2006年8月
文部科学大臣
小坂 憲次 様
全国薬害被害者団体連絡協議会
世話人代表 花井十伍
『薬害根絶デー』への出席のお願い
大臣におかれましては、日々の文部科学行政へのご尽力に対し、敬意を表します。
さて私達は毎年8月24日を「薬害根絶の日」と定め、多発している薬害の根絶を目指して、被害者が一堂に会して行政との話し合いをすすめております。今年も下記の要項で「薬害根絶デー」の取り組みを致します。ご多忙とは存じますが、ご出席いただいて御一緒にお考えいただければ幸いです。 特に、午前中に予定されています「文部科学省交渉」は、毎年1回行われ今年で8回目になります。
1回目では、担当官僚が「薬害」と「薬物乱用」を混同した回答に終始し、翌年の2回目の交渉で、薬害に対する理解と認識不足への謝罪がなされるという状況でした。3回目の交渉の後、2002年3月25日にヒト乾燥硬膜ライオデュラの移植によりクロイツフェルト・ヤコブ病に感染した患者本人とその家族・遺族と厚生労働大臣及び被告企業らとの間で和解が成立しましたが、その確認書の中で「我が国で医薬品等による悲惨な被害が多発していることを重視し、その発生を防止するため、医学、歯学、薬学、看護学部等の教育の中で過去の事件等を取り上げるなどして医薬品等の安全性に対する関心が高められるよう努めるものとする」と約束されたにもかかわらず、同年8月の4回目の交渉で、そのような和解確認書の内容自体を文部科学省が把握していないことが明らかになり、翌年の5回目からようやくこの和解確認書に沿った取り組みが始められつつある状況です。
そのような中、昨年2月28日の国会で、前大臣が、私たち薬害被害者との直接の面会について、たいへん前向きなご答弁を頂きましたが、衆議院選挙のために昨年は直前になって実現しませんでした。
何かとお忙しいことは承知の上ですが、繰り返されている薬害被害の根絶には、適切かつ的確な文部科学行政が必要であることをご理解頂くために、ぜひ、「薬害根絶デー」(特に文部科学省交渉)にご参加頂きますよう、お願い申し上げます。
記
2006年8月24日(木)
文部科学省交渉(文部科学省内) 10:00〜11:30
※リレートーク(厚生労働省前) 11:45〜12:55
※碑の前行動(厚生労働省前庭碑の前)13:00〜13:30
厚生労働省交渉(厚生労働省内) 14:00〜16:00
※報告集会(弁護士会館内) 18:00〜
(※は未定)
2006年8月
文部科学大臣
小坂 憲次 様
全国薬害被害者団体連絡協議会
代表世話人 花井十伍
私たちは、1999年8月24日に厚生労働省敷地内に「薬害根絶誓いの碑」が建立されて以来、毎年8月24日を「薬害根絶の日」と定め、被害者が一堂に会し、多発している薬害の根絶を目指して、行政との話し合いをすすめています。今年も8月24日午前10時00分より、第8回目となる文部科学省交渉を実施したく、よろしくお願い致します。
要望・質問書
<文部科学行政全般に関して>
【1】これまで薬害が漫然と繰り返されてきたことと、文部科学行政は無縁ではありません。そのことを訴えるために文部科学省交渉が始まり、3回目となる2001年の交渉で、文部科学大臣自身が直接、全国薬害被害者団体連絡協議会と面談する機会をつくる努力をする旨の発言が、同席していた民主党の枝野議員の発言を受けてなされましたが、実施されることのないまま今日に至っております。昨年2月28日の国会で、前中山大臣が私たち薬害被害者との直接の面会についてたいへん前向きな答弁をして頂きましたが、残念なことに、衆議院選挙のために急きょキャンセルとなり、秘書官の方からは、日を改めて面会する方向で、さらに仮に大臣が交代した場合でも経緯を伝え引き継ぐ旨のお話しをいただいておりましたが、未だに実現しておりません。大臣におかれましては何かとお忙しいことは承知の上ですが、繰り返されている薬害被害の根絶には、適切かつ的確な文部科学行政が必要であり、そのために大臣自身がそのことを認識して頂くことが必要です。ぜひ、直接私たち薬害被害者の声を直接聞いて頂く機会を作って頂きますようお願い致します。
<公教育(小・中・高)に関して>
【1】私たちは、子どもたちを薬害の被害者にも加害者にもしたくないという思いから、次回の小学校・中学校・高等学校の学習指導要領の改訂時には、薬害の歴史や薬害再発防止に寄与する自然科学的・社会科学的・人権教育的な教育の充実を求め、学習指導要領にその旨の記載がなされること、さらに実際に教科書に、被害者の視点に立った薬害の歴史や、消費者の立場にたった健全な医療消費者教育をすすめるための記述がなされることがとても大切であると考えています。具体的には学習指導要領の中で「公害」と併記する形で「薬害」を併記してほしい旨の要望を続けてきましたが、昨年2月28日の国会で、文部科学大臣がそのことに対して非常に前向きな答弁をして頂くと共に、昨年の交渉時には、私たちの要望を中央教育審議会の場で伝えていただく旨の発言を頂きました。その後の経緯をお教えいただくと共に、ぜひ、次回の改訂時での実現を改めて要望します。
【2】前々回の交渉で「薬害防止教育や医療消費者教育の推進のために、薬害被害を受けた当事者の視点に立った薬害の歴史や、薬を使用する消費者として必要な項目を記載した教科書の副教材となる冊子を作成し、全国の子どもたちに配布して下さい」とハンセン病のパンフレットのような副教材の作成をお願いしたところ、「厚生労働省から依頼があれば実行したい」旨の前向きな回答を頂きました。しかし、その際の文部科学省と厚生労働省の役割分担が不明瞭なまま実行に向けて進んでいない状況があり、昨年度は、文部科学省と厚生労働省の事務レベルで連絡をとりあう旨の発言を頂きました。これまでの経緯と今後の具体的な手順を明示して頂いた上で、実行に向けての動きを始めて頂きますよう要望します。
<高等(専門)教育に関して>
【1】2002年3月25日に、CJD薬害の被害者と国との間で交わされた和解確認書の『我が国で医薬品等による悲惨な被害が多発していることを重視し、その発生を防止するため、医学、歯学、薬学、看護学部等の教育の中で過去の事件などを取り上げるなどして医薬品の安全性に対する関心が高められるよう努めるものとする』という一文の主旨に沿って、医学・歯学・薬学・看護学部の教育のカリキュラムで、薬害再発防止のために具体的に過去の薬害を学ぶことなどを取り組みをする義務があります。これらの具体的な進捗状況について明らかにして下さい。また、薬害教育の推進のために、文部科学省と厚生労働省との連携はどのように行われているかを明らかにして下さい。
【2】薬害教育の講義は、被害者をはじめとして、医療関係者のみならず、社会学や社会福祉学などの教員も含めて年間を通して行われるよう要望します。また、薬害教育の講義は、「薬害防止」の観点だけでなく、被害者や遺族に対する国・製薬企業の対応の歴史や、被害者や遺族への差別の問題や支援のなされ方など、社会との関係についても行われるよう要望します。
【3】ここ数年まとめて頂いている「薬学問題に対する各大学の取り組み状況」に関して今年度現在のものを明らかにして下さい。またこの調査に関しては、今後当分の間毎年状況把握をして下さい。薬害を知らない医療従事者がつくられてしまわないよう、今後とも、各大学において、薬害被害者の声を直接聞く等、適切な医療倫理・人権学習等がなされていくよう指導を充実させて下さい。
【4】今後行われる予定の医学・薬害教育等の問題を議論する文部科学省の審議会や検討会にどのようなものがあるか明らかにして下さい。そして、その議論に、私たち全国薬害被害者団体連絡協議会に属する薬害被害者が委員として参加できるようにして下さい。
<生涯学習に関して>
【1】全国の自治体で実施されている消費者教育・人権学習などにおいて、薬害問題を含める医療問題や医療消費者教育などがどれほど取り上げられているかについて調査してください。また、(財)人権教育啓発推進センター等で、それらの具体的な実施例をパンフレット等に作成して全国に配布するなどして、医療と人権の問題について国民に周知する努力をして下さい。
【2】前回の交渉で、昨年10月の自治体の人権担当者を集めた会議の中で、生涯教育の中で薬害教育等を推進することの重要性について周知させる旨のお話しがありました。その場でどのような形で周知され、その結果、どのような影響が出てきているかを明らかにして下さい。
<国立大学法人付属病院に関して>
【1】国立大学法人付属病院で、薬害被害者や医療被害者の声を直接聞く職員研修を積極的に実施して下さい。特に、全国薬害被害者団体連絡協議会の関係者を講師に招く取り組みを始めて下さい。
