第45回 厚生省交渉(1999年8月5日)

<情報公開関連>

1:レセプト開示について
(1)前回の交渉で厚生省は「被保険者からレセプト開示請求がなされた後でも、医療機関から返戻請求があればコピーをとらず返戻して良い」と発言した。ところが、その発言が厚生省の見解かどうかを確認すると、曖昧な回答が続いた。厚生省の見解をはっきりと国民に示されたい。


【厚】返戻請求があった場合に、コピーを保険者がとる必要があるかどうかですが、医療機関は診療報酬請求書にレセプトを添えて提出しなければならないこととされています。当該レセプトについて、仮に事務処理のミス等でレセプトの記載に誤りがあることが判明した場合は、保健医療機関は当該レセプトにつきまして返戻を請求して改めて正しいレセプトを提出することができることとなっております。その際、保険者として、確認をするために、一時的に差し替え前のレセプトについてコピーを取って保管するということはあるかと思うんですが、その確認行為がなされた後に、それ以降の時点において、必ずしも、そのレセプトを保存しておく必要はない、というふうに考えております。1番については以上です。
【交】そうすると、この前も確認をさせていただきましたが、全部の保険者に対してそういう対応をする、と理解してよいですか。
【厚】はい。
【交】前回、議論になったポイントというのは、開示請求があって、開示する直前に、実は差し替えしたい、というようなことになって、つまり不正請求なりをしている可能性のある医療機関が差し替えるという場合に、私たちの理解からすると、この問題は不正請求を防止するという性格も同時にあると思うんですね。だから、われわれにとっては、初めに請求していたものと、実はこちらが正しいのだよ、といったものと、一体どう違うのか、単純なミスだけなのか、そこには裏がある可能性があるんじゃないか、と感じているんですね。だからこそ、トータルに見て、保険者にとっても、レセプトの開示請求があれば、差し替え前のものも両方必ず出すんだよ、というルールとして決めていくことの方が、非常に国家的にもメリットが高いと思うんですよ。正しいものは一枚だよ、という理屈ですけどね、だけでもトータルに見てそのことがもたらす効果というものをあなた達は考えなければいけない立場だと思うんですよ。その点も十分に考えられた上での回答と理解していいんですか。
【厚】不正請求ということに関してはですね、別途、保健医療機関の指導監査という仕組みがございますので、・・・
【交】それは、前回も話したでしょ。そんなに頻繁にやらないでしょ。一医療機関に対してしょっちゅうやらないでしょ。
【厚】そうではありますが、何をきっかけにやるか、ということは当然あるわけでして、レセプトの返戻であれ、当該医療機関について、いわゆる怪しいとか怪しくないとか、そういうことを保険者の方でも情報として得ることはあるわけでして、それは指導監査という中で、解決されていく話ではないかと思います。
【交】だから、わざわざ指導監査とか何かに入らなくても、自己抑制ということの意味を、例えば両方出すんだよ、ということによって、監査に入るとか入らないとかそこまでやらなくても、そういう効果の方が高いわけですよ。
【厚】でも結局レセプトの開示請求というのは、全てのレセプトについて開示しなければならないということではないので、開示請求があってから、それを契機として開示される訳なんですが、そのレセプトの開示請求ということと、返戻前と返戻後のレセプトをチェックする話というのは、別になるんじゃないかと思うんですが。
【交】請求者にしては、自分が自己負担分を支払った領収書とレセプトの内容がどうも違うんじゃないかということを突き合わしたいという意図があるわけですよ。そのためには、最初のレセプト、つまり差し替え前のレセプトはどうだったのか、ということも知りたいわけですよ。つまり、両方出すんだよ、というルールを定めることが一つの抑止効果をもたらすというふうに、あなた方は考えないんですか。つまり、一つの行政の施策というものが、一点のそのことだけではなく色々な効果をもたらす、という理解をしていくでしょ。それが当たり前でしょ。開示する、ということにだけ一点集中するだけでなく、そのことがもたらすいろいろなプラス効果というものを考えて行政的な判断をして行くわけでしょ。つまり、抑止効果ということと、実際に請求者が差し替え前のレセプトの内容を知りたい、ということとは決して相矛盾する話ではないんですよ。
