれとはならないでしょう。
【厚】でも、知りたいという人がいるから、ということで、205円以下も書いて下さい、というと、当然医療機関は診療報酬で評価して下さいね、ということになりますから、そうすると、別に知りたくない人にまで、医療費が上がることになってしまって嫌がる人もあるかと思うんですが。
【交】何を言ってるんですか。205円以下のものも書かせることで医療費が下がる、と思っているから僕らは要望しているんですよ。(笑)
【厚】どうして下がるんですか。
【交】その部分での不正請求が多い、と覆面で内部告発している人がたくさんいるわけですよ。本当は知っているんでしょう。
【厚】そこは、お互い何とも言えないところだと思うんですが。
【交】だから、そんな理屈では納得できない、と言ってるんです。205円以下のものまで書かせると医療費が上がりますよ、なんて言葉には誰も納得しませんよ。不正請求なんて発覚しているのだけでもいっぱいあるんですから。電話会社なんかは、消費者に対して、請求明細書を最も詳しいものからシンプルなものまで3段階に分けて、最も詳しい請求書が必要な場合の方のみ、100円もらいますよ、ということで、どの明細書が欲しいかを選ばせてから送ってきますよ。それが今の時代のサービスじゃないか、と言ってるんですよ。厚生省はレセプト開示の通知の中で、被保険者へのサービス向上の一環として、と書いているでしょ。NTTは最も詳しいのを求めれば10円だけの通話でも、日時や通話時間、相手先の電話番号まで書いて送ってきますよ。NTTがコンピューターが計算ミスをしていて一人一人には僅かでも合計すればたくさんのお金を請求しすぎていたことがわかったりして、こういう詳しいものの要求に応えなければいけない、ということになっているんですよ。不正請求が一つでも発覚したら対応すべきですよ。明細書を全部出さないでお金だけもらってもよいなんて考えているのは厚生省くらいじゃないですか。今どき、厚生省はカルテもコンピューター化を検討しているんでしょ。そろそろ、レセプトもそういうふうにしていく時期ではないか、と言ってるんですよ。いっぺんにやれなくても、コンピューターが全部入っている国立病院から始める、とか検討して行くべきですよ。あなた達は本気になって不正請求をなくそうと思っているのか、疑問がありますね。具体的にどうやったらなくしていけるのか、という姿勢がないですよ。医療費高騰の時代に、あなた達は自分が何をやらなければいけないかがわかっていないんじゃないですか。
【厚】不正請求をなくしていかなければいけない、というのは我々強く認識しているところでして、高額審査のやり方なども厳しくやっているんですが。
【交】第3者が、見てわかる不正請求と、本人が見なければわからない不正請求と両方あるんですよ。前者の方を厳しくしても、後者の方を放ったらかしではだめでしょ。
【厚】まあ、確かに本人に見てもらうと言うことも大切ですから、205円以下も書かせる、というのも一つの方法かな、とは思います。
【厚】次回もう一度、同じ議論をしますから、よく考えておいてください。


2:支払い窓口でのレセプト相当の詳しい明細書提示に関して
(1)欧米など海外の医療機関(国公立や私立)が、病院窓口でどのような請求明細書、または領収明細書を発行しているかを調査し報告されたい。


【厚】アメリカなどでは皆保険ではないですから、基本的には規制のようなものがなくて、画一的な様式というのはほとんどないと思いますが、実際ちょっとアメリカに行ったことのある同僚などから見せてもらったりして色々と調べてみました。やはり、様式はバラバラで、主なものは、レントゲンがいくらか等のような治療した内容や、金額、どの保険会社に請求して受け取ったか、等が書かれた領収書のようなものになっております。
【交】それは、日本の国立病院が発行している、投薬量いくら、検査料いくら、保険内外、の明細書と比べてどうだったのですか。
【厚】千差万別なんですよね。もちろん、それは詳しいのもありますが、日本のよりシンプルかなと思うものもあるんですよね。
【交】複数の医者が言うには、アメリカから患者が紹介されてきた場合、ほとんどの場合、アメリカの病院窓口でもらった領収明細書を持ってくることが多くって、それには、レセプト並の相当な情報が含まれている、と言うんですね。まあ、それが一律ではないということが今わかりましたが、そういうのを貰っておくと、患者が病院を変わるときとかにも、前にはこんな薬を貰っていた、と使えるし、レセプト開示ではリアルタイムではないし、ということなんですね。
【厚】病院によっては、そういうことをしているところがあると言うことでしょうが、アメリカという国は、本当に規制がなくてばらばらの国ですから。
【交】日本だって、合計額一つだけの領収書やいまだに領収書を出さないところもあったりして、ばらばらでしょう。そもそも、レセプトを保険者まで貰いに行くのは患者からすれば二度手間なんですよ。自己負担分を払う際に貰えるものなら楽なのに、と思うのは自然な感情ですよ。前の交渉にも出たんですけど、まずできるところから、国立病院からでも実施して欲しいんですよ。この話はずいぶん長くやっていましてね、一時は、国立病院から始めようかな、ということを厚生省はほのめかしたこともあるんですよ。しかし、その時、「診療情報の活用に関する検討会」が行われていて、その報告書を待ちたいと言ったんですよ。そして報告書には、病院窓口でのより詳しい明細書の発行は比較的簡単に実現できることなのですすめて行くべきではないか、という主旨の文章が載ったんですよ。それを受けて前回も交渉したんですが、何か動きそうで動かないという状態が続いているんですよね。今回は、国立病院関係の方が来ておられないので、次回またやらせていただきます。


