2007年4月28日シンポジウム in大阪 参加者の感想文一覧


★医学生
 今回は、医学生として、将来の立場とは異なる視点を学びたいと思い、参加させていただきました。現在の医学システムは良悪色々な部分があることは事実であり、患者側との意見交換を積極的にしていきたいと思います。私も個人として、よい医師になろうと苦心し、ほとんど寝るひまもなく自分を高めようと努力していますが、患者側の視点も取り入れていけるようにしたいと思います。また参加したいと思いますし、機会があれば愚考でございますが、私自身の意見も出していければと思っています。

★一般
 皆さんご自分のお気持ちをありのままにお話され、よかったと思います。私も夫が手術で縫合不全が起きた時、医師から「合併症は全国平均で5%起きる。それを言われても困る。」と言われました。(いい先生でしたが。)生死に関わることですが、これが今の医療界の体質であり、実態です。「縫合不全の原因はわからない」とされていますが、なぜこんなことがおきたかを究明しない限り、原因がわかるはずはありません。こんな生死に関わることがおきたときには、ミスであってもなくてもお話にあったような「中立公正」な組織をつくり、原因究明をしてほしい。でないといつまで経っても原因がわかるようにはなりません。(厚労省への要望)

★助産師
 助産院で勤務をしていると、正直、医師の倫理観の低さを感じます。大きく言うと、助産院は嘱託医拒否にあいかねませんので、我慢しています。また、妊婦さんの受け入れがスムーズにいくように我慢しています。「医師は何を守っているのか」「何を守りたいのか」という言葉にとても共感を覚えました。実例を言うと、診察を御願いした一次医療機関で「21W 胎盤早期剥離の疑いがあるので、搬送先を捜して下さい」と言われました。早期剥離といえば、病院勤務時代の経験から、スタッフ総出で手術出しまで、フル回転でケアに携わるというのが、通例でしたので、とても驚きました。あぜんとしました。立場の弱い(コネのない)助産院にまかせ、「まだですか、まだ見つからないですか」と催促まで。そんな暇があるなら。。。「自分の患者でないから関係ない」という態度には、医師不信が募ります。

★一般
 吉野さんがおっしゃっていたように医師不足を私達が裁判をおこしているせいのような最近のマスコミ報道を何とかできないのでしょうか?あまりにひどいので抗議のメールを送っても、新聞の紙上にとりあげられるのは医師の泣き言ばかりで完全に情報の操作をしている。

★一般
 本日のシンポジウムは、被害者の方々が、実際には何を求めていらっしゃるのか知るために、とても有益でした。人間らしいお産を取り戻すため、いろんな情報発信を息長く続けたいと思っています。本日は、ありがとうございました。

★医療従事者
 多くの方からの貴重な体験談を頂き、ありがとうございました。安全安楽な医療、納得のいく、満足できる出産を今後も考えていくきっかけとなりました。
会の今後の活動に敬意を表します。

★一般
 マイクの音量が大きすぎて苦痛でした。アさんに泣かれると私も涙が止まりませんでした。不勉強な医者の話ばかり聞かされて気が滅入ります。でも情報は欲しい。被害者関係の人だけではなく一般の人に聞いてもらいたい会合です。

★医療被害者家族
 その節には大変お世話になりました。平成3年8月出生の孫も養護学校高等部一年に成長しました。皆様方ますますの活動を。被害をうけた河内のある病院、その後もミス連発しておりますのが現状です。外観は立派な建造物になり、心のうちは矛盾を感じてます。家の中は大変明るく前向きに過ごして元気です。今後ともよろしく。

★一般
 それぞれの医療事故のお話、本当に胸がつまりました。事故予防、発生時の対応、真実の究明、再発防止、ご遺族のケアなど、課題は山積していることを再認識しております。関西で、良心的な誠実な対応をされている医師がいらしたら、参加され、モデルとなっていただければと思います。医療における「自浄作用」、なんとかしないと医療への不信がますます広がるのではないかと思いました。