【交】開示されるのはレセプト全体のほんの一部でしょうが、レセプトはいつ開示されてもいいようになっていなければいけないわけですよね。ところが、今のままでは、開示請求が来た後に、あわてて、間違えていました、すみません、と言って書き換えればいつでも書き換えられるわけですよ。それを抑えるということが、絶対に必要なことだと思いませんか。
【厚】本来、レセプトというのは、正しいものを出していただいている、ということで、保険者もそれに対して支払っているわけですので、・・・
【交】正しいものを出しているんだったら、開示請求があった後に差し替えることの方がおかしいわけでしょ。
【厚】それは、おかしいと思われるような、まあ、そういうふうにとられてもおかしくないことではあると思います。
【交】だとすれば、その前にルールをきちんと作って、両方とも開示する、としておけばはっきりするわけです。点数を間違えていました、というだけだったらましですが、ところが、返戻前と後を比べてみたら、まるっきり違う薬品が請求されていたり違う処置がされていたりしたら、本人が知っておく必要があるでしょ。
【厚】それは、保険者においてもわかるわけですよね。
【交】だから、前回までの話では、返戻前のレセプトのコピーを取らなくてもよい、という話でしたよね。
【厚】コピーを取らないというのは、不正請求の疑義があるからコピーを取る、という意味ではコピーを取ってないというわけであって、保険者としては当然不正行為があれば、保険者としてもこの差し替えはどういうことだったのかな、と、前と後を比べておかしいなということであれば、保険者としても認めないわけですよね。そういう意味で、前と後を比べるためにコピーを取っているわけで、だから、不正請求の疑義は確かにあるかも知れないですけど、差し替えがあるということは不正請求の疑義があるからコピーを取っているのではなく、差し替えが本当に正当な行為であるかどうかということを確認するためにコピーを取っているということです。
【交】だったら、両方とも開示しても問題ないでしょ。
【厚】確かに、両方開示すれば、という気持ちも分かるのですが、そこは、医療機関との信頼関係というか、医療機関が間違えました、ということであれば、保険者が正しいと思えば差し替えざるを得ないというか、差し替えているわけですから、そういう意味で、差し替えをしたという時点で、前のものはレセプトではなくなりますので、それを出すことはできない、ということです。それから、もし、差し替え後のレセプトが、どうも中身が違う、ということがわかればですね、医療機関に聞いていただければいい話ですし、医療機関が明確な説明をしないようであれば、保険者の方に言っていただければ、県の審査機関の方でおかしいな、ということになれば指導なり監査なりをする、というような仕組みになっておりますので。
【交】ちょっとわかりにくいんですが、差し替えがあれば、それが正しいかどうかのためにコピーはとる、ということですね。それを開示しないという理屈がわからない。
【厚】まず第一に、差し替え請求があった時点で、前のものが確かに間違いである、ということがわかれば、前のやつはレセプトではない、という解釈ですので。レセプトではないので、開示する対象ではない、ということです。
【交】私は医療費返還訴訟の原告です。この訴訟はどういうものかといいますと、レセプトを本人がチェックしたら、そこに多数の架空請求があったので、そのレセプトを根拠に返還訴訟を起こしたということです。それで今、不正請求の可能性、ということで議論されていますが、これは可能性にとどまるものではなく、私のものを含め実例があります。この訴訟の被告の医療機関は、私がレセプトの開示請求をしたら、架空請求が発覚しそうだというので慌てふためいてレセプトの取り下げ請求しました。レセプトを取り下げて何とかもみ消そうとした動きを察知しましたので、私の方も頑張って、元のレセプトを押さえました。ですから、この訴訟が可能になったわけです。