第7回厚生労働省交渉の報告メモ

2005.8.24 14:00〜16:30 於厚生省

(厚:厚生労働省、交:薬被連交渉団)


(交:花井)挨拶…自己紹介双方抜きで。
(交:家西議員)被害者に対して、今後、医療費をかけるような間違ったことをしないでいただきたい。薬被連のせっぱ詰まった要求に真
摯に答えて欲しい。

1.誇大広告、宣伝、インターネット普及について具体策を。
(厚:医薬食品局監視指導麻薬対策課広告専門官:遠藤)テレビCM、新聞、雑誌、インターネットの誇大広告には取り締まってきた。
広告の三原則というのを設けている。1.広く一般を対象にととして言えること2.特定の商品名が明確になっていること。3.その情報
を受け取った側が、その製品を買いたいなと思うことを十分に想定している。この3つのいずれも満たしている場合広告と判断している。
(交)ネット上の宣伝で、人の頭脳に入った場合、被害が起きてもどこにも責任がないということになるのか。
(厚)ネット上の書き込みは、あくまで言論の自由、表現の自由ということも絡んでいるので。
(交)イレッサの問題として:アストラジェネカは宣伝を打っていないと、広告もしておりませんと。でも、雑誌に「提供」アストラジェ
ネカとなっているのは、広告という認識ではないのか?
(厚)提供というのは、いろいろ意味があるが、写真の提供、データーの提供、ある人とある人の対談を内容を提供するとか。雑誌の2ペ
ージか3ページをとかをその会社が買い取って、そこに記事を載せること。情報が提供されたとき、その製品がすぐに変える状態になった
いれば、宣伝といえる可能性はある。
(交)たとえば、誇大広告、違反しているかどうか、監視は何人でやっているか?
(厚)医薬食品局では、薬事監視1と2があり各2名ずつ。全国都道府県に薬事監視員を配置。
(交)イレッサは、誇大広告と思っている。これについて、あなた達はOKを出している。
(厚)広告は、承認や、許可制度でないので。
(交)誇大広告はダメと薬事法は66条以下、、、がある。イレッサに関しては、メーカーのマーケッティングがうまくやったと。医師向
け情報、患者向情報巧妙なイメージ戦略をやっている。66条、67条、68条に抵触していないかと。今後の対策としてどうしようかと

(交)広告の三原則の1つに消費者の購買意欲を増進させるかいなかというものがある。治研、とか、臨床試験の結果がこうであったとか
、医学・薬学の世界では、今どこまでわかっている情報を必要としている場合もあるが、これは、完全に広告と切り離して考えるべき事案
だと思う。
(交)「夢の」とか、決して、サイエンスではないと思うが。
(交)薬被連としては、イレッサに関しては、告発している。薬事法違反で。誇大広告であると。受理されているが。
(厚)いただきました資料について、原稿の基準としては、広告には該当しない。元々広告には、法律に、「こういうものは違法である」
「合法だ」という体系ではありませんので。現行の制度で、資料を見る限り、情報提供だと判断して良い。
(厚)これで、違法だとは、取り締まれない。
(交)この医薬品の販売承認前の広告宣伝の禁止というのがあり、これは、100%禁止ですね。
(厚)しかし、広く一般に、、、という、商品は、明確にしている、あとは、「買いたいとおもはない、、、」ですね。

2.薬害肝炎
(厚:医薬食品局血液対策課:稲岡)フィブリノゲン製剤納入先医療機関姪の公表について、医療機関のカルテの保存が必ず期待できない
状況下で、投与を受けた元患者の肝炎受診の端緒となるように行ったもの。公表医療機関に対して、可能な範囲でカルテを調査し、投与を
受けた元患者には、検査の受診を勧めるよう呼びかけるよう、ごきょうりょくをお願いした。また、厚生労働省では、各自治体の公表に会
わせて問い合わせ窓口を設置した。C型肝炎ウイルスに感染している可能性が、一般より高いと考えられる方からの、問い合わせがあった
場合、過去の診療記録の有無を問わず検査受診を呼びかけたところです。
(交)肝炎の弁護団、原告団からの要求書についてはどうか、公表の中味で、カルテの保存状況がちがっていた。弁護団独自の評価では、
11.5%の医療機関が、カルテ、分娩記録、看護録が残っていると。
(厚)医療機関の公表内容を複数回確認する手続きをとっている。調査後に、発見された医療機関は、申し出によりホームページに公表内
容を訂正しています。引き続き対応していく。
(交)公表のお礼を申します。7000近い納入医療機関の公表のおかげで、原告は、少し増えそうですが、私の感染した医療機関は載っ
ていなかった。直接、ミドリ十字から納入しなくても、中間の医薬品卸会社が介在している。小さな産婦人科は、購入している。なぜ、ミ
ドリ十字や、卸会社の名前が出せないか?経口フィブリノゲンの感染は、ウイルス量が多く、今10%あるとか厚生労働省のホームページ
に書かれている。子どもを育ててやれこれからという矢先に40代でガンになって亡くなっている。この感染の鎖の輪を断ち切って欲しい

