第7回文部科学省交渉の報告メモ
2005.8.24(水)AM10:00〜11:30 文部省隣三井ビル10F
(文…文部科学省、交…薬被連交渉団)
1.大臣面談要望に関して
(文:黒岩)昨年国会のほうで大臣出席の予定で調整しておりましたが、突然の解散でキャンセルが続いている。来年以降は、薬被連に関
する場合、代表して呼べば本会と同じようなかたちでお考えいただける。また、仮に大臣が交代されるような場合でも経緯をお伝えする。
(花井)来年一年待ってではなく近い中に会えるよう対応してください。
(勝村)医療と文部科学省があまり関係が無いように思われてぃたが、医学、薬学、看護、大きな医療機関を運営しているのは、文部科学
省の管轄であって、厚労大臣と連携をとって積極的にリーダーシップをとって欲しい思いをお話ししたい。
2.初等中等教育局教育課程
<1.2について>
(文:コウダ)学習指導要領、、10年に改訂された学習指導要領の全体的な見直しのなかで、教育内容の改善充実について、中央審議会
で審議をしている。個別具体的内容は、国民共通に指導すべき内容をどのような観点で示すか、国民の皆様にご意見をいただきながら総合
的に検討、また、基本的な方針、学力の問題、週5日制の問題等を今秋までに示すことになっている。アピール等のスケジュールは未定で
す。私どもが、先取りした発言は、差し控えたい。ご要望いただいたことの重要性は、引き続きしっかり認識させていただく。
(交)最初からお願いしていることなので、こう検討してこうなったとか、こういう理由でダメだったとか教えていただけないか。やはり
、大臣として、どういうお考えをもっておられるかお聞きしたい。
(交)大臣の答弁ですと、薬害というものがあるのだ、やはり小さい頃からきちんと教えていくべきだという答弁があります。具体的に中
教審にどのようなかたちで報告していくのか聞かせてください。
(文)教育課程に関しては、様々な意見があります。今日の文章で中央審議会の事務の場で伝える。
<副教材について>
(文)ハンセン病は、厚生労働省パンフレットを作成し、中学校の生徒に配布したと言うところもある。薬害について、専門的な治研と役
割を担っている厚生労働省の役割が大きいが、医薬食品局、副作用対策室、厚生労働省の担当のに問い合わせたが、げんざい、その予定は
ない。今回のご指摘に加えまして、引き続き連絡を取りたいと思っっている。
(交)教育のプロなんだから共に薬害を防止する対策とか、一緒に考えるべきではないか
(文)今のご指摘をふまえて連絡を取らせていただきます。
(交)どっちの予算でやるかを決めてしまわないと進まない。
(文)どういう方法で情報を提供させてもらうと子どもにいちばんすとんと入るか、学校教育の視点からインテグレーションが必要である
ばあいは、人的な協力もさせていただく。
(交)これは、教育の問題ですから、教育の問題として、文部省がリードをとり厚生省に薬害の記述については教えていただくとか、不足
する場合は、薬害被害者からも話しを聞くとか、なすり合いばかりしていては、可能性はない。
(交)両省とも割と前向きな状況だから、事務レベルで一度話し合いをしたらどうか
(文)連絡させていただきます。
(交)医学薬学部の卒業アンケートで、スモン、さりどまいど、薬害エイズなど全く言葉としての理解、なんのことかわからないまま卒業
してしまっている。
3.高等教育について
<高等教育全般について>
(文:西野)医学、薬学、歯学、看護学のモデルコアカリキュラムの中で被害を学んでいく資料として設定されている。学部長会議、学長
会議を通じて、医学的観点だけでなく人道的、人権学習的観点から話しをしている。薬被連の方を講師として話しをしてもらっていると言
う案内も出している。資料1.一枚目は、各大学の取り組み状況、2枚目は、各大学の状況
・医学部16年度から17年にかけて、63⇒73/10大学増えた。
・歯学部 20⇒26
・看護系 65⇒93
・薬学部 51⇒56
・薬被連講義 それぞれ、23⇒28 、1 、2、6⇒10 増えた。
(交)命を扱う大事な仕事をしている国立関係の病院の医療者の講師派遣が増えていないのは何故か?という思いである。医療関係者が4