この差し替えの問題を放置して、差し替えをなされるままにしておけば、これは医療機関は全部、架空請求の証拠をもみ消して書き換えてしまいます。そうすると、われわれは架空請求を訴える手段さえもなくなってしまいます。実際にもみ消そうとした事実については、裁判の中で明らかになっていますので、実例はいくらでもお見せします。それから、今、保険者がチェックできる、とおっしゃいましたが、架空請求については保険者は一切チェックできません。架空ですから。第3者のチェックでは紙の中のつじつまが合っていれば、たえるわけです。ところが、架空請求は、保険者がいくら目を皿にしてチェックしても、本人がその医療を受けたかどうかなんですから、本人に見せなければわからないんですよ。
【交】こういう事例は、裁判にならなくてもいくらでもあるでしょ。保険者が保険者が、とおっしゃいますが、保険者でわかる範囲というのは、本当に書類上の突き合わせだけですからね。
【厚】そうですね。まあ、たしかに、実際に行為をしているかどうかはわからないわけで・・・
【交】その内容のものを本当に受けたのかどうか、ということは全くわからないわけですよね。
【厚】それは、そうですね。
【交】だから、保険者だけでなく、被保険者にも前のレセプトを開示すべき、だと言ってるわけですよ。そこは、あなた方はもう少し、正しいレセプトは1枚なんだ、という理屈を変更しないとずっと平行線ですよ。
【交】この前の蒸し返しになってしまいますが、レセプトの開示請求がなされた時点で、その後から返戻請求があった場合には、その返戻請求自身は凍結されなければいけないと思うんですよ。そうじゃないと、いくらでも、差し替え請求で書き換えられるわけですよね。普通なら、開示請求があった場合には、いったんそれを開示した後、返戻に対しては差し替えを健闘するというような方策をとらないと、開示請求の意味がないと思うんですよね。この前は、厚生省は開示請求がなされた以降の返還請求はいつでも応じてもよい、というようにこの前は言ったんだけど、その見解は、今も変わらないんですか。
【厚】はい。変わっていません。医療機関はレセプトを返戻請求するということはできますので、保険者としては、診療報酬明細書として正しいものをレセプトとしていただければいいわけですので、そこの見解は変わっておりません。
【交】被保険者が開示請求をした後に、差し替えをして、前のものを処分してしまってもいい、という見解で本当にいいんですね。前回では、個人的にはそう思うけれども、厚生省の判断だというには、上の方の確認も必要だ、ということで見解が曖昧だったんけど。今回は、厚生省の見解としていいんですね。
【厚】そこは、してもいい、というか、レセプトの開示請求というのと、レセプトの返戻請求というのは、それぞれ別の仕組みとしてなされているわけで・・・
【交】だから、結果として、してもいいかどうかの厚生省の見解としていいんですね。つまり、、厚生省として、いいということなんですね。
【厚】はい。
【交】本当に情報公開の時代に、それでいいんですね。情報公開のもとで、公開請求後に、該当文書を書き換えることと同じことになるんですよ。
【厚】それとは、話が違う。
【交】違わないですよ。
【厚】レセプトの開示請求ということで・・・
【交】情報公開法が施行されて、厚生省の該当文書が請求されたら、厚生省は、請求された後にその文書の間違いに気付いたら書き直して、元のものを破棄することがあり得る、ということですね。
【厚】情報公開法に基づく厚生省の文書の開示請求と、レセプトの開示請求は違うと思うんですが・・・
【交】じゃあ、質問の仕方を変えますが、情報公開法が施行されて、厚生省の該当文書が請求されたら、厚生省は、請求された後にその文書の間違いに気付いたら書き直して、元のものを破棄することがあり得るかどうか、についてどう思いますか。
【厚】厚生省はそんなことはしないと思います。
【交】そうですよね。もちろんしてはいけないですよね。だけど、レセプトに関しては、請求があった後に、間違えているからと書き直して、前のものを破棄してもいい、という見解なんですね。法的に考えていますか。レセプト開示は大阪高裁でも情報公開条例に基づいて公文書として開示請求してよい、という判決が出ているんですよ。開示請求における原則は、情報公開法における原則と変わらないはずでしょ。