★看護学生
 ご遺族のお話をお聴きし、胸のつまる思いです。私はいま、看護学生ですが、今後プロとして医療の現場に立つとき、患者さんとどのように関わっていくか、あらためて考えさせられるきっかけとなりました。失われた生命を無駄にしてはならないと思います。

★一般
 打出先生の講演内容にありました、かばいあいの意見書(捏造文書)が証拠として、判決になった場合、懲罰するべき制度を設ける運動をぜひして下さい。医療裁判の敗訴は、裁判所の公的意見書にある。第二の被害者の声を救済して下さい。

★産科被害者家族
 医療従事者として、本当に心無い医療が問題で、従事している人たちの人間性、「心」人と向き合う姿勢をつねに自問自答しながら、従事していかないといけないなあと肝に銘じました。

★医師
 大野病院の件で、鳥集さんが報告された中に、小松秀樹氏著の「医療崩壊」がありました。この本を一読した感想は、医療者として「ノドにすとんと落ちる」ような、納得できる部分が多くありました。ところが、この本が広く宣伝される頃から、マスコミ側が(例えばNHKや朝日新聞なども)、報道の主旨として、医療側の間違いを余り強く言及しないような雰囲気を感じています。平成11年の横浜市立病院、患者とり違え手術事件以来のマスコミによる医療バッシングあるいはそれ以前の報道では、「医師の悪徳」イメージでしたが。医療過誤が多発するにつれて、それが報道されると逆に医療側が萎縮していく、という悪循環が生じています。これを患者側のためとするには、例えば、奈良県大淀病院事件の反省からは、県立病院一一救急医療を充実させるために、人と費用を増大させる以外にありません。医療費抑制をしている自民党政権を考える必要があるのではないか?

★産科被害者
 遺族が医療に求めているもの、またやむを得ず裁判をして、真実を知りたい、そして再発防止に死を生かしてほしい、という事情や気持ちは同じだということを感じました。私の事件はあまり、知られていないと思いますが、孤独ではなく、同じ思いで頑張っている仲間がいるということを支えの一つとして、前を向いて進んでいこうと気持ちを新たにすることができました。本日は、本当に有難うございました。

★医師
 大淀のアさん、遺族の生の声は強く胸に響きました。今日、パネリストの方々の話を含めると、報道されている内容は、センセーショナルなごく一部のこと(18件断られる等)であって、当事者のはなしを真剣に聞かなければ明らかにならない事実がたくさんあることに気付かされた。私もかつて、大学病院の高度救命救急センターのスタッフだった時、ア美香さんと同じような子癇前症、脳出血、開頭・子宮摘出をして子どもは助け、母体は脳死となった妊婦さんの主治医だったことがある。大淀と違って都会の話であったが、18件断られたわけでなく、転送元の担当医も救急車で同伴し、その後も様子を見に訪れていた。大淀と結果は同じであったが、真剣に患者のために尽くせば、感謝されるようにもなるのだと、自分の経験を通じて言える事と思った。

★医師
 残念ながら自分らの都合の良い意見のみしか許さないという雰囲気でした。もっとオープンにDr.sideの反論を求めてみてはどうですか?

★助産師
 助産師してます。吉野様、お気持ちわかります。産婦科Drもいろいろ・・・ですが、全てが悪人では、ありません。それだけはわかってほしいです。(堀Drは知りませんが)メトロ挿入と誘発剤の併用はありえないです。助産師なら絶対止めていた行為だとは思います。

★助産師
 信頼できる医療を目指して、患者様と向き合っていきたいと思いました。遺族の方の気持ちを無にしないように、助産を今後もしていきます。

★助産師
 現在、診療所に勤務する助産師です。内容の深い、とても勉強になるシンポジウムを聞くことができました。このシンポジウムを聞いて、医療従事者として働く以上、「安全」「思いやり」を常に忘れず、患者さんを常に家族と思い、接していけるよう、モチベーションを維持し、「正直」に働いていきたいとより感じることができました。一ついえることは、産婦人科はとてもレベルの差が大きく、安全第一でとても良い病院もあれば、今日聞いたような信じられないひどい病院もあります。まず安全レベルの高い産婦人科を増やし、妊産婦にひどい扱いする病院は完全になくなってしまうことを望んでいます。