【2】国立大学法人付属病院において、本人及び遺族からカルテ開示請求はどれくらいあったかの調査を今年度分も実施して下さい。また、今後当分の間、この調査を続けて下さい。さらに、昨年度の非開示事例の内、「診療への支障」を理由にしたものについては、請求者がそのことについて納得しているのかどうか等、事後の患者と病院との信頼関係の問題についても調査して下さい。
【3】本年3月6日付で、厚生労働省は全国全ての保険医療機関等に対して「患者から求めがあれば、個別の診療報酬点数の算定項目のわかる明細書の発行に努めること」と通知しました。これを受けて、今年5月12日の国会で、厚生労働大臣は「国立高度専門医療センターの内の4病院では、受付窓口など患者の目に付くところに、レセプト並みの詳細な明細書の発行が可能である旨を表示するよう指示し、既に無料での発行が可能な状態になっている」旨の答弁と、さらに「国立高度専門医療センターの残りの4病院と、国立病院機構や大学病院その他でも進めていく」旨の答弁がなされています。これからの医療の見本となるべき全ての大学附属病院の窓口で、レセプト並みの詳細な明細書の無料発行と、発行が可能であることの掲示がなされているかを確認し、まだのところには至急に対応するように指示して下さい。
【4】薬害エイズ事件の第4ルート問題や、薬害肝炎事件などでは、厚労省がそれらの血液製剤が納入された医療機関名を公表したが、カルテやレセプトの保管期間が過ぎてしまっていたために、患者の多くが投与された血液製剤の商品名を知ることができませんでした。また、知らない間に点滴の中に入れられていた陣痛促進剤による事故が繰り返されている現状もあります。これらの問題は、レセプト相当の詳しい明細書がその都度、患者に渡されていたら防ぐことができる問題です。そもそも厚生労働省は自ら、「患者と医療者の情報共有、国民と医療機関の情報共有が医療安全のために欠かせない」とする報告書を、昨年の医療安全対策検討会議でまとめています。このように薬害・医療被害の防止の観点から、レセプト並みの詳細な明細書を医療機関の窓口で全ての患者に発行することが大切だと考えますが、文部科学大臣のご意見をお聞かせ下さい。
以 上
全国薬害被害者団体連絡協議会
財団法人 いしずえ(サリドマイド福祉センター)
イレッサ薬害被害者の会
MMR(新3種混合ワクチン)被害児を救援する会
財団法人 京都スモン基金
大阪HIV薬害訴訟原告団
東京HIV訴訟原告団
薬害筋短縮症の会
薬害肝炎全国原告団
陣痛促進剤による被害を考える会
スモンの会全国連絡協議会
薬害ヤコブ病被害者・弁護団全国連絡会議
【交渉内容】
日時:平成18年8月24日(木) 10:00〜11:30
場所:三菱ビル10F グランド
<応接者>
高等教育局
医学教育課 栗山 医学教育課長
田中 課長補佐
神田 大学病院支援室室長補佐
和住 看護教育専門官
橘 病院第一係長
鳥居 医学教育係長
菊池 医学教育係主任
初等中等教育局
教育課程課 松永 課長補佐
児童生徒課 塩原 課長補佐
教科書課 森山 教科書検定調整専門官
富森 検定調査第一係長
生涯学習政策局
社会教育課 宮田 課長補佐
スポーツ・青年局
学校健康教育課 鬼頭 健康教育調査官
大臣官房総務課
法令審議室 後藤 審議第3係長
梶村 係員
本日はみなさんお忙しいところ、私たちの薬害被害者団体の「薬害根絶デー」の協議にこういう場を設けていただきましてありがとうございました。文部科学省におかれましては平成15年度から、いわゆる薬医学、医学的な観点ではなくて、倫理や社会医学的、人権医学的な観点から、薬害被害の問題をやらなければということを文部科学省の国立大学等で推奨していただきまして、私どものほうも文部科学省が薬害という問題について、かなり理解を示していただいていると非常に感謝しているところでございます。それでも、今後、やはり薬害をなくすということにおいては、教育という観点は非常に重要だと私たちは考えていますので、今日は要望書に沿って、意義ある討議ができたらと思います。よろしくお願い致します。
【文部科学省】
それでは要望質問書をあらかじめいただいておりますので、それに沿いまして、当方から本日、各担当が参っておりますので、一括してご質問に対するご回答と、要望に対するご回答をさせていただければと存じます。なお、途中で大臣が参りました時には、いったんその質問回答をちょっと中断させていただきまして、後ほど続けてさせていただきたいと思いますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
松永:おはようございます。教育課程課課長補佐をしております松永と申します。よろしくお願い致します。ご要望をいただきました事柄のうち、公教育、小・中・高等学校における教育に関しまして、今日時点での私たちどもの状況をお話を申し上げたいと思います。ご要望をいただきました内容につきましては、現在、中央教育審議会で審議をしております学習指導要領の見直しの検討にあたりまして、ご要望をいただきました主旨を中央教育審議会の場に伝えていくということにつきまして、昨年度もこの場でお約束をさせていただいたところでございまして、その後の経緯ということでございます。このことにつきましてですけれども、現在学習指導への全体の見直しにつきまして、中央教育審議会で審議を継続しているところでございます。
そのなかで、現在、薬害につきましては、特に中学校、高校の社会科、あるいは公民科におきまして、基本的人権の尊重でありますとか、消費者保護、社会における企業の役割と責任といったような内容と関連して、教科書にも記述がなされているといった状況です。こういう状況も踏まえまして、現在、中央教育審議会の下に各教科毎の専門の部会というのを設けております。先ほど申し上げたような事柄から、社会、地理、歴史、公民という専門部会、いわゆる社会科に関する専門家の方々からなります専門部会がございまして、その専門部会に昨年にいただきました要望書を配布の資料として、お配りをさせていただきまして、この専門家の方々にこのご要望の主旨をお伝えしたところでございます。なお、現在この専門部会、あるいは中央教育審議会での審議につきましては、まだ学習指導要領全体の方向性、あるいは社会科の基本的な改善の方向性という抽象的な議論にとどまっておりまして、個別具体の内容をどのように学習指導要要領のなかに盛り込むかということにつきましては、今後、各位においてあげられております、さまざまな現代的な課題のなかで、教育的見地から専門家に十分ご審議をいただきたいと考えておる状況でございまして、まだ具体的な内容までできるに至ってはおりませんけど、先ほど申し上げましたように、専門家の方々にはいただきましたご要望の書類、これを会議の資料としてお伝えいただきました、という状況でございました。
それから二つめの事柄でございますけれども、教科書の副教材となるような冊子の作成につきまして、ご要望をいただいているところでございます。この点につきまして昨年度、私どもと厚生労働省のほうで、事務的な話をさせていただくという旨、お話をさせていただいたところでございます。その後の経緯でございますけれども、その後、昨年度、一度、また今年度にもなりましても、一度、私どものほうから、厚生労働省のほうに参りまして、ご要望いただきました主旨についてお話をさせていただくと共に、この作成というものにつきまして、働きかけをさせていただいたところでございます。私どもの考え方でございますけれども、このご指摘いただきました副教材の作成成配、重要なご提言と考えておりますけれども、まずは専門的な見地を有する厚生労働省におきまして、その作成については検討、判断をしていただく必要があろうかと考えております。そのうえで、私ども作成のプロセスの部分も含めまして、ご協力はさせていただくという旨を厚生労働省のほうにも申し上げているところでございますが、未だ厚生労働省のほうでパンフレットの作成ということについて決定をしているという状況にはございません。私ども文部科学省といたしましても引き続き、ご要望の主旨を厚生労働省のほうにも引き続きお伝えしていくと共に、また働きかけを継続して参りたいというふうに考えているところでございます。以上でございます。
