「薬害被害者と厚生労働大臣との面談」
議事録全文

<日時>2002年12月26日11:15AM<場所>厚生労働省大臣室


坂口厚生労働大臣:
「坂口でございます。」

小島医薬局長:
「大臣、先に冒頭に大臣のご挨拶と薬害の皆さんの要望書の問題から」

坂口厚生労働大臣
「ではみなさん。年の瀬も迫りましてからわざわざお足運びを頂きまして、大変に恐縮に存じております。もう少し早くに申し上げればよかったわけでございますが、国会が終わりましてから日程の調整をしております内に、時が少したってしました、年の瀬になってしまいました。皆さんも大変お出にくい中であったということで、大臣室まで来ていただきましたことに、心からお礼を申し上げます。また皆さん方の中でHIV関係の皆さん方には何度かお会いさせていただいております。またヤコブの渋谷先生にもお会いさせていただきましたが、その他の団体の皆さん方には、私が大臣になりましてからお会いさせていただく機会はあるいはなかったのかもしれない、今日が初めてではないかと気もいたしております。大臣になります前にスモンの会の皆さん方とお会いをさせていただいたことがございますので、昔お目にかかったなという方もお見えでございますが、あるいは今日初めてお目にかかる方があろうかと思います。坂口でございます。お見知りおきいただきたいと思います。それでは一言厚生労働大臣といたしましてのご挨拶を申し上げたいと思います。独立行政法人医薬品医療機器総合機構につきまして12月13日の法案成立を受けまして、今後平成16年の4月の法人成立に向けた準備を現在進めているところでございます。今回の法案はすべての責任の所在は国にあるという基本的な考え方のもとで医薬品医療機器等の審査や安全対策の実質強化によりまして医薬品医療機器に関する安全性を確保するための最低の強化を行いますとともに、生物由来製品感染等の被害救済制度を新しく増設することを目的としたものでございます。しかしながら、一方で製薬企業と新法人との関係、あるいは規制と振興の分離などといった点につきまして、過去の事例の教訓が生かされていないという厳しいご批判やご指摘をいただいたことも率直に受け止めているところでございます。新法人を真に国民から信頼される組織としていきますためには、その組織や運営に関しまして国民の間に疑念や不安が生ずることがないようにしていかなければなりません。そのためには、医薬品等によって健康被害を受けられた皆さんを含めた関係者の方々のご意見を今後の新法人の運営に生かしていくことが必要であると考えております。12月12日の厚生労働委員会においてお示しをいたしました論点整理は、新法人の組織や業務運営につきまして、現段階でできるかぎりの整理を行います。厚生労働省としての今後の方針を明らかにしたものでございますが、今後さらなる整理を行った上で法案の実現に向け厚生労働省として責任を持って取り組んで参りたいと考えているところでございます。本日はただいま申し上げましたような思いを込め、このような場を設けていただきましたところでありますが、とりあえず現時点におきましては法案の成立直後と言うタイミングでもありますことから、お手元のペーパー、これは12月12日の大臣発言でございますが、それ以上のものはございませんけれども、これから皆さん方のご意見も率直にお聞きをしながらさらに完成したものにしていきたいと思っているところでございます。初めにも申しましたとおり、大臣室までおいでいただきましたことに心からお礼を申し上げたいと思います。」