から6年の間に一度は、当事者の話を聞くシステム化をお願いしたい。
(交)学生の感想文の中に被害者の立場が、キチンと伝わっていて感銘を受けているという。医療従事者としての構えを培って欲しい。も
っと、機会が増えるように検討していただきたい。
(文)来年から、薬剤師の要請が4年から6年に変わるご指摘だと思うが、6年制のカリキュラムですが、14年8月に薬学教育モデルコ
アカリキュラムがつくられています。各大学、あるいは関係者、行政等の意見もふまえて。薬害環境について、、1つは、その医薬品の開
発と生産というなかで、薬害到達目標として、サリドマイド、スモン、非加熱血液製剤、ソリブジンなどについて、その原因と社会背景を
説明しこれらを回避するための手段を学習することがでております。薬害教育モデルBにおいて、目標として、現代社会と薬学の接点とい
う項目の中で薬害が取り上げられている。
(交)スモン研究班といって、スモンについての研究をやっていますが、看護学校で、アンケートを取ったところ、スモンの原因迄わかっ
ていた人が、たった一人だったと。現在、高齢化していて、治療について、スモンを理解して無くて、相手にしてくれない、対処療法しか
やってくれない、スモンを見つけたのが、東京の三楽病院の看護婦さんだった。被害を拡大させないためにも教育が絶対必要です。
(交:塚田)
現在、起こっている薬害を問題が解決するまで取り組めない、係争中の薬害であっても文部科学省、厚生労働省が、家族を呼んだり、遺
族を呼んだりして勉強してどうあるべきかと研究していただきたい。
(文)ご指摘ありがとうございます。医療者を養成するにあたって、全部の医師だけが決めるのでなく、薬剤師、看護師がチェックしなが
らきちんとした医療ができるようにしたい。医療人の教育については、薬害の問題について医学、薬学の担当者つけてきちんと指導してい
く。塚田さんのお話は、難しいかと、教える範囲があり、将来、医療者として学び続け無くてはならないと思います。
(交:片平)東洋大学の社会学部。非常勤で、医学部、薬学部、7校ので薬害の教育をやっている。イントロダクションで薬害が、と医薬
品の開発と生産 にはいっていることに非情に奇異を感じるが。
(文)イントロダクションがでたから良いという話しではなく、全体社会と薬学という視点で規律されていて、一応留意したかたちになっ
ている。イントロダクションの視点の話しと薬害のところの到達目標をふまえて、どういうカリキュラムをくむか現場の先生に押さえてい
ただいて教えていただくご協力をお願いする。薬学と社会のほうが良いなとというご指摘ですが、一度出したら、かえられないというもの
ではありませんから。
(交:岸)社会教育、人権教育について、いろいろな教具があるが、ステッキ、車いす、あれは、、、、だとか、問題なのはその人たちが
、現実に一緒に生きていることを認識していただいて、一緒に生きる、助け合う、発想を持ってもらいたい。知識を植え付けるだけではな
い、現場を見る、交流をするということが大切。
(文)病棟に行くとか、地域の医療施設でですね。患者さんに接するなかで自分の医療人としての信念をしっかり勉強していくいま、まさ
に臨床実習、殆どの実習教育の充実に私も取り組んでおります。
(交)社会と薬学という項目があるのなら、陣痛促進剤や、サリドマイドにしても母親の遺伝だとか、差別や偏見とのたたかいがが絶えず
あってそういうのがまかり通るのは、教育の不備、HIVにしてもスモンにしても本当の原因を誤解されて差別、偏見がまかり通ってきた
反省えを歴史を知っておくことで同じ過ちを来返さないためにも教育の必要を感じます。
<検討委員会に薬被連の代表を>
(文)議論といえる内容がたいへん広範囲ににわたるときに限られた人数で、選定している。その特定の団体の人を選ぶところでは、事前
に議題をもうけて設定することは、たいへん難しい事をご理解願いたい。薬学担当会議にご意見を出してもらったり、あるいは、看護学教
育で花井さんに講演していただいたり、目的に応じて考えていきたい。
(交)審議会とか、検討会等は、いくつあるか。
(文)文部省全体でいくつ審議会、協議会があるか独立行政法人関連では、いろいろあるが自分のところは、1つです。
(交)当然それは、特定の団体ではないのか?