栗山:医学教育課長の栗山でございます。私のほうからは高等教育、特に医学教育という観点からのご要望等にお答え申しあげたいと思います。まず、高等教育に関して、医学、歯学、薬学、看護学等の教育カリキュラムのなかで、薬害を学ぶ取り組みについてというお話でございますけれども、大学における教育というのは、それぞれ大学が自主的に行っているのですが、医学分野につきましては、モデル・コア・カリキュラムというものがあって、医学、歯学、それから薬学、看護学は、またちょっと違ったかたちなのですが、同様に基本的に、学生に学習してもらう事柄というのを望んでいまして、そのなかでも医薬品の適正使用であるとか、代表的な薬害の例とか、またその原因とか社会的背景、こういったものを理解すべきというふうに設定されています。それぞれの大学では、こういったものも踏まえまして、当然、薬医学等の専門的な学習もしますし、企業倫理とか、人権学習、こういった観点からの授業も展開は進んでいるというふうに認識しております。そしてまた実際の授業のなかでは、薬害被害に遇われた方の声を直接聞くと、そのなかで被害の実態を認識して、その討議をするとか、こういった授業も取り入れるというふうに承知しております。
それから厚労省との関係の話がございましたけれども、私ども例えば先ほどのモデル・コア・カリキュラムといったことについては医学教育の改善充実の〓の配布などを関知しておりますけれども、このなかでも、やはり厚労省の方々も一緒に参画してもらって医学教育等について今後のありかたを検討していくということで、今後ともこういう連携はとりあえず重要だと考えていますので、連絡を密にして進めていきたいとふうに思っております。
それから2番目ですけれども、社会学が社会福祉なども含めて、年間を通して薬害防止だけではなくて、歴史とか、差別の問題とか、社会との関係、こういったような傾向で〓もありますけれども、もちろん薬害教育のなかには、薬害防止という観点だけではなくて、歴史的なものであるとか、被害者への差別の問題、支援のされ方、社会との関係を学習する非常に重要なことであると思っています。私どもとしても大学の医学部長さんとか理事長さんとか集まる会がございますので、そのなかで今申し上げたような教育がしっかり行われるようにということは、大学に、いろんな機会を捉えて働きかけることになってまいりましたし、今後も苦心して参りたいというふうに思っております。
それから3番目に、その取り組み状況について、今まで調査してきたわけですけれども、今年度のものと、それから、これからも毎年一応調査していってくださいという話、それから直接、被害者の声を聞くという〓ということでございますけれども、今日も資料をお配りしてありますけれども、この8月ですけれども、配布いただきました、資料にありますけれども、医学部、医学科においては79大学中75大学。医学科においては29学部中の27、看護学科おきましては144大学中112大学、薬学部につきましては67中64学部になっております。それから直接、被害に遇われた方のご意見・体験を聞く機会ということですけれども、こういった先ほど申し上げましたように、そういった受業を考えておりまして、先ほどの会議等でも全国の薬害被害者団体連絡協議会から、講師の紹介、派遣といった協力をいただけるということは、こういった感じで周知して働きかけているという状況でございます。それから、その一状況ですけれども、例えば医学科では、79大学中20大学、歯学科で29学部中12学部というように、こういった取り組みも徐々にではありますが、増えているというふうに認識しております。こういった取り組み状況については、今後も調査をして状況を把握してまいりたいというふうに思っております。
それから、最後に薬害被害者団体連絡協会の代表者が任意として参加できるようにという話しでございます。さきほどモデル・コア・カリキュラムのなかで、医学部の〓に関する調査研究会議を持ちましたけれども、薬学でもそういった主旨の会議を開催して教育の改善について検討してきたわけでございますけれども、そこでは大学関係者とか、ジャーナリストとか、企業、あるいはその他学識経験者、いろいろな方々、幅広い分野から選任して、〓的な見識に基づいてご審議願っているわけでございますけれども、特定の団体に枠を設けてというかたちでは行っていません。全体として、幅広い分野から、議論ができるようにという観点で、こういった観点から議論ができるようにと考えているようです。以上、とりあえず高等教育に関しての取り組みの状況でございます。
宮田:生涯学習政策局社会教育課の課長補佐をしております宮田と申します。3番目の生涯学習に関するご質問でございますけれども、まず第一の消費者教育学や人権学習で全国的にどれくらい事業が行われているかという、それを調査をしてくださいということと。人権教育啓発推進センターにパンフレットを作成していただけないかというご要望でございますけれども、まず、一番目の全国的な調査については、昨年来申し上げているとおりでございまして、年間で約、全国の市町村で66万件の学習講座が社会教育の場において行われています。それに一件一件どういう分類で何が行われているかということを調査するのは、我々非常に困難であるというふうに理解はしております。さらにその事業そのものが地域のニーズでありますとか、実情に応じて行われているということより、対象も子どもからお年寄りまでですね。広い対象を、幅広い人を対象として講座なりが行われているということから、かなり困難じゃないかということを考えています。ただ、そうは申しましても、我々は全国で、人権に関する取り組み、人間教育に関する取り組みがどれくらい行われているかということは把握する必要があるものですから、昨年度は、まずは都道府県の事業でどれくらい人権に関する取り組みがどれくらい講座なり、啓発なり、研修なりといったものが行われているかということについては、調査をしたところでございます。この結果が、もうまもなく冊子となって出る予定になっておりますけれども、約、都道府県で700件程度ですね。研修、講座や講演会といったものが行われているということで、そのなかで、例えばHIVの感染者の方とか、ハンセン病の方、そういった方に関する人権を、人権課題をテーマにした取り組みが約120件程度行われているというようなデータが出てきております。
さらに、これは国の取り組みではないのですけど、本所が召喚しております人権教育啓発推進センターによって、全国の約1050の市町村で行われております人権関係の事業について、データベース化してホームページで公開をしております。そのデータの件数が4万5000件が今データベースに登録されておりまして、検索のフリーワードで検索すると、そういうふうにヒットした講座なり、講演会といったものが出てきておりまして、例えば医療関係ということで検索しますと221件。HIVという項目で検索しますと767件というような件数で講座が行われていると。これは平成13年度から15年度の間の事業についてのデータが今のところ掲載されているという状況でございまして、ただこれ掲載されて公開するだけで終わりということではなくて、このデータベースを活用していただいて、ぜひ自分の市町村でも、新しいといいますか、さまざまな人権課題があって、それに対する取り組みを進めようということが重要でございますので、そういったことにつていは追って我々から都道府県なり市町村のほうにも語りかけていきたいというふうに考えております。
それから2番目のパンフレットの作成でございますけれども、この要望をいただいて、さっそく人権教育啓発推進センターほうにデータを取りましたところ、例年、パンフレットであるとか小冊子といったようなものを作っております。今年のテーマは、まだ定まってはないということだったのですけれども、ぜひ、医療問題とかそういったことについてのパンフレットの作成をしていただけないかというようなお願いはしているところでありまして、薬害問題一本でパンフレットを作るのはちょっと難しいのかもしれませんけれども、例えばご要望にあるような、医療と人権とかですね、HIVの問題であるとか、さまざまな医療関係の問題についてのパンフレットなり、事例を取り上げるようなかたちで作成をしていただきたい、ということは了承して、今年度中には、どういうかたちになるかわかりませんけれども、作成する方向でいきたいと、そういうふうに考えております。ただ我々がお金を出して作っていただけるものではないですので、あくまで団体の自主的な事業としてやるということですので、お願いベースではありますけれども、こちらからは積極的に働きかけていきたいというふうに考えております。