★助産師学生
 産科医療の被害にあわれた被害者遺族の方のお話を聞いて、何故こんなことになってしまったのだろうかととても悲しくなりました。私は、今、助産師になるため、日々学習していますが、講義の中でも、正しい事は正しいと、間違っていることはハッキリとNOを言える助産師になりなさいと言われています。そのためにも高度な知識と技術を身につけ、医師にも意見を言えるようになりたいと考えています。 母子の命を守るために、そしてその周りのご家族のためにも正しい医療、安全な安心な医療を提供できる助産師にならなくてはいけないと思いました。本日はとても勉強になりました。お話して下さった方々の気持ちを忘れずに頑張ります。ありがとうございました。私の知り合いの医師も「ドクターがしっかりしていれば、助産師はいらない」と話されますが、違うと思います。やはり助産師の役割は必要でできる限り妊産婦さんが自然で安全安楽なお産へと導いていくことを助産師もできるはずだと思うのです。私達は、それを目指して、勉強しています。もう少し、産科医療の体制が変わっていけばいいのにと頭を抱えています。

★助産師学生
 大淀町立病院の件について、私の知っている情報はごく一部で、今回改めて詳細を知り、大変驚きました。大淀病院の対応の悪さや誠実さが欠けているように感じました。嘔吐をしているとき、血圧は測られていたのでしょうか?第一、 誘発をしてもよかったのでしょうか?疑問を感じずにはいられません。ご主人、お義父さんが感じられている自責の念に胸が痛くなりました。ご家族、産婦さんに、こういう思いは絶対にさせたくない。そう強く思いました。実母さんのメッセージ「医師は一体何を守るべきなんでしょう?本来守るべきものは、ほかにあるのに」っていう言葉は、全くそのとおりだと思います。患者様もご家族も、ただ真実が知りたい、それだけなんです。どうしてそれが叶わないんでしょう?私は不思議に思います。今後助産に関わっていくにあたり、できるだけ、こういう悲しい思いをしてしまうことがないように努めていきたいと思います。1人でも多くの方に喜びの体験を味わって頂けるように、一生に数度しかない幸福な体験を悲しいものにしてしまわないように、今日感じたことは忘れないようにしていきたいと思います。とても辛い体験を話して下さり、このような大事な場を設けて頂いた講演者の方、関係者の方すべてに心より感謝いたします。ありがとうございました。

★助産師学生
 新聞で何度も知った事故内容ではあったが、被害者の方からの意見や詳細な事故内容がわかりました。医療現場に働いていますが、これらの情報は、マスコミより入ってくることが多く、医師会や看護師会より、報告はいっさいありませんでした。もう少し医療側が問題に取り組んで、情報を仕入れていかないといけないと思いました。看護師、助産師が血圧や症状を報告しても医師が動かなかった奈良県の事故はほんとに残念です。今後助産について学び、すばらしいお産を家族、母親とともにできるよう頑張りたいです。今日はありがとうございました。

★助産師学生
 被害者の方々のお話を沢山きかせていただきありがとうございます。妊産婦を人質にとるような考え方は本当に許せないと思います。被害にあわれた方の立場にたつことなく、自分たちの立場だけを守ろうとする姿勢がさらに被害者の方を傷つけていることを深刻に受け止めました。事実をきちんと知ることが大事だと思いました。