【厚】それは、小平市の例でもそうでしたけれども・・・
【交】とにかく、そういうことも踏まえて、そこまで理解した上で、レセプトに関しては開示請求があった後に書き換えてもよい、ということなんですね。それが厚生省全体の見解なんですね。前から、このことを何度も何度も確認しているんですよ。
【厚】あの、ちょっと説明させてもらってよろしいでしょうか・・・
【交】僕の質問に答えて欲しいんですよ。あなたの説明よりも。
【厚】結局、レセプトを開示請求されたものに対して、レセプトを開示するんですが、その正しいレセプトとは何か、ということが大事で・・・
【交】厚生省だって、省内で保存している文書を書き直したら、書き直した方が正しいもので、その前のものは正しくないわけでしょ。二つも正しい文書があるわけないでしょ。レセプトも同じでしょ。
【厚】厚生省は書き直したりしません。
【交】本当ですか。間違いに気がつくことってないの。絶対に書き直したことはないの?1回作った文書に誤字脱字があったり数字を間違えたりしないの?
【厚】そういう話とは、全然次元が違います。
【交】同じでしょ。レセプトの請求だって、ケアレスミスがあるでしょ。
【厚】診療報酬の明細書として付けて出してもらっているわけで、保険者としては正しいものを出してもらっていることになっていますから。
【交】それでも、数字を書き間違えていた、ということがあるから、返戻請求が医療機関から来るんでしょ。
【厚】はい。
【交】次元は一緒でしょ。書き間違えをしているというわけでしょ。なぜ次元が違うわけですか。
【厚】・・・
【交】もう、厚生省としてはどうなんですか。そちらの社会保険庁はどうなんですか。あなたの見解ではなく、社会保険庁の見解として、レセプトの開示請求後の差し替えをしていい、ということでいいんですか。差し替え前のものは、間違ったものだから破棄していいんですね。社会保険庁として、ですよ。前回は、上にも確認しないと、という雰囲気だったから、今回はそれだけを確認に来てるわけですよ。それを言ってくれたら次の質問にいけるわけですよ。
【厚】・・・
【交】さっきからのお話は、それでいい、ということですよね。
【厚】・・・
【交】あなたたち個人の意見でなく、責任ある人に答えてもらうとしたら、誰に聞けばいいんですか、その見解で間違えない、という確認をとる場合に、聞いたらよい課長さんの名前とか教えて下さいよ。河野さんは、厚生省の見解だ、とこのように言ってるけどそれでいいんですね、というのは誰に聞いたらいいんですか。
【厚】・・・
【交】本当に、上の人に確認したの?
【厚】誰に確認と言われましても・・・
【交】あなたは上司に確認したんでしょ。確認したからこういう回答をしているんでしょ。
【厚】はい。
【交】課長はこの話を理解していますね。誰ですか。あなたの上司は国保課長でしょ。
【厚】国保に関しては国民健康保険課の課長が責任者ということになりますが。
【交】国保課課長のこの問題についてもちろん知っているんですね。
【厚】小平市のことについては・・
【交】小平市の問題じゃなくてこの問題だよ。社会保険庁は誰ですか。あなたたちの回答が庁の見解だということを誰に確認したらいいの?で
【厚】いえ、庁としての見解というわけではありません。
【交】何言ってんだよ。これは厚生大臣に質問しているんですよ。ふざけんじゃないよ。厚生大臣に質問だしてんだよ。あなたの係に出しているんじゃないよ。厚生大臣が回答しているのと同じなんだよ。甘く見るなよ。誰に確認したらいいんだよ。
【厚】そこは、今日終わり次第、至急確認をして・・・
【交】あなた上司に確認したんじゃないのか。
【厚】うちが確認をしたのは、1番の(3)の項目で・・・
【交】(1)の回答については責任とれないということですか。
【厚】はい。
【交】それじゃあ、困るじゃないか。何回、この問題やってると思うんですか。ちゃんと議事録を渡しているでしょ。読んでないの?
【厚】読んでおります。
【交】前回は、厚生省全体の見解としていいかどうか自信がない感じだったので、今日確認に来てるんですよ。ふざけんじゃないよ。まったく。時間がなくなっちゃったよ。


