2003年12月3日

東 京 都 石原慎太郎 知事殿
千 葉 県 堂本 暁子 知事殿
神奈川県 松沢 成文 知事殿
埼 玉 県 上田 清司 知事殿

全国薬害被害者団体連絡協議会
代表世話人 花井十伍
いしずえ(サリドマイド被害者の福祉センター)
MMR(新3種混合ワクチン)被害児を救援する会
大阪HIV薬害訴訟原告団
東京HIV訴訟原告団
スモンの会全国連絡協議会
財団法人京都スモン基金
薬害ヤコブ病被害者・弁護団全国連絡会議
陣痛促進剤による被害を考える会
京滋筋短縮症の会
薬害肝炎訴訟原告団

毎日新聞報道における首都圏4知事の
「テレビ電話医薬品販売」容認発言に対する抗議文

 私たち薬害被害者は、筆舌に尽くしがたい薬害被害の体験から、二度と同様の悲劇を繰り返して欲しくないとの思いで「薬害根絶」を訴えてきました。 
 これまで、薬害及び医薬品による健康被害の拡大は、有効性を大きく上回った危険な医薬品が製造され、認可販売される事によって繰り返されてきました。
 また、こうした医薬品の他にも、用法用量のみならず併用禁忌や併用注意など、十分患者に説明されることなく投薬、販売された医薬品による薬害被害拡大や医薬品による副作用被害拡大も重大な問題として認識されてきました。
 今般、規制緩和の脈絡の中で、特に深夜、早朝における一般医薬品の販売の在り方が議論されています。私たちは、深夜、早朝のみならず、現状における一般医薬品の販売体制には大きな問題があると考えています。そもそも、医薬品の販売は、国の一貫した医療政策の中に位置づけるべきです。消費者の利益は単に医薬品を購入できるか否かによって図られるべきではありません。真の消費者主権は、患者が症状緩和や治療を適切に享受出来るように医療機関や薬局の機能を充実させる事によってのみ実現されるのです。
 知事におかれましては、医薬品販売において一般商品同様、供給の利便性のみに消費者の利益があるとは毛頭考えてはおられない事と推察いたします。従いまして、今般、厚生労働省の設置した有識者会議の議論を待つ事なく、知事の権限を行使することは、我が国の薬事法を根幹とする薬事行政を土台から危うくし、ひいては県民に重大な不利益をもたらす事になりかねないと考えます。私たちは、国民の命と健康を守る薬事法等の解釈に対する不当な政治介入とも言うべき、知事の現行制度下における「テレビ電話販売」容認発言に抗議するとともに、先に規制緩和ありきではなく真の国民の利益を守る医薬品販売体制の在り方についての議論に十分耳を傾けたうえで、医薬品販売体制に必要な機能提供に必要なさまざまなITを積極的な導入検討を要望致します。

                                         以上


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