それから2番目の前回の交渉で、昨年10月の自治体の人権担当者を集めた会議のなかでも〓ありましたけれども、昨年10月に鳥取県で、全国の人権教育担当、教育委員会の人権教育担当ですけれども、約120名ぐらいお集まりいただきまして、そのなかで文部科学省の施策の説明のなかで、さまざまな人権課題があるなかで、薬害問題もあるということも、説明等をしているところでございます。ただ、昨年やって、今年どういう影響なり、効果が出ているかということについては、ちょっと今のところ調査等しておりませんので、把握はできていないという状況でございます。ただ、一度やればいいというものではありませんので、今年は11月に青森県で同じような部長会議がありますので、その場でも引き続き、こういう課題についても取り組んでいただきたいというようなことが、こちらから言いたいというふうに考えています。以上でございます。
鳥居(?):医学教育課長の鳥居(?)でございます。次に国立大学の付属病院に関するご要望等についてご説明をさせていただきたいと思います。まず、国立大学付属病院で、薬害被害者の声を聞く職員研修を積極的に実施してくださいという話ですけれども、各国立大学付属病院で職員に対する研修が行われておりますけれども、そのなかで、そういった取り組みを実施していただくようにということで、私も国立大学の病院の事務部長さんの会議でありますとか、先ほど少しお話しましたように医学部長、歯学部長、四長会議、こういったところで話を申しあげております。現に被害者の方、あるいはご家族の方に話をしていただくという取り組みがございます。ぜひ今後ともこういった取り組みに取り組んでいただくように働きかけをしていきたいと思っております。
それから2番目にカルテ開示の状況の調査の件でございます。国立大学付属病院におけるカルテ開示の請求と開示の状況ですけれども、今年の7月末現在で調査を実施いたしました。17年4月から18年7月まで。1年3か月ですけれども、この状況を揃えましたけれども、配布資料にもお配りしておりますれども、カルテ請求1062件中、開示したのが1043件。2件が非開示となっておりますけれども、この2件については現在は問題になっていないと伺っております。
それから付属病院での窓口でレセプト並みの詳細な明細書の無料発行が可能であることの掲示等についてでございますが、これは8月現在ですけれども、個別の診療報酬点数の算定項目のわかる明細書については、国立の付属大学病院のなかで、患者の求めに応じて発行している大学が11大学。そこでそれが無料で発行している大学が10大学。それから発行が可能である旨、院内掲示を行っている大学が2大学でございました。ご要望の主旨については今後とも大学病院関係者に働きかけてまいりたいというふうに思っております。以上です。
では要望をいただきました趣意書に沿いまして、簡単でございますけれども、こういうかたちでご説明をさせていただきましたけれども、これからお話し合いに入っていきたいと思っておりますので、何かございましたら、発言よろしくお願い致します。
薬被連
どうもありがとうございました。まず、大臣は今回、来ていただけるということで、ご説明のほうは、公教育のほうからですけど、1番のほうですけれども、まず、中央審議会の社会、公民のところの部会で、資料を提供していただいているのですけれども、どの資料をいつの何月何日に、どういうかたちで提出していただいて、どんな反応があったか、その日だけでも、もう少し具体的に教えていただければ。
文科省
失礼いたします。先ほど申し上げました社会、地理、歴史、公民の専門部会でございますけれども、これは実は昨年の秋口に開催しまして、しばらく間が空きまして、また再び開始をしたのが、今年の8月の2日でございまして、その8月2日の社会・地理・歴史・公民専門部会、これは日時、資料等、ホームページでまだ資料があがっておりません。大変恐縮ではございますが。今年の8月2日の会議におきまして、昨年この交渉に際しましていただきました文章、これを参考資料としてお配りしたという状況でございます。先ほど申し上げましたように、まだ専門部会での議論を社会科、地理科、歴史科、公民科、それぞれ基本的にそれぞれどういう開設の方向性で進むかという抽象的な議論でございまして、まだ、個別にこういった事項について、盛り込むべきであるという議論がまだ出されておりませんで、この資料についても特段のご発言はございませんでした。ですので8月2日の会議に、昨年この交渉で出していただいた要望書の質問書をお配りをさせていただいたということでございまして、今後、検討される専門の先生方の資料をご覧になっているということでございますので、これを踏まえた審議を出されるものと考えております。以上でございます。
薬被連
わかりました。のちほどホームページに載るということですね。これは小中高すべてに関連する部会ですね。同じように保健の教科書に関する部会もあるのでしょうか。
文科省
鬼頭:学校健康教育課の鬼頭でございます。保健につきましては、前から身体に関する専門部会というのがございまして、そちらのほうでは体育保健、両方について検討しているとこでございます。現段階では先ほど社会、地理、歴史、公民専門部会の状況がございましたけれども、そちらと同様でございまして、まだ抽象的な話になっている状況でございます。今後とも、まだ検討が進むというふうに考えております。
薬被連
私たち、もう8回目ですけれども、ずっとこの教科書に関しては、保健と、社会科ということでお願いを出してきたところでして、抽象的段階というところで、保健両方で簡単な要望書みたいなものを作らせていただくことで、次回開催時に社会科と同じようにとりあえずその段階に来ているとことを配布していただくことは可能でしょうか。
文科省
鬼頭:専門会の検討状況の回数等がございますので、どの程度それが周知できるかということに、今すぐこの場でお答えするのは、ちょっと難しいかと思いますが、そのへんはこちらのほうで伝えていきたいと思っております。
薬被連
一応、ずっと同列で私たちお願いしてきたことなので、片方で書いていただき、片方で、はということではなしに、一応大臣の答弁でも積極的に、とここにはと言っていただいてますので、保健は大事な科目だと思っています。特に小・中では社会科のように、高校では保健というのは大事だと思いますので、両方、要望を作成したいと思いますので、ぜひ配布だけでも、とりあえず最初の段階で、委員の方々に見ていただくということでお願いしたいということです。一つ目に関して他に何かございませんか。
間宮:いしずえの間宮ですけれども、資料を配っていただいたということなのですが、実際、指導要領のなかに公害について、記述されなければおかしいわけですよね。今までのことを考えると。そういう意味で並記するかたちで、薬害というのをちゃんとした大きなカテゴリーとして見て欲しいとお願いをしているわけで、そういった点についてはどうお考えなのでしょうか。
文科省
今の学習指導要領には、ご指摘のように公害ということについて記載がございます。これは小学校、中学校、高校、共に記載がございます。例えば中学校では「国民生活と福祉」という項目のなかに公害についての記述があるところであります。また、高等学校ですと現代社会のところで「公害の防止と環境汚染」というようなかたちでございまして、教科書のなかにも、この記述に基づきまして、具体的に公害のところと併せて薬害ということについて取り上げられている例があると。そのなかでも取り扱い、例えばそのなかでも科学技術の進展のリスクの面というかたちで取り上げられているという状況ではないかなと考えているところでございます。先ほど来から申し上げておりますように、具体的にその文脈がいいのかどうかわかりませんけれども、そういったものとあわせまして、薬害というものいついて、個別のことについて、盛り込んでいくのか、いかないのか。盛り込んでいくとする場合にどのようにして盛りこんでいくのかというのにつきましては、これから専門的な見地から先生方に中央審議会で議論をしていただくという状況でございまして、現時点でまだその点についての検討、状況としては今のところは、私のほうとしても持っていないという状況でございます。
薬被連
公害というカテゴリーがありますよね。それと同じぐらいの重要なものではないですか? ですから、この薬害というのを大きなカテゴリーとして捉えているのかどうなのか、ということを聞いている。文部科学省としてね。どう捉えているのかということを聞かせていただきたい。
文科学省