3:カルテ開示に関して
(1)カルテ開示の法制化を、今後、どのようなスケジュールですすめていこうと考えているのか明らかにされたい。


【厚】今後どう進めていくか、ということですが、はっきり申し上げて、いつまでに、と言えるような状況ではございません。それで、今、わかっていることを申し上げますと、次回の医療審議会が12月18日なんですが、そこで、カルテの話をもう一回やろう、ということになっています。そこで、今後どうやっていくか、ということも議論されていくと思います。今わかっていることはそれくらいなんですが。
【交】1回目2回目と、傍聴して、今後も誰かが傍聴していこうと思っているんですけど、今後も申し込みなしで突然行っても入れるんですよね。
【厚】はい。
【交】議論を傍聴した国民や市民団体から、審議会に対して要望書を出したら受け取って配布していただけますか。
【厚】審議会の事務局が総務課になっておりまして、私は医事課なので、総務課の方に問い合わせていただければ。すぐに出されるということでしたら、そういう話があったということはお伝えしたいと思いますが。
【交】ある程度まとまりかけたら、その内容に関して意見を出そうとは思っているんですが。
【厚】前回の審議会の様子では、すぐにまとまるとは思えないような感じですね。
【交】わかりました。


(2)カルテ等の診療情報の遺族への開示問題が棚上げにされていることを医療審議会に報告する、と前回交渉で約束されたが、報告されなかった。それはなぜか。また、地方自治体の例を見ても現実に遺族からの開示請求が多い中、この点について今後どのように対処するつもりなのかを明らかにされたい。

【厚】これは2回目の医療審議会で、論点メモの中にも含めましたし、報告させていただいております。
【交】これは、1回目の審議会を傍聴した後に提出した要望書ですので。その後、2回目も傍聴して確認しています。


4:医療費査定による患者過払い分の返還について
(1)これまで厚生省は、民事不介入の原則を盾に減額査定による患者過払いの返還への取り組みを怠ってきた。とすれば、「民事不介入の原則」は何を根拠に行われているのか。もし法的根拠がないとすれば、監査によって不正請求が摘発された場合、被保険者への返還を通知した『保険発第64号』(昭和61年6月23日)の通達は、民事不介入の原則を破ったことにならないのか、整合性を明らかにされたい。