花井十伍:
「大臣、今日は大変お忙しいところ私たち薬害被害者との面談の機会を設けていただき感謝いたします。私ども全国薬害被害者団体連絡協議会は、私は代表世話人をやらせていただいております大阪HIV訴訟原告団の花井といいます。この被害者団体はサリドマイド、スモン、筋短縮症、MMR、ヤコブ、そしてHIV、陣痛促進剤の薬害被害者の団体で構成されている、今日はその被害者が来ております。感謝いたしますが、2点ほど残念なことがございます。1点はやはり国会におかれまして大臣が私どもの声を反映していただけると、一度こうやってお会いいただけるということをおっしゃられたのですが、私どもはやはり法案ができる前に一度お会いしたかったという風に理解しておりましたし、またそれが実現するものと思っていたのですが、法案成立後になってしまったということが1点でございます。もう1点は被害者が今日は大臣にお会いできるということで全国からやってきたのですが、人数が全員、すんなり大臣とお会いできるという形にならずに直前まで、そこのところが被害者全員が会えるという形にならなかったことが、2点残念なことだと思っております。しかしながら大臣の国会の答弁を踏まえまして、今後わたしたち薬害被害者のこの苦しみから得た教訓というものを行政に生かしていただけるということを信じまして、今日大臣に薬被連として、全国薬害被害者団体連絡協議会略して薬被連と略称いたしますが、要望及び質問書というものをしたためて参りましたので、前文だけ読みあげてお渡ししたいと思います。
厚生労働大臣 坂口力殿「独立行政法人医薬品医療機器総合機構法」に関する要望及び質問書
 私たち薬害被害者は、先の国会において成立した「独立行政法人医薬品医療機器総合機構法」について、その成立に至る過程は勿論、成立後においても許しがたい憤り(怒り?)と疑念、危惧を抱いております。新独立行政法人の母体である認可法人「医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構」は、薬害スモンの被害者が120日を越える大運動によって国の責任を認めさせ、設立させた「医薬品副作用被害救済基金」が前身となっています。これまで、本制度の改革にあたっては、当事者である被害者への事前の説明が行われた経緯があるにもかかわらず、今回は製薬企業には十分な説明を行いながら、当事者である薬害被害者には唐突で不十分な説明しか行われませんでした。こうした厚生労働省の姿勢は到底許されるものではありません。国民の生命と健康を守るべき厚生労働省が、この法案の立案過程において、過去の度重なる薬害被害の教訓から何一つ学ぼうとせず、厚生行政の果たすべき国民への責任を放棄し、国内外の製薬企業等からの要請に応えることのみに終始し、審議過程においても薬害被害者団体を中心とする市民の声に耳を傾けない不十分な審議の中で成立に至った事実((に))は断固として承服できません。私たち薬害被害者は、今回のような制度改革にあっては薬害被害の教訓を生かすことこそが薬害根絶につながると確信しております。今一度、過去の薬害被害を思い起こし、それぞれの教訓が真に生かされるよう制度の見直しと具体的方策を早急に示される事を強く期待します。
 これを踏まえまして、次の2枚目にあります要望及び質問に対し、大臣としての見解を示していただきたいと思います。それにつきましては読みあげません。よろしくお願いします。」

(大臣に「要望及び質問書」を手渡す)」

村田忠彦:
「残った時間、私スモンの会全国連絡協議会の副議長をやっております村田でございますが、司会という立場で仕切らせていただきたいと存じます。大臣の方には昨日からこの今の要望書の内容は、事務方を通じてご提起申し上げてありますので、今読み上げなかった部分の2ページ目にあたる5つの質問について大臣のご所見をこの場でうけたまわりたいと思いますのでよろしくお願いしたいと思います。」