(2)レセプト開示状況で新たに調査した結果を公表されたい。

【厚】国保についてまず申し上げます。平成11年3月末現在で、開示実施済みの国保の保険者は市町村が1884、国保組合が119となっておりまして、計2003の保険者が開示実施済みであります。全体の58.7%です。
【交】市町村は全部で何個あるんですか。
【厚】3249保険者あります。
【交】国保組合は?
【厚】166です。
【交】11年3月末で、まだこれだけしか実施してないの?
【厚】10年3月末で、確か全体の40%が開示実施済みだったと思いますので、これが少し増えたということです。それから、今後開示実施予定の保険者も含めますと、99.7%になります。
【交】平成10年末での開示実施予定は何%でした?
【厚】前回は、98.7%の保険者で今後開示実施の予定あり、ということでした。
【交】平成10年末の開示実施予定、というのは、何年以内の開示予定だったんですか?1年経ってもほとんどが開示していないということは。100年以内にやるという場合でも、実施予定になるんですか。
【厚】次年度と、その次の年度、ということで聞いていると思います。
【交】今後2年間の内に、ということですか?
【厚】11年3月末の調査分であれば、11年度中と、12年度中、その他ということで聞いていますから。
【交】10年度末の開示予定で98.7%あったわけでしょ。
【厚】今ちょっと手元に資料がありませんが、時期未定の部分まで含めた今後開示予定の保険者は、前回は98.7%でしたが、今回は99.7%でした。
【交】その98.7%の開示予定あり、というのは、何年以内の開示予定かは聞いていないのですか、と聞いているんです。
【厚】聞いていますが、ちょっと手元に持ってきていませんので。
【交】だいたい何年以内なんですか。10年以内、なんていうのも含まれているのですか。
【厚】次年度中と、次々年度中とその他、ということで聞いていますので。
【交】そのパーセントを公表してもらわないと、約束通り自治体がやっているかどうかが確認できないじゃないですか。
【厚】ちょっと今手元に持ってきていませんので。
【交】58.7%というのは、その10年度の予定から考えると少なくないんですか。
【厚】そんなことはなかったと思いますけれども。条例改正が進んでいない、とかいうような保険者があるようなんですけれども。
【交】各自治体の今後の開示予定年度を細分化した数値に関しては、10年度も11年度も両方持ってきて下さいね。
【厚】はい。前回のやつと今回のやつですね。
【交】国保以外はどうなんですか。
【厚】健康保険組合に関しての開示状況を言いますと、11年の2月末現在ですが、組合数が1786組合ありまして、その内の1703組合が、一応、開示の規定を作成しておりまして、開示の請求の枚数が1280枚、実質開示している枚数が1264枚になります。これは、10年の3月から11年2月末までの数です。
【交】開示できなかった16枚というのはどういう理由なんですか。
【厚】診療上の問題ですとか、請求はされたがレセプトが存在していないということです。
【交】間違えて請求しているということですか。
【厚】そういう可能性もありますね。
【交】政府管掌保険の方はどうですか。
【厚】平成10年の4月から平成11年3月までの1年間ですが、受付件数が199件、要求枚数が1780枚。開示が1579枚で、不開示が13枚。その他、今請求中というのが188枚ということです。これは、船員保険も含んでいます。
【交】国保の枚数は?
【厚】今、持ってきておりませんので、後から一緒にお持ちします。
【交】前回は、医療機関側の都合により不開示になった事例はなかった、という一文が付記されていましたね。
【厚】はい。国保の方でありましたね。
【交】今回は、ああゆう文面は今回はないんですか。
【厚】たしか、診療上の理由による不開示というのが、今回は入っていると思います。
【交】前回はなかったけど、今回はあるんですか?
【厚】はい。
【交】それは何件ですか?
【厚】今、細かいデータを持ってきていませんので。
【交】開示するかしないかの問題でね、一番大きい問題というのは、不開示が、どんな理由で不開示になっているかというところをきちっと詰めてもらわないと意味がないんだよね。こんな数字だけを明らかにしたって意味がないんだよ。だから、不親切なんだよ。だいたいあなたたちの説明は。不開示は、これだけの理由があって不開示になっています、と、これに対してどういうふうに開示できるように対応していけるように考えていくか、というところまで、我々に言ってもらわなければいかんわけだよ。なんか、本当に数字だけ並べて報告したらいいように思っているんじゃないの。勘違いしてないかな。原則、開示、なんだよ。だから、不開示の場合は、きちっと理由を出して下さいよ。
【交】診療情報の理由で拒否するというのは、例えば、癌だから見せないとしますよね、でもその人は拒否されたことによって、自分は癌かも知れないと思っている可能性もあるわけですよね。拒否された後、その人がもう一度病院に行って医者から告知を受けて、そうしたら再度請求すれば開示されるだろう、というような想像は当初から言われていたわけですから、診療上の理由で医師が拒否した事例というのはどういう事例なのか、というのはとても大事な話なんですよ。
【厚】ちょっと資料を持ってきてないんで。
【交】ちゃんと質問しているんだから、手元にないから、なんていうのがおかしいでしょ。
【厚】開示状況と言うことで数字を申し上げました。
【交】数字を出した後に、何枚は不開示であった、という理由は何か、と聞いたら、それはわかりません、というのはおかしいんじゃないですか、と言っているんです。都道府県別にも全部出してもらわないと。不存在ならわかるけど、診療上の都合での非開示があったのかなかったか、あったのならそれはなぜなのか、そこを明らかにして欲しいのよ。そういう形で調査をすべきだし。そうじゃないと、これをやった意味がなくなるでしょ。
【厚】・・・。
【交】不開示の場合は医療機関名も明らかにすべきだよ。そうじゃないと、不開示が1医療機関に集中している場合もあるでしょ。その場合の対応を共に考えるということが、この交渉の目的でしょ。たとえ1件であってもね、軽く見たらいけないんですよ、非開示は。
【交】ともかく、この後すぐに資料を持ってきておくれよ。
【厚】はい。