(文)たいへん不適切な言葉を使って申し訳ない。医学関係なら学部長会議とか、皆がら委員を設定していくというのは事実です。
(交)薬害問題を教科書に載せるか否かの論議をするときに当事者が入らない、議論をしても間違った情報もあると思う。これは絶対必要
だ。血の通った答申などはでてこない。
(文)先ほど申し上げたようにご意見を伺い機会を設けている。いろんな会議の情報収集のなかで当事者の意見を伺っております。ご意見
をまとめていくのが重要かと思っている。
(交)情報にも悪いものがある。形だけ、名前を並べてやるのも全く薬害を知らない人もあり、真に広く教育全般に責任を持って。
(交)我々も私利私欲でやっているのではないことはご理解いただけますか。薬害を起こさせたくないと、今苦しんでいる人を救済する方
向でね。
4.生涯学習について
(文:宮田)まず、薬害問題をはじめとする医療問題で全国の自治体でどれくらい取り上げられているか、全国50万件自治体とう、NP
Oをはじめ、民間団体を1件1件調べるのは、非常に困難なことである。文か省の協力団体である、人権教育啓発推進センター、人権に関
する調査をホームページ公開しており、全2000数百ある市町村で、回答が1500。センターのスマイルネットで検索してください。
HIVは、106件、医療関係300件、薬害は残念ながら10件ていど。薬害エイズのチラシ、パンフを作ったとの情報がはいっていま
すが。10月の人権担当者会議で是非、周知したい。自治体とは違うが、大学において、地域に公開講座という形で、今日興しの先生にも
東北大学でやっております。全国の医薬系大学では、薬の飲みかたであるとか 、食と薬言ったテーマーで2万件公開講座をやられている。
全体的に広く周知をしていきたい。
(交)加盟団体であるC型肝炎、差別を受けるということで、実名を出していない方もある。何百万といわれている肝炎の人権を守る意味
で、リーフレットを作るとか、
(文)差別を受けるから何かができないと言うのは大きな問題ですね。機関を通じて申し上げることはできます。
(交)スモンは186種類の一般市販薬によって罹患している。ごく日常的に手に入る薬で薬害がでたわけです。現在、規制緩和がおこな
われ、コンビニで医薬品コーナー、ドラッグストアーなど、本来、異物である医薬品が、簡単に手に入る。個人差はあっても被害が起こる
かもしれない、文科省としても生涯教育、消費者教育のなかで、積極的に、取り上げて欲しい。
(交)データーベース化してくださったことありがとうございます。
(交)今まで教育をやってきた中で、医学部、薬学部の学生は、何故起きたか、どうして防ぐかに関心が強い。社会福祉学科の人は、被害
を受けた人をどうサポートするか。どの学部の人も、両方の関心を持って欲しい。今後のカリキュラムの編成に検討いただきたい。
5.国立大学付属病院に関してまとめて
(文)1点目、職員研修の拡充にいて、薬被連からいただいているお話しは、職員もきちんと理解していることが大事で、付属病院長会議
この11月の病院事務長会議でも説明している。具体的には、今年6月にいしずえの関係者に医療従事者の職員研修で交流会をすることも
。2点目、カルテ開示請求の関係、資料2のところで、国立大学病院で開示請求野件数と非開示件数は4月から17年7月まで4件でした。昨
年は、9件でした。3点目、領収書、請求書等の発行について、領収書については、投薬料という形でまとめている。ご要望の開示をする
ことは、なかなか難しいところもある。薬品名と単価を記載しているのが2大学、薬品名を記載しているのが、38大学、この点について
も病院長会議で話している。検査、処置とうについて、データーベース検索は、システム上難しいところがあり、引き続き検討します。
(交)家に持ち帰る薬に関しては、薬品名はわかるようになってきているが、病院の中で打たれた点滴や注射、血液製剤など何が使われて
いるか本人がわからない状況で。実は、薬害肝炎に感染してるのにそのことに気づかないことを生んでいる。領収書や請求書を用いて何ら
かの形で出して欲しい。それが、医療被害を防止する情報開示の最初の大事な観点ではないか。
(交)最後に、全体として薬害被害者がいろんなところで、当事者の声を聞いて欲しい言うのが意味合いで。結局医学、自然科学の中での
コンテックスはなにかと。データーとエビデンス。エビデンスも軽量化する中でやってきた。薬害を防ぐために必要な専門教育を現場に浸
透させるためにも連携して一緒にやっていただきたいとお願いします。
(交)大学の講師に関するご案内は、スモン事務所からいしずえにかわります。
以上