坂口厚生労働大臣:
「それでは昨日頂戴いたしました5点につきまして……(ページを確認している)、5点につきまして最初に私の方からまとめて一度考え方を述べさせていただきまして、後でまたいろいろとご異論をいただければと思います。
 1番(1段落目)でございますが、これは薬害被害の教訓を制度改革に生かすことこそが薬害根絶に絶対に必要だと考えて、今回成立した独立行政法人医薬品医療機器総合機構法の具体的運用その他について、私たちの継続協議の場を設けていただきたい、こういうお話でございます。お答えでございますが、新法人の設立にあたりまして、過去の教訓を生かしていくべきとの考えにつきましては私も根絶に思いを同じくするものでございます。現在は法案成立の直後というタイミングでありますので、具体的な進め方は今後検討することとしたいというふうに思いますが、新法人が真に国民から信頼される公平な組織として構築されていきますためには、本日お集まりの医薬品医療機器による健康被害を受けられた方々の代表や医薬品医療機器療法の代表、学識経験者の方々、そうした皆さん方のご意見を伺いながら準備をおこなっていく必要があると考えておりますので、その線に沿って事務を進めさせていただきたいと考えております。具体的な場の設定方法につきましては、これから検討されるわけでございますが、それらの準備をおいて、来年の平成15年の5月か6月くらいまでに様々な問題のまとめを行いたいというふうに思っておりますので、それが決定されますまでに各関係者にお集まりをいただく機会を持つのも一つの方法ではないかと考えている次第でございます。できる限り早くやりたいと思っておりますし、全てまとめ終わる前にお話にお越しいただければ、皆さん方と意見交換をさせていただく場を持ちたいという風に思っております。
 それから2番目(2段落目)でございますが、参議院厚生労働委員会の決議を受けて、医薬品の研究開発振興部門を分離するための具体的方策と具体的実現時期を教えてもらいたい。また、大臣は新独立行政法人の各事業を独立した組織体制で運営する旨の発言をしておりますが、その具体的方策、運営体制及び実現時期を明示していただきたい。こういう問いですね、この本決議、本決議といいますのは参議院厚生労働委員会の決議でございますけれども、本決議をうけまして厚生労働大臣として決議のご趣旨を十分に受けとめまして決議の実現に向けてしっかりと取り組んで参る所存である旨を申し上げているところでありまして、その決意に何ら変化はございません。現段階でスケジュールについて申し上げることは少し困難でございますけれども、今後精力的に検討を行いまして、新法人の発足までに、業務の移管先でありますとかその時期など、分離の具体的な方針を提示できるように努めて参りたいと考えております。また新法人の組織体制につきましては平成15年の前半に各業務ごとの内容でありますとか、業務量を整理をして、その方向性についての検討を行いたいというふうに思っております。そして15年の後半になりましてから具体的な組織案の骨子をまとめる方向で作業が進むという風に考えております。作業の節目におきまして情報提供を行わせていただきたいという風に思います。ですから先ほども申しました通り、前半で業務ごとの内容でありますとか、業務上の整理を行いますので、その段階のところで皆さんにお会いをさせていただいて、皆さんのご意見もお聞きするというスケジュールになろうかと思います。そして後半に、さらにそれらをまとめて後半でひとつ組織やあるいはその他の問題の煮詰めに入っていきたいという風に思っております。
 それから3番目でございますが、大臣は新独立行政法人の諮問機関に医薬品等による被害者の意見を反映させたいと述べておりますが、これを実現するために薬害被害者の代表を複数参加させることを明言していただきたい。これに対するお答えでございますが、医薬品等による健康被害を受けた方々の代表を含めた学識経験者の幅広い意見を反映するために現行の評議員会に相当する審議機関を規制と振興の部門ごとに設置する、こういうことを12月12日の参議院厚生労働委員会において申し上げたところであります。理事長となるべきものを指名をすることになっておりますが、これは来年の15年の10月か11月ごろには新しい理事長をご指名したいという風に思っております。厚生労働省におきましてそれまでに整理した事項を新理事長に引き継いでいただくことになりますので、そのときに先ほど言いましたような皆さん方のご意見を聞くという、そういうことがなされるように併せてそのときにその新理事長に申し送りをしたいといいますか、そのことを伝えたいと思っております。決まりますとそこから先は私が、厚生労働大臣が采配を振るうということではなくて、理事長がそこから先はやっていくということになるだとろうというふうに思いますから、そうしますとその理事長が決まりました段階のところで、今まで皆さんとお話をしたこと、約束をしたことについてその人にはっきりとお伝えをする、こういうことにしたいということでございます。健康被害を受けた方々の代表を複数参画させるとのご要望につきましては、これは評議員会に相当する機関の委員を実際に任命しその運営を行っていくのは、先ほど申しましたように、この新法人の理事長でございますので、あまり何人というところまで私が申し上げるのもいかがなものかという風に思いますけれども、代表の皆さん方に入っていただけるように私が申し上げることだけは間違いがございませんので、そのようにさせていただきたいという風に思っております。皆さん方から強いお申し入れがあったことをふまえまして、その実現に努力をしたいという風に思っている次第でございます。