【厚】民事不介入の問題ですが、そもそも法的根拠というか健康保険法上には、過払いしたものは不当利得である、というような規定はないです。が、民法では、一般的に規定されてございまして、不当利得というのは理由なしに一部負担金を取るということでございますから、大前提として、診療報酬の額が確定した後の話なんですが、確定後に、減額査定に過払いが生じた場合には、民法上不当利得である、というのが法的根拠になります。そして、監査によって不正請求が摘発された場合、被保険者への返還を通知したすることが民事不介入の原則を破ったことにならないのか、ということですが、我々としても保険者の方に患者さんにもわかるように、と、結局、不当利得であってもですね、患者さんから医療機関に請求しない限り、その額というのは精算されないわけですよね。ですから、それを患者さんにわかるようにお知らせするように、という行政指導的なものですが、法的根拠というのは、民法の不当利得である、ということだけを根拠にしておりますので、介入といえば介入になるのかも知れませんが、我々としては、介入ではなく患者さんの利便のために通知しているわけです。同じように監査によって不正請求が摘発された場合ですが、監査というのは行政処分ですから、この場合は、国としてですね、やった行為によって生じた結果ですので、不正請求の額というのはわかる、ということから患者に知らせることができる、できるからやれ、と言っているわけですけど、そこは別に特段の整合性の問題はない、と考えております。
【交】監査によって明らかになったから通知すると言うことですけど、この通知の文章を読むと、返還に応じるよう指導すること、とまで書いてあるわけですよね。つまり、お金が出ているだけじゃなくて、実際に返還するように指導せよ、と書いてあるわけですから、単純に今あなたが答えたような、流れの中で、患者に教えてあげるんだ、というだけではない性格ももあるよね。
【厚】監査のそもそもの主旨からご説明させていただきますと、保険医療機関と患者さんというのは都道府県が介しての契約という形になっております。国が仲立ちして、保険診療の契約がちゃんとなされるように責任を持つ、という観点からでして、監査もそういった観点で行っておりまして、そういった責任から監査を行った以上、最終責任についても、過払い分まで踏み込んでやっているということです。
【交】そうすると例えば、査定というのは、国がやっているということではないので、ということですか。
【厚】そこは、ぎりぎり言うと、最終的にはそうなります。というのは、最終的に診療報酬の審査の中でですね、互いに医療機関も保険者も譲らない、といった場合には、それはもう民事裁判になります。療養担当規則で、こういうふうに保険医療機関は診療しなさい、と、実際間違った場合は監査しますよ、という場合に監査が起きるわけですよね。例えば単純に療養担当規則に違反したものではなく、医療機関はこれは必要だと言ってる、保険者は必要ではない、といった場合、我々としては療養担当規則上に違反がない場合は間に入りにくい。
【交】療養担当規則、というのは非常に抽象的なことでね、査定の問題もその規則の範疇に入る、というような理解をすべきだと思うんですけどね。
【厚】減額査定というのは、患者と医療機関の間の診療契約の中で、保険者が間に入って、という三者の関係ですが、監査というのは、国が保険医療機関の指定に値する病院かどうか、という観点でやっていますので、そこはちょっと違うと思うんですが。
【交】たまたま監査に入ったから、わかってお金を返す指導をして、監査に入っていないけど、変な請求があってという場合で、変わらないんじゃないですか。
【厚】その場合は、国には情報がないですからね。
【交】それは自動的にあげていくようなシステムになっていないからであって、あげさせればいいじゃないですか。ここで何を問題にしているかというと、査定されているのに返して貰えない人がいるわけで、そこで、根拠がないから返して貰えないんだから、根拠を作れないか、という意味なんです。
【厚】根拠は、査定の場合も監査の場合も同じです。
【交】それじゃあ、監査の時と同じような通知を出せるじゃないですか。出して下さいよ。経緯としてね、自己負担分の過払い分を返還するシステムをつくってくれ、と僕たちが言ったら、民事不介入の原則でできない、と言ったんですよ。でも、今は、国会でも言ってるように、システムを作ろうとしているんでしょ。一体、どっちなんですか、厚生省は。そこをはっきりしてもらわないと前に進まないんですよ。システムを作ろうと思っている、と言えば話は次に進んで行くけど、民事不介入で作れないんだ、と言うなら、こういう話を続けなければいけなくなるんです。
【厚】民事不介入の原則はありますが、患者さんからも、議員からもそういう声がありますので。


(2)減額査定をされた場合の被保険者への返還ルール、システム作りに早急に着手し、案を示されたい。又、このルールにおいて、被保険者の過払い分は保険者などに担保されるシステムとなるよう検討されたい。