薬害ということにつきまして、現代の社会的事象、これを子どもたちに他面的に科学的に考えさせる。その薬害をはじめとして、現代の社会的課題というものを、それに対して関心を持って、事実を正確に捉えて、公正に判断できるような力、それを育てていくということは非常に重要なことであると考えております。しかしながらも、現時点では中央教育審議会のほうで、この具体的な事柄につきましてはご議論いただいているところでございまして、今のところ私ども文部科学省として、この個別の事柄について、どう扱うかということについては、今まさに専門的な方々からの議論にお任せをしているところでございまして、その点ご理解をいただきたいと考えております。
おそれいります。意見交換の途中でございますけれども。小坂文部科学大臣が到着いたしましたので、ここで全国薬害被害者団体連絡協議会の代表世話人の花井さんのほうから、要望書の紹介をお願いします。
薬被連
花井:大臣、今日はお忙しいところを、本当に私たちの薬害被害者団体連絡協議会の「薬害根絶デー」のために、ご出席いただきましてありがとうございます。私たちは薬害被害者の当事者からできている連絡協議会で、薬害をなくすというと厚生労働省というところが企画しておりますが、実は私どもは、子どもたちを薬害の被害者にも加害者にもしない、そのためには教育が大事だという観点と、それから日本の医療そのものが文部科学省、今では独法化しておりますが、大学病院中心で行われてきた、その2点からして、文部科学省というのは薬害根絶に関しては非常に重要なパートを占めるという認識からずーっと文部科学省と協議をさせていただきまして、文部大臣にもお話を聞いてもらいたいと思っておりました。今日は本当にありがとうございました。私どもの要望書をお渡ししますのでよろしくお願い致します。
文科省
小坂:ただいま世話人代表の名前によります「薬害根絶デー」への出席並びに、ご要望のご要望書を頂戴いただきました。本日は全国薬害被害者団体連絡協議会の文部科学省への要請に対しまして、はじめて文部科学大臣として出席をさせていただきました。ただいま、こうしていただきました内容につきましては、個別の問題について、それぞれの部局から担当課を通じてお返事をさせていただきたいと、こう考えておりますけれども、協議会を迎えましては、平成11年からこの薬害の根絶を目指した活動に大変熱心にご努力ご尽力をいただいておりまして、本来、薬というものは、私ども人間の健康増進のためにあるはずでございますけれども、その薬による健康被害、あと薬害というのが生じているということは、やはりこれは二度とあってはならないとことであろうと思うわけでございます。そのためには、ただいまご要望書をいただきましたけれども、この被害を繰り返さないためには、単に厚生労働省のみならず、文部科学省としての医学、薬学の研究分野において、この認識を高めると共に、小学校、中学校それぞれの学校段階においても、こういった薬害というものについての認識を高めていくことが、そして自らがその薬としっかりと向き合っていくということが、この薬害を防止するその第一歩になるというご指摘は私どもとしても理解をするところでございます。そういった取り組みを増進するために、ただいまいただきましたこの要望書をしっかりと受け止めさせていただきながら、みなさまと向き合って参りたいとこう考えております。今日まで、こういった取り組みをいただいておりますみなさんのご活動に対し心から敬意を表しますと共に、今後とも本日のご要望も踏まえながら、厚生労働省としっかりと協議連携をして、共に薬害防止のために協力をしてまいりたいと、このように考えております。
本日は、ご要請を賜りましたこと、しっかりと受け止めて、それに対して私としての考え方も申し上げて、ご挨拶とさせていただきたいと存じます。なお、当会議10時から始まっておったと思うわけでございますが、公務のために遅れまして、またこれから官邸での会議がございまして、最後までおることができません。中座することも事前にお詫びを申し上げながら、ご挨拶とさせていただきたいと存じます。本日はどうもありがとうございました。
薬被連
勝村:どうも。私は勝村と言いますが「陣痛促進剤の被害を考える会」ですけれども。本日は本当に私たち今回8回目になりますけど、はじめて大臣に来ていただけるということで本当にうれしく、大変忙しいなか来ていただいたことに感謝を申し上げます。文章の中にもあるのですけども、実は私たちすべて社会的にもよく知られた大きな被害を受けた団体ばかりが集まっておりまして、それぞれの団体は厚生労働省とは同じような被害は繰り返さないようにするにはどうしていけばいいかということをずっといろいろ議論をさせてもらっている団体ばかりだったのですが、それが一堂に会して、それでもなかなか同じような被害が繰り返されていると。これはどうしたらなくしていけるのだ? ということで、実は文部科学省さんが非常に大事なのだということで、一堂に会したことをきっかけに文部科学省さんとお話をさせていただきたい。それは思いはひとつであって、同じような薬害被害が繰り返されないような、そんな国にしていただきたいという願いがあったわけです。ところがそこに書いてありますように、一つの団体からの交渉は年に一度だけだという制約がありまして、改めて要望書を出しておったのですけど、一回目の文部科学省との交渉の時の回答は、薬害と薬物の乱用を混合したという、私たちが薬物乱用の団体だというふうに勘違いをされて、それぞれの質問に対してそういう回答がなされたということで、まったく当時の文部科学省の官僚の方々が自身が薬害を知らなかった。スモン、サリドマイド、IHVという、そういう被害者団体の名前で出しているにもかかわらず、「シンナーの被害に関してはこんな係数があります」と。だけど年に一回なのでそれで終わってしまって、翌年の二回目では、「昨年、非常に変な回答をしたことをお詫び申し上げます」ということで終わってしまった、という経緯があったわけです。三回目、四回目と私たち全国から集まってきて、それでも大事だということで来まして、そこに書いてありますが、薬害ヤコブ病、CJDの国とのこれまた大きな事件で和解があった時の中で、ここに書いてありますように、「今後、我が国で医薬品などによる悲惨な被害が多発していることを重視し、その発生を防止するために医学、歯学、薬学、看護学部などの教育なかで、過去の事件などを取り上げるなどをして、医薬品の安全性に対する関心を高められる努力するものとする」ということが、和解勧告書のなかで書かれたわけです。国とのなかで。それを受けての初めての三回目の文部科学省との交渉のなかで明らかになったことは、国とそういう和解をしていた、ということを文部科学省が知らなかったということが、その場でわかったのです。歯学、薬学、看護学部、医学のなかでそういうことをしていくという勧告が出ているにもかわらず、私たちが交渉に来てみたら、文部科学省はそんなことは聞いていない。それは困るということで、四回目くらいから初めて課長さんも出ていただいて、やっと私たちの言い方をすればまともな交渉が始まったという経緯がありました。
今、それほど、実は私たちが最初から文部科学大臣に来ていただきたいと、参加を言ってきた経緯をですね、実は本当に薬害の被害というのをなくしていくためには、本当に文部科学省が対象だと思っている。実は医薬は厚労省だと思っておられる方が非常に多いと思うのですけど、そうではなくて、本当に薬害・医療被害をなくしていくには、例えば私は陣痛促進剤の被害者ですけれども、陣痛促進剤というのは大きな病院で全員に使っているところがいくつもあるのですよ。非常にたくさん、大量に使われている薬なのですが、実は陣痛促進剤が感受性の個人差が200倍以上あるということが、30年以上前から指摘されていて、それを厚労省なんかでは相対的に重度の脳性マヒとか、子宮破裂、胎児仮死・胎児死が多発しているということを厚労省は何度も言っているのですが、実は感受性の個人差が200倍以上あるから非常に強い陣痛が来てしまうのだということを知っている助産師がいない。それは助産師学会の人であっても知らない。産科の医師も知らない。ずーっと正していくと大学の教授たちも知らない。そういうことを全く教えられていない。これではいたずらに被害者を増やしているだけではなくて、いたずらに加害者も増やしている。それは私たちの事例ですけれども。