(交)卸をとおした分は、把握していないのか?
(厚:総務課課長補佐:尾崎)卸にたいしても資料を出して探すよう強く督促している。卸のなかでもつぶれてしまったところ、もうすで
に今は無い卸会社もあります。しかし、記録が全くなくなっているところもあります。しかし、実際には、使っている可能性、公表されて
いない医療機関があることは、否定できません。引き続き、お願いしていくが、とにかく、心配な方は、肝炎検査を受けてください。
(交)ミドリ十字がどこそこへ卸したデーターはないのか?
(厚)それは、ちょっと後日に。
(交:小林)レベルの格差が大きくて、例えば、九州大学などは、要請書を送ってから、半年放置して電話したときに「どうやるの?お金
はどこからでるの」。厚生省の強い指導をお願いしたい。
(厚)薬事・医事法の関係で言えば、「義務」であり、行政処分に課すことはできない。国としては、できる限り、強くお願いしていく姿
勢です。
(交)フィブリノゲンを使った患者を特定して、呼びかけをするとかできなものかと、、、。
(交)何か、施策を。無料で、検査とか、
(厚)公表というのがひとつの契機となって、検査と治療の重要性、18年の予算編成にも要求していく。努力したい。

3.MMR
(厚:結核感染症対策室:白野)予防接種の運用や、感染防止の提言を素早く行う常設委員会を設置した構想と具体的な手段を、また監視
の機能を。ということについて、常設委員については、具体化していない。誤報。検討委員会で被害の拡大防止等を含めて国の責任に於い
て適切な。指導をしていく。
(交)MMRの経過を見て、あれは、何も問題がなかったと二人とも思っていませんね。当面、MR2種混合、組織培養型日本脳炎ワクチ
ンポリオ復活か今まで国内で使用例がないワクチンの導入が。説明を。
(厚)MMRのコメントは係争中ですので、ひかえたい。新しいワクチンが導入される上で、副反応がどおういうふに察知されるか?とい
うことですが、ワクチンによる、よらないに関わらず、ご本人、保護者、自治体、医療機関から、報告書を出してもらうシステムができて
いる。健康被害の救済制度があり、それと関連して、適切な対応をしていく。
(交)今年4月から導入されるMRワクチン、生まれた子供1200万人に定期接種していくわけですが、MRワクチン2回接種で、年、
2400万人に接種することになる。国として、新規なワクチンを導入した場合、どんな監視体制をとるか具体的に示してください。
(厚)今までのワクチンは、副反応が、ある一定の割合ででていますが。新しいワクチンに関して、対策を検討していきます。
(交)当然MRの治研は終わっているのでしょうね。
(厚)現行の12ヶ月から、90ヶ月 のお子さんに。
(厚)どれくらいの頻度、この頻度になったら中止、あるいは継続といった決まりは、世界的に見てもありません。やはり、その頻度と重
傷度で、、、。今回日本脳炎の中止は、厚生労働省が決定した。
(交)最悪の事態を想定して前向きな検討をしてください。