【厚】これは、減額査定があった場合は、医療機関の方から保険者の方に過払い分を払わせて、それで保険者から患者の方に、返させる、というような、そういったことをおっしゃっていると理解してよろしいのでしょうか。
【交】これはね、以前の交渉で、「我々としてはシステムを作らなければいけないと思っているんですが、なかなか良いアイデアが思い浮かばないんですよ。何か良いアイデアがあれば教えていただきたいんですが」と、そちらから言われたことがあるんですよ。それで、考えてきたのがこれなんですが、これがどういう主旨かと言えば、減額査定をしたら、その分を保険者は医療機関側に支払わないですよね。そして、その時に自己負担分にもどれだけの過払いが生じるかは計算すればわかりますから、その分も含めて支払わないようにして、自己負担分の過払い分も保険者が押さえておく訳ですよ。それで、その後減額査定が確定すれば、患者は保険者から何らかの形で返還を受ければよいわけで、医療機関と直接やりとりをする必要がなくなるというわけです。減額査定分が、医療機関側からの再審査請求で、もし復活した場合は、保険者はストックしていた額を全て医療機関に支払えばよいわけです。そういうシステムがいいんじゃないか、と厚生省に聞かれたから一生懸命考えた案なんですけど。
【厚】まず一点目には、平成10年1月診療分から9月診療分までで、減額査定になったケースというのは551万2529件あります。これは今年の1月から公表しているものなんですが、これだけを事務的に基金でやるのはちょっと大変じゃないか、今は紙のレセプトで付箋を貼ってやっているわけですので、自己負担分の割合も、本人か家族か、どの保険かでちがうわけでして、それはまあ簡単な計算かも知れませんが、事務的には確かに増えることにはなりますので、難しいんじゃないかと思いますが。
【交】それはやれない理由ですか。何かシステムを作りたいと思っているんだったら、そんな言い方ばっかりしてられないでしょう。
【厚】まあ、やる場合の課題というふうに受け止めていただければと思いますが、あとはですね、これをぎりぎりやっていきますと、今言ったのはたとえ1円以上でも減額査定があれば直すという前提ですが、・・・
【交】それは嘘でしょ。205円以下を書かないで、丼勘定でよいと言ってるくせに。何が、たとえ1円でも、ですか。
【厚】保険者の方も、患者にどうやって返すか、というのは難しい問題で、でも、我々としては、この問題をなおざりにしようと思っているわけではありませんで、いろんな問題点を含めて考えていく、というところはご理解いただきたい、ということです。
【交】でもね、この問題、もう何年も経っているよ。あなたは検討しているとおっしゃいますがね、国会で発言してからも半年以上経っているしね。だから、そこはもう少し、本腰を入れて考えてほしいと思うんだけどね。課題、と言ってしまえば課題はたくさんあるでしょうが、基本的には何とかシステムを作りたい、と思っているんでしょ。その点はどうなんですか。
【厚】問題認識としては当然持っておりますし、何かいい方法はないかと、ずっと過去にも検討した経緯はあります。しかし、先ほどのそちらの案では事務手続きが増えますからちょっと現実的には難しい。
【交】減額査定された人にはお金を返さなければいけない、ということが当然なのに、あなた達厚生省は何の案も示せないで、ここまで来たわけでしょ。できるだけ、事務的な面でも合理的な案はないかと考えて持ってきているわけですよ。それでも事務量が事務量が、なんてことばかり言うなら、他に良い案を出してみなさいよ。僕たちは、一番事務量が増えない案として持ってきているんですよ。
【厚】じゃあ、保険者が患者に返すシステムを、あなた達はどうしようとおもっておられるんですか。これはたいへんなことですよ。
【交】病院へ返してもらいにいくときは大変じゃないと言うんですか。病院へ行くのも保険者に行くのも同じじゃないですか。それとも、過払い分を放って置けとでも思っているんですか。国会でも、患者が直接医療機関に返してくれとは言いにくいだろうからシステムを検討したい、と厚生省は答弁したんでしょ。実際に高額医療なんかでは、保険者と患者の間でお金の返還のやりとりをやれているわけでしょ。基金のコンピューターの計算式をちょっと変えるだけのことで、どうして事務量が増えるんですか。真剣にやろうと思っていないんじゃないですか。仕方がないから、次回ももう一回同じ提案をさせてもらいますよ。


(3)減額査定の結果、一万円以上の過払いが生じた場合、本人に通知するというルールを守っていない自治体が多数あることが、読売新聞等の調べでわかった。至急状況を把握し、適切な対応をとられたい。

【厚】この件では、読売新聞の方から厚生省の方に取材がありまして、お答えした結果が記事になりました。1回目と2回目と記事がありまして、1回目は読売新聞の独自取材で政令指定都市のことを、2回目には厚生省の回答に基づいた記事となっております。厚生省としても、今回改めて都道府県を通じて調査しましたところでも、一部負担金に過払いが生じる可能性がある場合にでも、そのことを知らせることの意味というか位置づけの意識が必ずしも高くない市町村がある、という認識は持っております。したがって、今後ですね、このことについて、周知徹底を図っていくということを考えております。以上です。
【交】どういう形で周知徹底するんですか。
【厚】既にその旨の通知はですね、昭和61年に出ておりますので、そこを徹底するということですが、例えば、都道府県ですが、全国会議の場でありますとか、そういう場面で周知徹底を図っていきたい、と思っております。
【交】改めて通知を出すということはないんですか。だってもう12年もたっているわけでしょ。
【厚】行政の性質というものでは、何十年前のものでも変わらない限りは・・
【交】でも、それで徹底できていなかったわけでしょ。
【厚】ですから今、申し上げましたような方法で口頭で徹底していきたいということです。
【交】口頭で徹底できるものなんでしょうか。国保の課長会議でしょ。徹底されたかどうかの確認の作業はするんですか。
【厚】そこはまだ具体的には決まっておりませんが、そこについても検討していくことは必要だと思っております。
【交】課長が集まった場所でどのような話し方をされるおつもりですか。
【厚】まだ、詰めておりません。
【交】いつ頃やるんですか。
【厚】年明けに全国会議がありますので、そこで、と思っております。

<終わり>