 それから4番目でございますが、医薬品の臨床試験、承認審査、安全監視体制を監視する独立機関を設置していただきたい。また、生物由来製品の安全監視体制を強化するために国の疫学研究部門の強化と責任体制の見直しを行っていただきたい、こういう問いかけでございます。お答えといたしまして、医薬品等の承認から安全対策までの一貫した業務につきましては、国の責任のもとで確実に実施するものでございまして、諮問機関である医薬品食品衛生審議会の意見を聞きながら今後とも適切に実施して参りたいというふうに思います。独立行政法人というのはできますけれども、しかし全ての責任は厚生労働省そして厚生労働大臣がそれを担うことになっているわけであります。まあ組織としては少し手元から離れますけれども、責任は明確に厚生労働大臣が取るということになっております。これはこの独立行政法人だけではなくて今回できます全ての独立行政法人でそういう趣旨になっております。これはなかなか大変なことだと率直に言って私も思っております。またHIV等の健康被害に迅速かつ適切に対応をいたしますために平成9年の1月に厚生省の健康危機管理基本指針を策定いたしましたが、医薬品でありますとか感染症等の分野別に健康危機管理実態要綱というものを定めまして、これらに基づきまして必要な体制を整備して、現在健康危機管理に現在取り組んでいるところでございます。具体的には関係部局でありますとか、HIV問題をひとつの契機に設置されました国立感染症研究所の感染症情報センター、この情報センターにおきまして、国内外からの必要な情報収集及び疫学的調査を確実に行いますとともに、平素から部局横断的な健康危機管理調整会議を開催をし、情報交換でありますとか健康被害の発生、拡大防止のための調整を行っております。今までの過去の反省のもとに、こうした普段の体制の強化をいたしているところでございます。こういう風に幾重にも体制を作り上げておりますし、私この大臣にならせていただきましてからもそうした会合にも何度か出たことがございますけれども、諸外国からの文献等も十分に目を通すように、そして遅れることのないように、また各部局の間で連絡が不十分でないように、十分な連絡がとれるように、いろいろなことを行っているところでございます。皆さん方のほうからは安全監視、全体を監視する独立機関をもうひとつ作れというお話しでございますが、あまり私は、屋上屋を重ねてもいかがなものかと思っております。現在かなりこうした形で将来におきまして、色々の連絡そしてまた検討、そうしたものを続けられる体制を作り上げておりますから、これをさらに充実をしていくことがより大事ではないかと私は思っている次第でございます。
 それから5番目といたしまして医薬品副作用被害救済制度を生物由来医薬品感染被害まで拡大する際、全体の救済対象範囲を拡大し、給付内容も見直すことにより、より多くの被害者が救済される制度としていただきたい、こういう問いでございます。お答えといたしまして、医薬品副作用の被害救済制度は製薬企業全体の社会的責任に基づく共同事業として、医薬品の副作用により重篤な健康被害を受けた方に対し民事責任による解決とは別に、製薬企業による拠出金を財源として簡易迅速な救済を図ることを目的とする制度でありまして、一定の基準に基づき定型的な給付を行うことといたしていたところでございます。現在の給付金というのはこういう観点から定められたものでございます。また各救済給付の金額等につきましても、この制度の趣旨を十分に踏まえまして、類似の救済制度の動向等も鑑んをして設定をされておりますし、これからもそうしたことを鑑んしながら改善を加えるべきところは改善を加えて行きたいと思っております。現在の給付基準等の基本的な考え方に関する見直しは困難ではございますけれども、今回のご要望や参議院における決議を踏まえまして今後もできる限り制度の充実に努めて参りたいというふうに考えております。こういう制度というのは、やはりその都度その都度時期に応じまして見直しも行っていかなければならないわけでございますから、これからも見直しや充実等は図っていかなければならないと思っているところでございます。以上、大体5点につきましてのご要望がございましたので、それに対しまして一応お答えをさせていただいたところでございますので、あとひとつまた皆さん方のほうからご意見がございましたらうけたまわりたいと思っております。」