4.陣痛促進剤
(厚:雇用均等児童家庭局母子保健課:中込)基本的に、厚生労働省のほうで、このテキストでやりなさい、母子手帳をこういう内容で、
指導的に示すことは、基本的にありません。様式を示して、市町村に配って、それ以外の事項、任意記載事項、健康診査、保健指導の記録
などです。ご指摘のような薬剤の危険性、情報は、非情に重要な情報として医師や、医療機関に十分に周知されるべき。母子手帳とか、母
親教室とか、あまり情報が多すぎても必要以上にお産に不安を感じてしまったり、インフォームドコンセントが重要である。もう1点、夜
間より昼間、休日より、平日という件ですが、緊急な治療が必要になったとき、医師や医療関係者の配置が手薄だったときの心配だという
考えがあるように思う。産婦人科医師不足の充足に力を入れていきたい。
(交)13年目で、30回ぐらいの交渉で率直に言って最悪の回答です。12年前に「陣痛促進剤の使用によって胎児仮死、胎児死亡、重
度の脳性麻痺、母親死亡、子宮破裂が頻発しているから気をつけられたい」という1冊の本を厚生省に見せた。これを契機に能書を改訂し
た。最大使用量を半分以下にしなさい、感受性の個人差が200倍以上あるから、1分間に3滴からはじめよ。と書いてあった。助産婦は
、知らない、医師は読んでいない。僕たちが、被害の事例を持っていくたびに能書が改訂した。3.4年後に、ようやく、「妊娠中の薬に
は注意しなければならないものがあり、医師と相談しましょう。」と母子健康手帳に2行が記載したと、それでは被害が無くならないと、
怒った。2年後に「陣痛促進剤を使う場合もありますので、医師にそうだんしましょう」だった。今回の5月、医療対策課は、「医療事故
を防止するには、医療関係者だけに情報を与えるだけでなく、国民や、患者にも伝えないと、この防止にはならない。」あなたが、今言っ
たのは、全然違うでないか。全く逆の意見ですよ。あなたは知らないんでしょう。知らないなら、ここに書いてあることを調べてください

(交)陣痛被害者たちとどんな交渉をして、何が変わってきたか、課に帰って、相談してもう一度答えてもらいます。4時までにお願いし
ます。

5.サリドマイド
(厚:審査管理課:林)要望は、3月にもいただいた。この薬がもし本当に 再び使用される場合には、新たな被害を防止することが何より
も重要であることを私どもも充分認識しております。そのために、今般の治研では、局のほうもいつような安全管理体制をとると言うこと
は承知しています。安全確保に関する公開の審議会、または検討会、その可能な手だては引き続き検討中です。治研もこれからということ
なので、まず、医薬品の安全性の確保は、一義的な責任は、製造販売承認を有する製薬企業であると考えており、国としても承認審査を行
う立場であり、市販後に本薬の十分な安全確保措置が講じられるよう、必要な対応はとっていきたい。
(交)いつまで検討中なの?治研は、もう始まっているから、早く話し合いを始めましょう。国も一度失敗しているんだから、二度と繰り
返さないと確認書で約束しているのだから。
(厚)引き続きご相談していきます。
(交)今の状態だと、あの企業は非情に不安だ。

6.国立病院
(厚:総務課:尾崎)国立病院機構の病院に対する職員研修について。EBMに基づいた医療を提供するため、医療技術研修会等を開いて
医療従事者の養成を行っている。被害者の声を直接聴く研修会は、目的、研修内容、研修効果、当方で把握していませんが、機構に対しま
して主旨をお伝えいたします。
(厚:医政局国立病院課:羽野)
カルテ請求は、400件把握している。非開示は、ほとんどなく、一部非開示とか、10件もありません。薬害被害者が、その中に何人い
るか、情報開示の主旨から、聞いてはいけないことと思います。そこはご理解いただきたい。
(厚)請求書、領収書の発行について、機械のシステム化のため、買い換え等、、、まだできていない。院外処方については、薬の適用を
説明している。情報提供はしていく。
(交)文部省も国立大学の病院機構を持っていますね。こちらと全く同じ要望を出しているんですよ。文部省でも病院長会議等で話しを出
してもらっている。できれば、両省、国立病院関係で揃えてやっていただきたい。文部省は、カルテ開示について、毎年同じ要望を出して
いるが、一覧表も全部出してくださっている。レベルは同じにしていただきたい。カルテの非開示についても0にしていただきたい。領収
書は、薬品名はわかるが、点滴とか、注射、血液製剤とかはわからないんですよ。替えないとできないとか、ソフト、プログラムを変えな
いとできないと言うんではなく、替えてやってくださいと。先進的な国立の特定機能病院では、当然そういう情報を出していくべき。職員
研修についても、被害者を無くしていく観点から、近日中に具体化してください。
(厚)文部科学省がそんな対応をしているのを知らなかったので、、、よく相談して、、、。
(交)相談する以前の問題でしょう。
(厚)私は、研究所のほうが主ですから、システム化について、プログラムを変えるだけでも良いのであれば、、、取り組める話しです。
(厚)別件だが、施設設備オーだリングを買えるときに、引継をきちんとしないと、また、きていなかったとか、どうなったかのやりとり
が必要。ものごとが、前に進まない。ご要望もきていますが、なにしろ独立行政法人なものですから、厚生省の敷設機関ではありませんの
で。施設長にお伝えします。
(交)厚生省が患者向け医薬品のガイドラインの検討をしているが、どういう段階か。
(厚:安全対策課:渡辺)6月末に項目のあるような要項を製薬企業の団体に示している。これは、概要みたいなもので、詳しい記載要領
は製薬企業の団体に頼んでいる。できたら、提供方法としてインターネットに載せて、国民の皆様にお知らせする。提供のためのシステム
開発は、機構の医薬品情報提供課にお願いして載せるようにしたい。