実は、私たちが薬害根絶フォーラムといって、多くの被害を語っていると、そこにたくさん薬剤師が来られて、薬害についてはじめて知ったという感想文がたくさん出されるわけです。今、本当に事故、被害というものがどれほど起こっているのかというのがまったく興味がない。高等教育でももちろん、小・中・高の公教育でもなされていない。小学校教育でも十分なされていない。そのことが薬害の被害を漫然と繰り返してしまっている。ぜひこの場は未来に向けての話なので、過去をどうしろという話は厚労省のほうにですけど、ここはぜひ私たちの思いを経験を、そのために来ていますので、ぜひ活かしていただきたい。そのためにも大臣のほうから本当にこんなに被害が繰り返されているのだったら、これは本当に止めなければいけないなというふうに思っていただきたい。だからこの場へ来ていただきたいということをお願いしてきました。そのためには私たちの被害それぞれの被害がどんな被害なのかということを、ぜひお伝えしたいのですけど、今日は本当にお忙しいなか10分でも来ていただいたことに非常に感謝を申し上げるのですが、できれば年に一度こうやって私たちは、繰り返さない思いできておりますので、毎年少しでも顔を出していただいて、厚労省のほうは大臣にずっと来ていただいております。それはやっぱり国としての非常に大きな問題、ひとつ間違うと〓のところから、いろんなところに全国に広がる話なので、最初のちょっとお願いとしては、これを機に、ぜひ毎年、少しでも顔を出していただきできれば本当のこんな被害があるのだなと、そういうことを文部科学省の官僚の人にも、大学の教育担当者にも、そういうことを繰り返さないように指示しなければいけないなと大臣にまず思っていただきたいということで、できるだけ毎年来ていただきたいと今お願いしたいですけれども、その点いかがでしょう。
文科省
小坂:ただいま、大変説得力のあるお話をいただきました。薬害被害というは特定の人の被害ではなくて、私ども誰もが知らないあいだに、いつ被害者になるかわからないという。大変恐い問題でございます。そういった認識を我々がしっかり持つことが、この社会の中から薬害を根絶していく一助になると思います。そのスタートがしっかり切れるように、今お話をいただきましたので、私も認識をしっかり持って、そしてこういう機会を直接私がしていく、今のような説得力のあるお話を直接聞ける機会ですから、私も次の大臣、大臣というのは、一人でずっと続けるわけではございませんので、次の大臣にもしっかり申し送って、こういう会には出席をさせていただくように、させていただきたいとは思っております。
今お話しをいただきましたように、日本から薬害をなくすと共に、世界のなかでやはり日本が薬害を常に原爆と同じように世界に向けて薬害をなくすのだという活動の情報発信ができるようなことを考えられるといいなと思います。
大臣は公務がございまして、これで退席をさせていただきます。
薬被連
どうもありがとうございました。
文科省
それでは先ほど、公教育のほうの意見交換の途中でございましたが、
薬被連
一番の中央審議会の部会なのですが、これは公開、議事録も資料のコピーが出ているのですから、公開されていることなのですかね、すこやかからだ整合部会(?)も公開ということでしょうか。
公教育の二つめの問題のほうなのですけれども、昨年度一度と、今年度一度、文科省から厚労省のほうに対処していただいて、厚労省のほうがなんらかのイニシアチブをとってするならば文科省としてはやれるのだというお話だということを理解したのですけれども、すいません、厚労省の何局の何課のどなたとお話をしていただいて、だいたいどんな感じだったのかということと、こういうことをするには予算の問題があると思うのですが、そのあたりどのような話し合いがされているのかと。
文科省
昨年度、今年度共ですね、医薬品食品局総務課の医薬品副作用被害対策室のほうに伺いまして、いずれも課長補佐の方とお話をしております。それで指摘ございましたように、予算面の話、特に今年は8月にまいりまして、ちょうど予算にいける検討も状況にあわせて伺ったわけでございますけれども、厳しい財政状況のなかで新しくということについては非常に難しい状況あるというようなお話でございまして、まだ具体的に確信について検討されていないというのが現状でございます。
薬被連
要求はしたの?予算。予算要求はしているのか。してないの。まず、そこを言って。
文科省
はい。繰り返しになりますけれども私どもの立場といたしまして、まず文部科学省としては、このパンフレットの作成については、専門的な知見等、また責任を持っておられます厚生労働省において作成について検討いただく、いうふうに考えておりまして、厚生労働省として来年の予算のなかに要求はされていないという状況です。
薬被連
文科省としては予算化は考えていない、してないということですね。こういうことに関しては。
文科省
文部科学省としましては、このパンフレットにかかる予算要求というのはしておりません。それはこういったさまざまな……
薬被連
してなかったら、シーリングも書きようがないやないか。当たり前の話するなよ。予算財政が厳しい。当たり前の話や。だけど、予算要求の土台にも乗っていないものをかかってないから、厳しい昨今です、と説明しているけど、要求もしてないもの、なんでそんなことが言えるの。おかしいことを言うなよ。
文科省
先ほど申し上げましたように、繰り返しになって恐縮でございますけれども、この薬害というものについての歴史、あるいは深刻な状況について、子どもたちに教えていくパンフレットを作っていくという意味におきましては、専門的な知見を有する厚生労働省さんのほうで、イニシアチブをとっていただいて、正確なものを作る必要があると考えおりまして、例えば、あとの分野で申しあげますと、法律に関する教育については法務省さんのほうで、また金融ということについては金融庁さんのほうで、それぞれ子ども向けのパンフレットといいますか、教材を作成しておられるところでございます。予算要求をして作成をしておられるようでございます。私どももそういったものについては、作成について協力をしているところでございまして、同様の状況を厚生労働省さんのほうにもお話を申し上げて、作成過程から作成する場合には協力をさせていただくという旨を繰り返しお伝えしておりますけれども…
薬被連
つまり厚労省が悪いということね。
文科省
先ほども申し上げましたように、厚労省のほうには予算を要求するところまで……
薬被連
責任持って言えよ。今の言葉。厚労省が悪いということやな。
文科省
先ほど申し上げましたように……
薬被連
文科省が今、言ったやん、あんたが。責任持って言えよ、それ。厚労省が悪いのだと。我々としては受け皿はあるのだと、しかし厚労省がやらない以上はどうしようもないのだということを言っているのだから、厚労省に責任があるのだと今、押しつけているわけだから、あなた責任をとるのだなと。
文科省
繰り返しになりますけれども、昨年のご要望を受けて以来、2度にわたりましてこちらからも厚労省さんのほうにまいりまして、働きかけをおこなったところでございます。そういった意味で、まずは専門的な知見を有する厚生労働省さんのほうでは作成するかどうかを検討判断するというのが私どもの考え方でございます。
薬被連
あの例えばハンセンとか、ホームのとか、そういうのは全部、文科省は予算に関しては一切関わっていないのですか。
文科省
はい、ハンセン病のパンフレットにつきましては、厚生労働省のほうで作成をされて、配布については私どものほうで協力をさせていただく、という状況でございます。
薬被連
他の場合も、予算に対してはもう、文科省は関わらない。ということです。
なるほどね。
時間の関係もあるのですが、公教育に関して何か他にございますか。
中西:スモンの会の中西と申します。教科書の問題では、前に、前の交渉で昭和62年度の検定教科書以降、例えば、スモンとか、サリドマイドというような表記が、四大公害裁判のあとにね、「薬害」として教科書に書かれていたのですよ。スモンとかサリドマイドというのはね。ところが、それ以降まったく教科書からは消えてしまったという状況があります。昨今、こういう一般市販薬に対して、小泉さんは非常に規制緩和が好きで、本来、薬なんていうのは規制緩和してほしくない。規制強化があっても規制緩和はしてはならないと思うのですけど、そういう考えのなかで、実は昨年度2月から3月にかけて、電車の吊り広告とか駅等で、「規制緩和によって一番うれしいこと」ということで、政府の広報で、「コンビニで薬が買えるようになったことです」ということを大宣伝されたのですよ。この政府広報について、さっそく私たち薬被連のほうも抗議に行って、政府広報の担当者からは謝罪ということにもなったのですけれどもね。こういう本当にコンビニでも薬が買えるという状況にして、本当に危険というか、薬がそんなに手軽に買えるものではないのですよと、そういう教育が絶対に必要なのですよ。そうなってくると過去に、こういう教訓をきちんと教科書で表記したように、今も指導要領のなかで、そういうものをきちんと表記するというかたちが再度、ぜひやってほしいのですよ。今、非常に安易に薬が手に入るという状況が、巷に溢れているわけですよ。そうしたなかで危険なのですよということを警告できるようなものをきちんと教育のなかで教えないと、安易に薬を手に入れられるという状況あるということを一つ認識してほしいということです。