(3)社会保険庁が通知したレセプト開示の取り扱い要項の中で、保険医療機関や保険薬局への「レセプト開示のお知らせ」は不要である。要項を変更されたい。

【厚】このお知らせをするのは、当初の約束を反故にしている、という前回のお話でしたが、議事録等が残っていませんので、私の前任者に電話等で聴取したり昔の資料を見ていたのですが、レセプト開示をするにあたって、当初、勝村様の方から週刊社会保障の記事の書き直し問題があって、そのときから、診療上の都合ということと、いつも私が言っている社会保険庁としての信頼関係というか、通常の配慮、という二つの話が当時からあったと、だから、厚生省というか社会保険庁してもそういう話を考えていた、と、ただそこはその診療上の都合ということがあって、それだけで、本人については開示するかしないかということを決めた。その後、遺族については、開示をしない、という姿勢を厚生省としてはとっていたんですが、・・・
【交】違いますよ、最初から遺族を対象にする予定だったんですよ。実際に通知を出した8ヶ月前の、平成8年の10月に厚生省が最初に出そうとした原案は、とてもいい内容だったんですよ。遺族どころか、という感じだったんですよ。前任者から本当のところを聞いてもらわないと。それが、大きく報道された後、医師会の反発があって、遺族が落とされそうになったけど、何とか踏ん張ったんですよ。でも、社会保険庁が作ったマニュアルが変だと言ってるんですよ。
【厚】まあ、聞いた事実として述べさせていただきますと、それでまあ、遺族についてはかなり開示できないという話になっていたんですが、まあ、遺族についても開示する、という決定をしたときに、そのときのホローとしての医療機関への配慮というのがあったので、それがそのまま生きて、内の方として、遺族への開示について決めるときには当時から議論の余地がなくて、当然医療機関に対しての通常の配慮としてお知らせするというのは前提になっていたと、その当時、保険者の判断として事務処理基準を決めたにしろ、その当時勝村さんらとのやりとりがかなりあったらしいですので、その中で、その旨も言っているはずですけど、ということでして、と言っても現実には何も残っていないんですが、内の方も、かなり接触していろいろお話をさせていただいていた経緯がありますので、その中でもお話をしていたはずであると、そこだけ意図的に省いたりはしていなかったと思う、し、当時そういうスタンスはとっていなかったはずです、ということです。
【交】本人の場合は、医者がまだ告知していない段階で、保険者の窓口の担当者が無機的に開示しにくい、というので、一応告知がすんでいるかどうかのみを確認することは了解した。しかし、社会保険庁のマニュアルでは、開示・非開示を医者が決めるかのような誤解を生じかねないようになっている。本来は、告知がまだだったら、病院へ行って告知を受けてから再度開示請求をして開示する、という手順も想定して話をしていたはずだ。ともかく、遺族については、告知の問題がないから、事前に医療機関には問い合わせない、ということは固く約束したはずだ。しかし、開示した後に知らせる、というのは聞いていなかった。
【厚】まあ、厚生省としては、当初からそういう前提でやっているので、この点については変更できない、ということです。事前に知らせているわけではないので、特に、差し支えないのではないかと思いますが。
【交】そこは、前回の話のぶり返しになる。不要なことはする必要がないし、して欲しくない。過払いがあっても、被保険者には十分に知らせないのに、医療機関にばかり、信頼関係と言いながら、丁寧に情報提供するのはおかしいでしょ。誰のための保険者なのか考えて欲しい。現実に被保険者は皆、この「お知らせ」は不要だと感じているはずだ。