7.イレッサ全例調査
(厚:安全対策課:渡辺)1月から2月にかけて4回公開で専門家に論議していただいた。1つは、推定使用患者数の計算に用いたイレッ
サの投与期間、あとは、現時点で、何人に投与されているか?3.8ヶ月から10.2ヶ月 までの 5ヶ月。協力してくれた医療機関13
66施設で新規投与の患者数は、3700弱。今年1月から、6月まで。6月末まで6400弱の人が投与し続けていると。企業が出荷し
ている錠数の5%ぐらい納入している医療機関について協力が得られなかった。単純に錠数で考えれば、95/100×6400ですが、
3月の検討会で、1月と3月で何が変わったかというと、新規投与期間が、臨床試験のカルテそのまま使っていた。3月の段階で修正した
時、癌の種類、線癌とか、癌の種類で投与期間が違っていたとか。実際の投与期間は、短めになるのでは。

8.ADEM
(交)ADEMは、8ですが、症例報告。データーは、栗原さんが持っている。
(厚)健康被害救済として出しているのは、14例。他の報告として出されているのが20件

9.臨床試験
(厚:審査管理課:林)臨床試験、被験者にリスクを負わせないようにということですが、治研ですが、現行のGCPの中でやっている 。
インフォームドコンセントが定められている。
(交)医療機関としても患者に丁寧に説明して欲しい。
(厚)・2番目の企業の費用負担の明確化、、治研のあり方に関する検討会議論している。ご指摘されていることに関しては、論点を整理
する事項に上がっている、傍聴してください。

10.医薬品副作用被害救済制度
(交)医薬品被害救済制度を見直し、抗ガン剤を救済制度に入れて欲しい。
(厚:医薬品副作用対策室:増田)医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済をはかることを目的として、製造販売業者の責任に基づく
制度であり、癌、その他の特殊疾病、厚生労働大臣が指定するものは、制度の対象外とされている。抗ガン剤については、予想される副作
用の頻度や、重篤性を勘案し除外医薬品とされています。
(交)このまま、外し続けるのか?
(厚)制度創設以来十分検討したうえの話しです。
(交)イレッサについて言えば、診療所であれ、歯科医であれ多くが使っている。救済制度が無いと言うことは、医師に足かせがないこと
。誰でもが使えるんではないか。
(交)薬被連として、このままでは良いと思っていません。この制度を今後よくしていこうというにはかわりありませんね。

◎陣痛促進剤の件に戻って
(厚:中込)この時間になって申し訳ありません。説明が不十分ですみません。こういった情報は、非情に重要で、まず医師や、医療関係
者助産士が十分知ることが重要です。母親教室でも、市町村事務と申しましたが、こちらからもテキストを作っております。新しい情報が
でるたびに都道府県市町村に情報を提供し、指導徹底しております。
(交)母子健康手帳の53ページに薬の欄がはいりましたね。陣痛促進剤の被害がでるたびに検討してもらったものです。何年もかけて。
薬のリスクについては医療従事者も国民も共有するべきです。是非、また、同じ立場で前向きに考えてください。とりあえず、今日は、こ
れをご理解いただいて。また、次に。

◎薬害の副読本について
(交)薬害教育では、文部大臣が、薬害と公害は、横並びで指導していくべきだと。文部省の担当者が決まって、厚生省も決まれば、薬被
連を交えて、事務的な話しから始めようと。今年中に話し合いを持てるようにしましょう。
(交)きょうは、長時間、ありがとうございました。エキサイトしてしまった部分もありましたが、今後とも宜しくお願いいたします。

以上