★助産師学生
 現在は、学生ですが二年間産婦人科病棟で勤務していました。その中で、患者さんを不安にさせるDr.の対応はいくつかありましたが、被害者の方々が経験されたDr.の対応に驚きました。何よりも、患者さんが満足・納得のいく医療を提供していかなければならない、医療者がそのような対応では、患者さんはなにを信じていいのか、さらに不安になると思います。また、これ以上、被害者の方々が傷つかないよう、多くの人が、これらの問題に関心をもち、考えていかなければならないと思いました。助産師になったら、産婦さんが納得したケアができるように、自分の職業にプライドをもち、安全に業務をこなせるようにしたいです。

★助産師学生
 被害者の方のお話を実際に聴いて、これ以上犠牲を出しては絶対にいけないと思った。助産師を志す者として、産科医療についてこれからも考えていきたい。貴重なおはなしをありがとうございました。

★助産師学生
 今まで、テレビで何気なく見ていた事で、日常の中であまり、考えていなかったことをじっくり考えるいい機会になりました。
 私達はひとつの貴重なお産の場面に携わる機会が今後たくさんあります。きちんと責任を持って、対処できる助産師になりたいと思います。
つらい時期にいろんなお話をして下さった方々ありがとうございました。

★助産師学生
 看護学校で、「看護師は自立・善行・誠実・無害であるべき」と教わったことを思い出しました。今日、被害者さんのお話を聴き、臨床に出ても、忘れずにいたいし、もしも被害にあわれた方と会ったときは、被害者の立場にたち、勇気を持って行動しようと思いました。(打出Dr.のお話をきいて)おかしいことは、おかしいと訴えていきたいです。事故を繰り返さない仕組みが確立し、被害者の方々が今のように苦労したり、傷つかない医療界にするために運動を応援していきたいと思います。

★助産師学生
 私も、H17年に出産し、陣痛促進剤を使用されました。前期破水していたためだそうですが、医師の内診時に破水したと私は考えています。陣痛の痛みは強く、分娩時、出血も多く、しんどいお産でした。私は出産前に、看護師をしていましたが、陣痛促進剤の知識はありませんでした。今、助産師になるために、助産師学校に通っています。日本のお産の実態を自分で調べてみたいと考えています。

★助産師学生
 アさんの講演を聴いて、被害者側は訴訟を起こす気はなく「真実を知りたいだけである」という気持ちが伝わってきました。たとえ不幸な結果をむかえたとしても、医療者が尽くし得るあらゆる手段を尽くし、見送ることができたなら、私たちはこれほど苦しんでいない、というお話があり、私達も医療者として、産婦さんとベビーを全力を尽くして守る責任があるのだと感じました。看護師として大きな病院に勤めていたとき、医師だけでなく、看護師の管理者の中にも看護部の保身、または自分の保身のために、行動している人がいました。個人個人の倫理観の問題でもあると思います。また組織全体が医師・看護師・助産師が協働して対象を守れる体制づくりが必要だと思います。

★助産師学生
 これから実習に出て行くにあたって、この様な講演会に出席できたことは、とても良い体験になりました。出元様には辛い経験より私達への助言を頂き、ありがとうございました。陣痛促進剤の危険性については、勤務経験があるので分かっているつもりでしたが、感受性が約200倍ある等知りませんでした。これから助産師になる為の勉強をしていくにあたり、促進剤を使用しなくてもいいように、妊婦さんの体がお産の準備をしていく過程を援助できるようになりたいですし、どうしても使用しなければならない時、お母さん達の訴えを聴き、少しの変化も見逃さないようなケアを出来るようになりたいと思います。医療者というワクにはまらず、一女性として関わっていけるよう、常に考えていきたい。命を守っている責任、助産師になりたいという信念を忘れずにいきたいです。

★助産師学生
 第一子の出産時に陣痛促進剤を使用しての出産でした。自分自身の知識不足、お産に対する姿勢にも反省点はありますが、陣痛の中、簡単な説明を受け、何とかサインしたことを覚えています。その後医療介入を受け出産しました。その経験により管理分娩に対する疑問が生まれ、第二子を助産師とともに自宅で自然分娩をしました。吉野さんの言葉に「出産・子育ては非効率的なもの」とおっしゃったことはもっともだと感じています。無理に効率的にしようとすることは、自然の流れを止め、時には危険を生じる可能性があります。火曜日の出産数の多さは、グラフを見て背筋がゾッとしました。助産所の自然なグラフはホッとする心が穏やかな気分になりました。私が助産師を目指すきっかけも、促進剤・管理分娩に対する疑問→助産師さんと知り合ったことです。助産師として産科医療の質をあげていきたいです。