村田:
「どうもありがとうございました。」

(11時45分までの予定だったが時間が押していたため大臣少し延長しても良いか確認)

坂口厚生労働大臣:
「あと5分くらい……12時まで。」

村田:
「我々の方で用意した意見の担当に一言ずつ……ヤコブの上田さんから。」

上田宗:
「私の方からは3番目の私たちの代表を複数人参画させていただきたいという点について意見を述べさせていただきました。大臣も評議会の任命のときに新理事長に対してその旨提言していただけるという話ではありましたが、今回の法案ができてくる時にもかなり薬害被害者への連絡が遅くなったりとか、かなり状況が軽んじられているような感じがあります。そんな中で「薬害被害者の代表など」の、「など」という点にかなりひっかかるものがありまして、学者とかその他の専門家が入れられることがあって、私たちが除かれてしまうのではないかということも考えます。ですので、できましたら薬害代表などではなく、薬害代表をできるだけ複数名という点で大臣の方から強く明言していただけるとありがたく思いますのでよろしくお願いいたします。」

坂口厚生労働大臣:
「あの、「など」というふうに書いてございますけれども、これは「薬害代表など」ということでございますので、これは薬害代表の皆さん方をはずすことはございません。必ず入れるように申し送り等したいと思います。私その時まで大臣をやっておるかわかりませんが(一同・笑)、ちゃんと今日お聞きしましたことは申し送りをしたいと思っております。」

村田:
「薬害代表を複数ということで、是非、受けとめて頂ければありがたいなと思います。続いてス全協高橋さん」

高橋豊栄:
「私は4項目目の監視体制のことですけれども、実はスモンの経験から言いますと、二十何年やってきまして、スモンの運動の中で、お世話になって(大臣うなずく)、薬事法を改正しましたね。救済方法を。つくりましたけれども、ところが、その薬事法を使わなくて、エイズの被害を拡大させた。ヤコブもそうです。やっぱり外部の監視機関というのは、どうしてもいると思うのです。もうひとつは人事院の制度があっての天下りの制限はありますけれどもそれでも薬務局長がミドリ十字の社長になっておって刑事罰を受けた、HIVの時の、そういう教訓がありますね。これはもう、絶対に製薬企業から独立するということと、天下りはいかんということですね。極端に言えば、私に言わすと天下りは収賄の約束ちがいますかというぐらいです。土建会社のようなところへはいいですよ、職業の選択の自由がありますから。他に行くのはいいけれども、関係した、しかも命に関係するところへの天下りというものは、そういうような癒着は絶対にやめていただきたい、遮断していただきたいということをお願いしたいということです。以上です。」

村田:
「続いてMMRの栗原さんから。」

栗原敦:
「どうも初めまして。現行の救済制度で受給している子供の親なんですが、充実する努力をしていただくとのことでしたけれども、現実にSJSなどを始めとして、副作用被害に苦しんでいるけれども現行制度では救済されない方たちがたくさんいるということは、例えばひとつの指摘としては障害を認定するときの1級2級とかの認定するときの別表がありますが、聞くところによりますとあれは傷痍軍人の方に対する認定のときの障害の程度の表が、それが長年いろんなところで使われているというふうに聞いているんですが、そういったところの見直しをぜひしていただきたい。そのときに平行して、やはり苦しんでいる人たちの実態を調査していただきたい。例えばこの制度が発足したときの薬務局の解説によると訪問審査なども考えておられる。そういったことも含めて実態を捉えながら見直しを進めていただけたらありがたいなということを思います。そんなところです。」

坂口厚生労働大臣:
「SJSの皆さん方ともお会いをいたしておりますし、色々なご要望も聞いております。できるだけこの皆さん方にもお答えができるようにと、色々なことを今考えているところでございます。」

村田:
「じゃ、HIVの花井さんから」

花井:
「時間がありませんので。私の方からは医薬品の研究開発振興部門、これは組織的分離を委員会では決議されているということだと思うのですが、これは新法人のスタートと同時にこちらの組織的な分離も実現するという、先ほどのお話だったと思うのですが、それを確認したい点が1点と、あと、今ちょっと高橋さんの方からもありましたけれど、製薬企業の人事について遮断ですよね、これについてやはり癒着がおこらない遮断というのをたしかにやっていくということをもう一度ご明言いただけたらと思います。」