もう一つ、私は今、難病の人たちの、全国的にも珍しいのですが、難病の人たちだけの作業所をやっています。そういうことのために研修医制度が2年制になって1年間は地域医療ということで、研修医さんが私どもの作業所に来られます。年間、昨年度で12人来られました。その研修医さんに、実は意地悪な質問ですけれど、「スモンのことご存知ですか」と聞いたら、12人来られたうち1人しか知っているとおっしゃらなかった。あとの方は「スモンて何ですか?」と言うことでした。現実に昨年起こったことなのですよ。一応8年間こういうふうに傍聴させていただいて、教育の成果が、やっぱり僕らも見たいということもあって、その研修医さんに意地悪な質問をしているわけですけどもね。残念ながらまだ研修医さんたちは、1人、ご存知だった人は「試験にそういうと出たかな?」という程度だったのですよ。ですからもっと、そういう過去のサリドマイドとか、スモンとか、そういった市販薬によって起こった、薬害とか、顕著な例、HIVとかヤコブとか、ごく最近も肝炎の問題とか、イレッサの問題とか、今日も来られていますけどタミフルというね服薬剤による問題とか、いろいろ起こっているわけですよね、現実に。だからこういう危険な実態のなかで、ぜひ、やっぱり大臣は被害者側の立場で発言なされましたけど、いわゆる加害者にもなるわけですよ。子どもたちは将来。専門家になって、だからそういう意味でぜひ文科省でこういう問題を取り上げてほしいなというように思います。以上です。
鈴木:薬害オンブズパースン会議代表をしています鈴木利廣と言います。いくつかの薬害に関わってきました。今公害と薬害の違いとか、薬害教育の重要性とかやってきていますけれども、公害は企業と行政の対応がかなり重要な部分を占めるわけですよね。すべてと言ってもいいかもしれません。しかし薬害は企業と行政の対応だけでは必ずしもなくならないのです。処方する医療者とそして薬と付き合う患者たちの教育こそが、水際で薬害を防止する重要な戦力になりうるわけですよね。一般の教育のなかで公害をどれほど取り上げることによってなるのかというと、かなり長期的な、50年、100年のスパンで考えていかないとだめかもしれません。企業や行政のなかに入る人たちを教育していくということですね。しかし、薬害の防止は今、直接的に、この一年やるだけでも来年から薬害を減らすことは可能だと思うのですね。そういう意味で医療者や患者がどのように薬と向き合っていくのか、という意味での薬害防止教育を本当に緊急の課題だと私は思っているのですね。毎年のように新しい薬剤が出てきてですね。薬を使うことが人間の健康を保障しているかのような企業の宣伝に対してですね、最近ではタミフルもそうですし、さまざまな新しい薬が、新しい質の薬害を生んできているわけです。公害は四大公害訴訟によって、大きな社会問題になりました。同じ時期に実はサリドマイド〓菌、そしてスモンですね、問題になっているわけですよね。同じく1950年代から60年代。同じ、日本の経済成長を支える企業としての重化学工業と製薬が被害を出してきて、そして製薬……
(テープ反転)
……それなりの文章を用意したい、要望として、それに対して一応そういうことを踏まえたうえで委員の方々に議論していただきたいと思いますので、先ほど保健の教科書の部会のほうにお願いしましたけれども、またぜひ文章を用意したいと思いますので、配布だけをとりあえずしていただいて、またこの会議も含めて、この場も含めて、〓と思っていますので、以後も要望を続けていきたいと思っておりますので、一つその点をお願いしたいという気持ちです。
続きまして、公教育に関してなのですけれども、1、2、3、合わせて時間を取らせていただきたいと思いますけれども、一つ資料としていただいたやつなのですけれども、薬害問題についての授業は、ほぼ出来ているような数字になっているのですが、実は新聞報道のなかにもありましたけれども、2番目の薬害被害者の声を聞く授業に関して、実は本当に薬害被害者を呼んでいなくても、薬害被害者のことを知っている人に話をしてもらったから、そっちに入れたみたいなことが実態としてあるということが報告されたりしておるというところで、そういう報道があると、こういう数字がどれだけ根拠があるのだということを思ってしまうのですが、薬害問題についての授業といっても、薬害を単に薬の副作用の話を一般的にしているだけのことで薬害と副作用の問題の違いさえ整理できていないとかですとか、そういうふうな話も結構あるのではないかと思うわけなのですが、国の和解との勧告書のなかで、非常に大事なのは、過去の薬害を取り上げるなどしてということが書いてあるわけで、そういうのを含めて医療倫理等の観点から、薬害問題をと書いていただいているのですけど、過去の薬害を取り上げるなどした薬害の授業というものを、一番きちんとできるのは被害者の声も聞きながら、というのを本当に被害を防止していくスタートになるのではないかと思うわけなのですが、その点、中身についての、こういう授業のなかで扱っているというのを、もらっていただいているのですけど、過去に薬害を取り上げるなどをしていくのだということを、国が和解勧告をしていることなんかも新たに踏まえたような調査を来年度以降、していただくということはどうかなと思ったのですが、その点はいかがでしょうか。
文科省
まず、薬害被害者の方を招くというところでは実際に来られていないではないかということですけども、きっちり行っているつもりですが、もう一度その調査のやり方とかは検討したいと思います。それから過去の薬害を学ぶと言うことにつきましては、過去の薬害という点では確かに今、調べておりませんけれども、過去の薬害とか、あるいは歴史とか差別問題とかいうふうに、いわゆる社会との関係について講義を行っているかということでは調べておりまして、あるいは〓というような結果があるわけですけれども、この中で特に過去の薬害を使って頂きたいという話が今ございましたので、それについては来年度以降の調査で要項を踏まえてやっていきたいと思います。
薬被連
ありがとうございました。こういう調査を開始していただけるのは、非常に感謝しているところですが、よりあの実の伴う調査をお願いしたいところです。
花井:花井です。かなり薬害問題について、かなり取り組んで頂いている人が増えているんですけれども、ちょっと見ると、看護の部分が特出して行っていないというのがちょっと多いように思うのですけど。特に看護領域によって、何か特別な事情があるのかどうかということと、それからモデル・コア・カリキュラムというなかで、ある程度そういうものが取り上げられていると思うのですけども、そういった関係で看護のほうに、もちょっと頑張っていただくというか、検討中ならいいのですが、「行っていない」というのを、すっと答えられているものが、看護が多いように思うので、そこはお願いしたいということと、あとモデル・コア・カリキュラムにおいては、厚労省の意見や幅広い意見を聞いてもらっているということですが、例えばそういう時に厚労省の意見というのは行政レベルで調整するのか、それとも例えば関連の委員が入っているということなのかっていうことを具体的に教えて欲しいということと、それから通常、医療の分野では最近、患者の声っていうのが非常に大きくなっていて、専門家の意見というのもよく患者当事者っていうことが、薬害被害者って言葉は違いますけど、そういう取り組みも厚労省なんかではされているようですけれども、このモデル・コア・カリキュラムというのを検討する幅広い専門分野という時に、患者ということが射程に入っているかっていう3点についてちょっとお聞きしたいのですけど。
文科省
まず、看護のほうが少ないということで、全体にその通りなんですけど、ちょっと分析できておりません。それについては、背景についてちょっと検討しまして、ここら辺については改善できるように努力したいと思います。厚労省はですね、例えばさきほど申し上げました医学教育の、そういった研究教育会議では厚労省の課長なども正式メンバーではないのですけども、非常に参加していただいているということでございます。それから3番目の問題については、これはそのモデル・コア・カリキュラムの検討というかそういう会議を行っておりますが、委員に入れる入れないは別としてですね、1つの患者の視点という意味では、少なくとも会議に出ている私どもとしてもこれまで以上にですね、そうした観点に十分に配慮しなければいけないということは一応、みなさま方の話を聞いていて十分理解したつもりでございます。そういうことで締めさせていただきたいと思います。