★助産師学生
 これから産科医療にたずさわるスタッフを目指す者として、たくさんの学びがありました。数多くの被害者の声が胸に届きました。産科医と助産師はともに出産・分娩に関わる事という点では同じなのだと思います。自然なお産ができる、不要な医療介入はしない、と言える人になりたいと思いました。守るべきものは何なのか、しっかり考え、仕事ができるような助産師になりたいです。産婦人科は裁判沙汰になることが多いといわれてきましたが、産婦人科に関わるスタッフが正しい知識を持っておくべきなのだと感じました。

★助産師学生
 本日のシンポジウムはあらためてお産、医療の現場について考えさせられる内容だった。奈良の産婦さん死亡事故の後、マスメディアでお産の現場の事例等が放送されていたことを思い出し、「そういえばあのニュース内容は、医療知識がない者が聞いて、理解しきれる内容だろうか?」と疑問に思った。事故がおこったときだけクローズアップするメディア、無関心な社会、「出産は命がけの行為」ということを知らない社会、日々の仕事の中で、生命誕生の一連のながれを「作業」としてこなしてしまっているだろう医療者のモラルのなさが、今日の医療現場をみちびいているのだと思った。被害にあわれた方々の心からの訴えは悲鳴のように聞こえ、この方々の想いが1日でも早くみんなに、広く、深く伝わり、医療現場に反映されればよいと思う。まず、助産師を目指す者として、新しい命との対面を心待ちにしているご家族に、被害にあった方のような思いを絶対にさせない、医療者にもならないと感じました。

★助産師学生
 先ず、とても衝撃的だった。今回、第一部で発表された被害者の方々はこのような(母体死亡・児を失う等)事態になることを到底、想像しえなかったろう。産科医療の発達のウラにこのような悲劇が起こり続けていることに憤りとともに認識を新たにした。 ・これからの産科医療の一翼を担う学生であるが、第一に医療人としてのモラルや自己を真摯に振り返る人間性を育てることが急先務ではないかと思う。(自分も含め)、自己を庇い、真実をも曲げてしまうような人格が、人の生命を守るなんてもってのほかだと考える。 ・国、産科医共々、本当に日本の今後の母子医療について案じる気持ちがあるのだろうかと思う。助産師になり、産科医とともに働くことに脅威を感じている。 ・被害者の視点を忘れずに、ということを常に胸に刻み、求められる助産師になりたいと思っている。 ・ピアレビューが普通に実行できる勇気を持ちたいと思う。

★助産師学生
 助産師学生にメッセージをくださった出元さん、ありがとうございました。これから勉強を深めていくこの時期に、お話を聴かせていただく事ができ、今日は貴重な一日となりました。高崎晋輔さん、「今、幸せです」と言える強さに圧倒され胸がいっぱいになりました。そう言えるようになるまでにどれだけの苦悩・闘いがあったのか、それはもう、私の想像をはるかに超えたものだと思います。美香さんの笑顔、忘れません。ありがとうございました。 今日参加して、被害者の方々の声に対して、いかに無知であったか、とてもよくわかりました。恥ずかしいですが。

★助産師学生
 私は今日、被害者の方を目の前にして生(なま)の声を聞くという体験を初めてしました。テレビや新聞で知るのとは違って、生の声というのは、とても重みがあって、あつくて、恐くて、ショッキングだなと感じました。自分の働き方、今までしてきた看護、今、助産師になるために学んでいる姿勢、自分に課せられた使命、何もかもを真剣に考えないといけないと感じました。二年間、看護師として産婦人科で働いて、現在、助産師になる為に学んで、産婦・妊婦さんに関わる仕事を選んで本当によかったと思うし、1人も犠牲者を出さずに安全なお産をしてほしいと思います。今、自分にできることを考えて精一杯学びたいと思いました。

