声 明 文
私たち薬害被害者は、自らの健康をとりもどす為、無事赤ちゃんを生むために薬を使用しあるいは使用されたはずでした。しかし、その結果はとうてい語り尽くす事の出来ない苦しみと苦痛に満ちた薬害被害の現実でした。
全ての国民は自分や愛する家族の幸福を願い、その基本としての健康である事を希求しています。医薬品や医療に関するあたらしい技術や製品はそうした願いに応えるべく存在すべきであり、製薬企業等はそうであることを標榜しつづけています。
しかし、実際には重篤な副作用情報は隠蔽され、有効性だけが大きくクローズアップされた高価な薬が次々と市場に送り出されている現実があります。結果として、健康になりたいと願う患者の思いが、最悪の副作用被害や薬害被害によって打ち砕かれる危険性は増大しています。
本日、私たちはこうした現状に立ち向かい、薬害発生の連鎖を断ち切り、薬害の恒久根絶を実現すべく、第5回薬害根絶フォーラム開催を機に声明文を発表いたします。
一、医薬品が専門家の手によって認可、販売、処方されてもなお、薬害が繰り返され、拡大を防止できなかった事を反省し、専門家の役割、責任を強化すべきである。
一、一般医薬品販売においては、薬剤師が患者に十分な情報提供可能な販売体制を確保すべきである。まして、専門家の常駐しない店舗における医薬品販売を可能とする規制緩和は言語道断である。
一、専門家教育において過去の薬害の教訓に学ぶ事は薬害根絶を実現するために重要である。また、こうした教育は子供たちを薬害の加害者にも被害者にもしないため、小学校、中学校、高等学校においても社会科、保健体育のカリキュラムのなかで行うべきである。
一、過去の誤った血液行政の犠牲者である薬害C型肝炎感染被害者の救済を即時実現すべきである。
2003年10月17日
全国薬害被害者団体連絡協議会