坂口厚生労働大臣:
「新しい独立行政法人、この法人ではなくて、分離をして新しい行き先になりますところの独立行政法人、これはまだできていないものですからなかなか上手く言いにくいのですけども、独立行政法人という形になるかどうかということも決まっておりませんが、多分そうなるだろうと私は思っております。これはできること間違いございませんので、それができましたらそちら方に移行させると。そんなには時間がかからないというふうに思っている次第であります。新しくできるものはかなりスタートをいたしておりますから、これは国が関わってやっていることでございますので、この分野のはちゃんとできるという風に思っております。これは、今やっているのは、大阪でやっているわけでございます。それはちゃんとできると思っておりますから。できるだけ私のやっておりますうちに決着をつけておきたいという風に思っております。製薬会社といわゆる新法人との間の問題につきましては、いわゆる理事長さんだとか理事だとかいったような人の中には入れないということを明言いたしております。理事長にしないということを私は明言したわけですが、理事長にしないということは理事の中にもしないということを踏まえて、理事長は理事を選ぶということになっていることは間違いありません。ただ、問題は一般の職員の話で、その考え方を一般の職員の中にも広めていきたいと思っておりますけれども、一度例えばお辞めになって他でお勤めになっていた優秀な人がきた時にどうするかとか、個々のケースはまああるだろうと思いますが、その時には、現在製薬会社との関係がないかどうかといったようなことを明確にする、そしてまたその人にそういう考え方を伝えて明確にしておくということをしなければならないだろうということは考えております。原則的に言えば今申しましたように、それは完全に分離をした形で進めていきたいというふうに思っている次第ででございます。」

村田:
「時間になりましたけれどあと一言、いしずえの間宮さんに。」

坂口厚生労働大臣:
「どうぞ、後になりましたけれども。」

間宮清:
「一番上のところで、大臣から過去の教訓を生かすということは同じ思いであるということを伺いまして、心強く受けとめました。意見交換の場ということで早いうちにというお話しをいただいたのですが、これは新年早々というふうに受けとめてよろしいのかということと、大臣とまた意見交換をできるのかというところをお聞きしたいのですが。」

坂口厚生労働大臣:
「あの、定期的にというようなことがですね、意味があるのかどうかということがわかりませんし、また頻繁にお会いしなければならないことが起こるかもしれないしということでございますので、お会いしてお話を伺うことを決して疎うものではございませんし、私はなるべくお会いをさせていただきたいと思っておりますが、それは色々な問題点が起こりましたときに、あるいは起こる可能性があります時にお会いをさせていただくということにしておいてよろしいのではないかという風に思っております。今回の場合には来年の中ごろまでにある程度の準備をしてこういう方針でいきたいけれども皆さんのご意見はどうでしょうかということをお伺いする機会が一度なければいけないと思うわけですから、5、6月ごろまでにそれをまとめるということになればそれまでの間に皆さんとお会いをさせていただき、もう一度意見を交換させていただくということでよろしいのではないでしょうか。あまり早すぎて1月とか2月ということになって、こちらの準備ができなくって、皆さんに来てもらってもこちらの準備ができていないということではいけませんので、ある程度準備を進めた段階でお会いをさせていただくということで、いかがかと思います。」

間宮:
「準備ができてその後で大臣にお会いできるということは有意義だと思いますが、その準備段階で我々の意見が反映される場面というのは、あのいわゆる事務レベルとかですね、実現できるのかどうかお伺いしたいのですが。」

坂口厚生労働大臣:
「準備段階ですからどこまでを準備段階とするかということになりますが、もうがんじがらめにしてしまってもうこれで動かしがたいという形になってそれで皆さん方のお話を聞くというのではいけませんから。それを決めるまでに色々のやり方というのがあるということを踏まえて色々な準備をするだろうというふうに思いますが、それでがんじがらめになります前に皆さん方にお会いをして、皆さん方のご意見を聞くといういうことがよろしいのではないかと、私は思っております。」

間宮:
「我々はすごくショックだったのは、やはり業界の方々に先に説明をしていて、我々にはもうほとんど決まった段階での説明という形だったので。それがやはり非常にショックだったし、それだけは今後は避けていただきたいというふうにお願いをしたいと思います。」

村田:
「まだ皆さん、ご意見等あろうかかと思いますが、大臣との約束の時間を延ばしていただいたような事情もあるので、今日のところはこれで終わりたいと思います。またの機会をぜひよろしくお願いします。」

坂口厚生労働大臣:
「皆さんとこうして、全体でお会いさせていただくのは私も初めてでございまして、今までの大臣もあるいはなかったと思いますから、大変有意義な会合だったとも思っております。またひとつ、お話をお聞きしたいと思います。どうもわざわざお越しをいただきましてありがとうございました。」


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