(4)コンピューターが導入されている医療機関から、単価205円以下の薬剤名等もできるだけレセプトに記載していくよう、各医療機関に指導・通知せよ。

【厚】この問題につきましては、従来から、205円以下の薬剤名についても、レセプトに記載させるように、という要望は保険者の方から何度か出されています。国会でも、この分で不透明な請求があるのではないか、と指摘されたこともあるくらいです。しかし、審議会等では、事務が繁雑なる、ということで、これでよい、ということになっています。
【交】事務が繁雑と言っても、コンピュータでしょ。
【厚】しかし、それを書きますと、そこをまた支払基金や保険者がチェックしなければいけない、という実務も出てきて、結局、経費がかかることになると思います。
【交】第3者が一生懸命レセプト1枚の中に矛盾がないかを探す審査より、全て書かせる、ということを実行する方が、よっぽど、無駄なお金を使わせないことになると思うよ。
【厚】まあ、規制緩和というか、そういう中で決めてきていることですので。


(5)前回交渉では、レセプト開示を、各保険者がどのように公報しているかを把握した上で、国としてどのように公報するかを検討すると約束した。状況把握の結果を公表し、国としての公報の方法を示されたい。

【厚】東京都に問い合わせましたら、いくつかの区では、区の広報誌でレセプト開示ができることを伝えているようです。ここに、資料をお持ちしておりますのでお渡しします。
【交】全国的にはどうなんですか。こういう例は希でしょ。
【厚】全国的には調査できていません。
【交】調査して下さいよ。毎年、いろいろ調査する中でこれも聞いて下さいよ。
【厚】検討してみます。
【交】ところで、厚生省のホームページの中の報道発表資料で、平成9年6月のところで、レセプト開示の通達を出したことだけが抜けている件で、前に検討するって言ったけどどうなったの。
【厚】別にあそこには全ての報道発表を載せているわけではないので。
【交】でも、ほとんどが載っているでしょ。厚生省が自ら記者会見した内容は全部記載されているかのように見えますよ。全部じゃないなら、HPに、「記者会見したものでも、HPに掲載してないものが一部あります」と書いておいて下さい。とても不自然なことですけど。HPの担当者は、今でも、記者会見をした部署から、報告があれば記載する、と言ってるんですよ。あなたがちょっと報告すれば済むことじゃないですか。
【厚】じゃあ、検討させていただきます。


(6)労働者災害保険では、レセプト開示請求に応じていない。前回交渉では労働省に連絡をとるとのことであった。労働省の担当官同席の上、回答されたい。

(労働省の担当官は出席できず、交渉なし)


2:支払い窓口でのレセプト相当の詳しい明細書提示について
(1)国立病院・療養所の一部負担金支払い窓口で、処置名、薬剤名、検査名などの正式な名称と、数量、単価などが記された詳しい請求明細書を、希望する患者に発行努力するよう指導せよ。また、レセプト業務をコンピュータで処理している他の医療機関にも同様に指導せよ。


【厚】これは、前回と同様なんですが、現在、他の色々な問題と共に検討しているところでございます。が、まだ、具体的にはなっていません。


3:カルテ開示に関して
(1)公開審議で行われた「診療情報の活用に関する検討会」がカルテ開示の法制化を提言したのに、非公開で行われた医療審議会の小委員会が法制化を先送りするようなたたき台を出した。こうした審議結果は、国がすすめる情報公開の全体的流れに逆行する。また、公開審議と非公開審議の結論が相反することに国民は納得できない。したがって、非公開審議の内容を公表すべきである。


【厚】ご指摘の点ですが、確かに小委員会は非公開で行われましたが、その結果については、医療審議会という公開の場で報告され、さらにそれに基づいて、公開で議論されたわけですから、情報公開という意味で問題はなかったと考えております。
【交】そうは言っても、ずっと、傍聴してきた国民からすれば、議論が伯仲している中で、最も大事な場面が非公開になってしまったんだから、納得できないですよ。そして、その後に、一方的な方向に一気にまとめられてしまったんですからね。国民からすれば、その間に小委員会でどのような議論があったのかを知りたいと思うのは当然ですよ。
【交】そもそも、どうして、審議会などが公開されるようになってきているのか、という根本を忘れないで欲しい。そうすれば、こんな大事な問題を大事な場面で、非公開で行うなんてことはあり得ない。委員に対して、公開にしますか非公開にしますか、なんて聞いたらダメですよ。厚生省として公開でやって欲しい、と言ってますか。
【厚】まあ、今後とも、できる限り、皆さんに議論を公開して、とは思っております。