★助産師学生
 私は助産師を目指しているものです。これまでも、医療被害者救済の会などに参加して、たくさんの方のお話を聴かせて頂きました。今回も、様々な事故についてのお話を聴かせて頂いた中で、看護師、助産師として自分に何が出来るのか?と考える機会になりました。お産はいつ異常(急変)になるかわからないため、多方面から考えることが出来るように知識を深め、その時に対応できるように技術をつけ、常に新しい情報にも目を向けていけるように努力したいと思います。人の気持ちを考え、感じることができる、そして安全で安楽で満足度の高い援助(お手伝い)が出来るような助産師を目指していきたいと思います。本日はありがとうございました。

★産科被害者
 大盛況でしたね、やはり、「被害者の生の声を聞く」ということは、一般の方、医療従事者の方、マスコミの方にも、とても大切なことであると感じました。参加者の数もさることながら、マスコミの多さは、注目度が高いシンポを表しているなあ、と率直に感じました。特に、マスコミの方には、一般市民には報道の影響というものが大きいので、飾ることなく、事実をきちんと報道して欲しいです。今後ともよろしくお願いいたします。

★一般
 今回のシンポは、「医療崩壊」を盾に都合のいいことばかりを言う医師たちや、それを鵜呑みにするマスコミに対して、患者側が初めて本格的な批判の狼煙を上げた、記念すべきシンポだったと思います。

★主催者
 皆さん、ボランティアでシンポジウムを作っていただき、本当にありがとうございました。被害者が医療を崩壊させていると信じている医師たちに意識改革してもらうには少し時間が足りなかった感じですが、助産師養成の学生や医学生たちが残してくれた感想がとてもよかったことで、シンポは成功だったと言えると思います。被害者の視点を忘れないでほしい、ということと同時に、被害者の視点を忘れない立場からの情報発信を続けていくことが大切ですね。今後ともよろしくお願いします。

★主催者
 私自身、みなさまのお話をお聴きしていて、自分は事務局を引き継いだくらいから、個人的な父の件はあきらめて泣き寝入りをするしかないと思い、感情を出さず、あくまで事務的に淡々と、市民の会に寄せられる相談受付をこなしてきたと振り返りました。今回のシンポで、自分が被害者の視点を忘れてしまっていることに気付かされました。原点というか、以前の感情や気持ちを思い出させていただきました。有難うございました。

★ 主催者
 20年間、産科医療被害の相談を受けていて思うのは、「今も昔も、事故の構図は変わっていない」ということです。産科医のなり手が少ない理由の一つとして、「訴訟が多い」からだとする意見があり、「直ぐに裁判を起こされるから」と続きますが、訴訟になった事例を見ると、相当ひどい事例であることが分かります。きちんとした医学知識を持ち、当たり前の医療、患者さんを第一に考えた医療をされていれば、裁判にまで至ることは、そう多くはないものと思います。薬被連からの派遣で、医学部の学生に講義した際のこと、紹介した症例を見て、「こんな事故であれば、私でも裁判します」という感想が女子学生から寄せられました。2004年4月から、日本産婦人科医会(、約1万2800人)は全会員に医療事故の報告を義務づけることを決め、重大な過失や、ミスを繰り返す医師には指導や研修を行い、従わない場合は退会処分や、専門医の資格停止も働きかけるとする厳しい処分を発表しましたが、実際に事故を起こした医師に対して、指導や研修が行われているとの情報はありません。分娩事故の防止のために、事故を起こした医師に対して研修を行うなどしていただきたいと思います。「被害者から生の声を聞き、そこから学ぼう」という時代の中、今回のシンポ「被害者の視点を忘れずに」に関心を持って参加いただいた皆様に御礼を申し上げます。


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