(2)カルテ開示の法制化に向けて、今後、どのようなスケジュールですすめていこうと考えているのか、明らかにされたい。

【厚】一応、ああいうかたちで報告書が出ましたところですので、今、具体的にスケジュールが決まっているわけではありませんが、まあ、この問題については、あれで終わりということではありませんので、今後も情勢を見て検討していくという認識でおります。


4:保険医療費の減点審査によって生じる患者の過払い分の問題について
(1)自分のレセプトを見て減額査定されていた場合、医療機関で過払い分の返還を受けるまでのルール、システム作りに着手すると、厚生省は国会で答弁しながら、全く何もしていない。至急検討され、案を示されたい。


【厚】この件については、前回もお答えしましたが、いろいろ検討はしたが、良い案がないということです。
【交】良い案がないからと言って、放っておいていい問題ではない。という認識はしているんでしょ。
【厚】はい。ですから、いろいろと検討しておるんですが、良い案がない。
【交】僕らから言わせれば、やる気になれば前回までにも話しているように、いくらでもやり方はあるんですよ。できるだけ何も変えないように、他に影響が出ないように、できないかと考えているから案がないだけでしょ。こういう大事な問題は、まず、新しいシステムをつくる、と決めてから動き出せばいいんですよ。新しいシステムを作ろうとすると、いろいろと変えなければいけないことが多いから無理だ、なんて言うのは、結局やる気がありません、ということでしょ。現状を理由に改革できない、なんていうのは、まさに本末転倒なんですよ。国会で約束したんだから、必ずやって下さい。


(2)減額査定の結果一万円以上の過払いが生じた場合、本人に通知するというルールを守っていない自治体が多数あることがわかったが、改善状況を把握し公表されたい。

【厚】平成9年度には全体の40%にあたる1298自治体でしたが、平成10年度の調査では、全体の46.7%の1518自治体になっており、少し改善しています。
【交】少し改善って、たったその程度なの?。今年初めに、全国の課長会議かなんかできちんとやってくれ、と言ったんでしょ。その結果がこの程度ですか。
【厚】はい。
【交】こんな結果でいいと思っているの?ほとんど変わっていないじゃないですか。あれだけ、新聞で報じられたのに。
【厚】・・・
【交】こんなの、ただアンケートをとって、はいそうですか、でいいんですか。そもそもアンケートは何のためにとるのか、とった結果から、どのような仕事が必要かを考えるためでしょ。ただ、アンケートをとっただけで結果はこうでした、と言うだけで自分の仕事が終わりだと、勘違いしているんじゃないの。しっかりして下さいよ。
【交】本来、通知されるようになっているものが、通知されていない、というのは大問題なんですよ。1万円以上の減額査定があれば通知されることになっているのに、それが通知されなければ、1万円以上の減額査定がないことになってしまうんですよ。国民は、通知がないことで減額査定がないと誤解してしまうし、お金を返してもらえるかも知れない権利を失ってしまうことになるんですよ。ちゃんと指導して下さい。何のために厚生省に国保があるんですか。全国の自治体の国保が同じ国民なんだから、基本的に必要なサービスは同じように突出せずさせるためじゃないんですか。とにかく、1年ごとに5,6%ずつあがっていくというようなもんでは困るんです。ルールを守っていない自治体をどうするか、よく考えて指導して下さい。


(3)千葉県国保課が「監査の際は、過払い分を通知するが、個別指導の場合は通知しない」としていたことを受け、厚生省は前回の交渉で、個別指導の場合も通知すべきである見解を示し、千葉県国保課に指導すると約束した。その結果を示されたい。また、他の保険者に対しても、監査・個別指導で過払いが生じた場合、本人に通知しているかどうか実態調査し、実施するよう指導・通知されたい。

【厚】千葉県に問い合わせてみましたところ、個別指導の際には通知しない、ということでした。
【交】通知しないと言うことでした、じゃないでしょ。なぜ、通知しないのか、その理由を聞いて、通知するように指導していかなければいけないでしょ。理由も聞かずに、というのは、きちんとさせていこう、という思いがあなたたちにないからですよ。あなたたちにやる気がないから、日本中でいい加減なことになっているんじゃないの。実際に、個別指導でも通知されるのかどうかは、国民にとって大事なことなんだからはっきりさせて下さいよ。
【厚】少なくとも、千葉県の方に再度問い合わせて確認してみます。

以 上