薬被連
間宮:間宮です。実体験としてですね、ついこないだ、昨日私病院に入っていまして、退院したのですけれども。初日にですね、看護師、若い看護師でしたけども、看護師といろいろアレルギーの話とか家族の話とかというのをしたわけですども、そのなかでサリドマイドのことに話が及んだのですけれども、全く知らなかったのですね。サリドマイドという言葉も知らなかった。愕然としましたよ。最前線にいるのですね、看護師さんたちは。やっぱりこれはね、しかもサリドマイドは8月の8日にですね、製造承認のですね、申請が出されたところなのです。これからまた世に出てくるのですね。これ大問題なのです。看護の分野ではもう、看護の分野でもですね、急いでこの薬害についての教育というのを進めていって頂きたいなというふうに思います。それからですね、審議会とか検討会に特定の団体からは入ってもらってないというようなご回答なのですが、だいたいどこの省もそういうふうにいるのでしょうけれども、特定というふうに考えないで頂きたいと思います。ジャーナリストというのはジャーナリストとして、そういう分野ですよね。法律で弁護士なんかを呼ぶというのはそういう法律の分野である。我々は、薬害被害者でありますけど、薬害被害を受けてない人は、やっぱり薬害被害を語れないわけです。薬害の根絶というのを願うというのは、一般の方もそうでしょうけども、一生やっぱり薬害根絶を願うというのは我々しかいないっていうふうに我々も自負していますので、しかも薬被連の構成団体はもう11もあるわけですね。それを一つの団体として捉えないでですね、11も薬害被害の団体があって、その人たちが声を上げてるのだと。協力してもいいですよ、ということを言っているのですから、それは素直に受け止めて頂きたいなというふうに思います。
はい。まだサリドマイドの薬が非常に出てくるのは危険だと思っているわけです。それからまた同じような、過去にあったようなですね、子どもの被害が出た時に、認可したのが悪いのかどうか非常にね、文部科学省が過去の薬害の看護師たちに教えておいて欲しいと僕たちが要望したのにも関わらず、それが不十分だったのではないかという責任というのは非常にあると思うのですよね。それは未来の子どもたちで同じようなことを出さないということがあると思いますし、厚労省のほうが医療安全対策とか、そういう検討会に、本当に医療被害者とか、薬害の被害者を入れ始めていて、真剣にもっと被害をなくそうとしているなと、入ってみたら、本当に医療者側、良心的な医療者であっても、本当の実態、被害の実態を知らなかったということがあるわけで、医療被害とか薬害を知らない人たちだけで、それがどうしたと議論するということもありえないし、それでも本気でなくそうと思っているけど、できないということがあるので、いっぺんやっぱり、被害を繰り返さないという立場で、被害を知っている人、本当にそれをなくしたいと思っている人の気持ち、思いなんかをそういう検討会なんかで利用して頂くようにというか、そういう思いを文科省さんが持っていただいているならば、ぜひそれをして頂きたいなと思うのですけども、最後その辺りでご回答いただければ。
文科省
はい。まず看護の話は、先程の資料についてご指摘がございましたが、全く同じことを、そこら辺は看護の教育について、状況をもう一度把握してどうやって改善していくかについても考えたいと思います。それから、被害者の方を検討の場にということについては、今、なんというか形式的なことではなくて、今、現在、各大学で研修会とか、あるいは学生に対する教育のなかで、そういった方に参加して頂いて、それがどういうふうにうまくいっているとか、いってないとか、そういうこともあると思いますし、現実の問題に即してですね、本当に何か文部科学省のなかの〓ということになればですね、もちろん、そういったこともあるでしょうけど、今のところ〓のグループ全体としてそういった方に参加頂くことが必要であるという認識は持っておりますし、現実にそういうことは行われているというふうに考えております。十分ご指摘は理解いたします。
薬被連
はい、厚労省のほうも、課長クラスの方とか、またはそういう方の判断だと思うのですよね。本当に被害をなくしていくために、ある種、被害者の声を聞くことも、ぜひそういう方向でお願いしたいです。続いて、生涯学習のことに関してですけれども、まず、今年度中に人権教育啓発推進センター等でパンフレットを作っていく方向で進めて頂いているということなのですけれども、この内容がですね、内容によっては、逆に〓の場合ですとね、そんな内容なら逆に困ると、偏見を受けると一番やっぱり詳しい立場からすると、一定のかかわりを持っていきたいと思うわけですが、そういう方向についてはどうですか。
文科省
内容については、これから詰めていくところなものですから、その辺りでですね、もちろんそのセンターのほうも専門家のご意見という部分もありますし、当然その被害者の方々の声も事例として、取り上げられるということがあればですね、そういったことも含めて取り上げていきたいというふうに思っていますし、内容についてもですね、もし必要があればご公開しながら、ということは可能です。
薬被連
ぜひ被害者の声を取り上げるような部分を持って頂くようにして、ぜひ薬被連のほうにもお話し頂ければなと思います。あと生涯学習に関しては何かございませんか。
今度、続きまして、国立大学の付属病院に関してなのですけど。まず1番目なのですが、大学の付属病院の、さまにそうですね。今、間宮さんからも話がありましたが、看護師さんたち、最前線におられる方々に、教育が終わっている人たちにも、そういう機会を順次やっていって頂くことが非常にお互いにとって、いいのではないかということなのですけども、今後働きかけをしていくというお話が出ましたけれども、具体的にはそれはどういうかたちでして頂くことになるのでしょうか。一番目の回答は……
文科省
さきほどお話しましたように病院関係のですね、事務部長さんの会議等、これは昨年の11月になりますけども、それから国立大学の医学部、学部長会議、他にもいろいろ機会はございます。こういったところで引き続きお願いということになっています。
薬被連
そこで薬害被害者の声を直接聞く職員研修をと、毎年言っていただいているのですよ、確かにこれ。数年前から。それは非常に嬉しいことを言って頂いたと思うのですけど、これ実質、実施あんまりされていないという表現はないのですけれど、依頼もないというかたちなので、これを医療〓機構とか、そういう病院という立場からでもそういうことをするように厚労省もすすめてくれていると思うのですが、それ以上に文部科学省管轄としてそういうふうにも言って頂いているのにも関わらず、そのあたり、さらにちょっと強めのプッシュというか、これはお互いのためにもなると思うので、ご検討頂けたらと思うのですが。その辺り何か状況等把握されてますでしょうか。
文科省
はい。ちょっとすいません。全体の数はわからないのですけども、例えばこういうところでやっているということですね、旭川医科大、東北大、山形、群馬、富山、金沢、〓、今言ったようなところでやっているという情報が入っています。そのいろいろ多岐に渡って膨大な研修会をしているので、これについてはですね、出来る限り〓いきたいと思っています。
薬被連
花井:医学教育、専門分野の教育の段階で、薬害の問題を私どもも話しに行くわけなのですけれども、結局それも好評で、かなり良かったと言っていただいているのですけれども、ただ、やっぱり医学部の学生さんは、非常にたくさんのことを学ぶ段階にあってですね。詰め込むなかで、最後卒業する頃には、消し飛んでしまうという場合ということがございまして、その点、職員研修というのは、比較的もう現場で一応仕事をしている人たちなので、僕も職員研修に何か所か行っておりますが、これから桂川や枚方のほうでそういうことをやっておりますと、現場で一応仕事をしておりますプロフェッショナルに対する話というのは非常に効果的だし、薬害という問題を医療現場で理解するのは非常にいいので、ぜひ、重ねてですけれども、そういう場を、どうも職員研修のほうは、あまりオファーがないですね。何か所か行ったことはあるのですけども、むしろ学生さんは非常に少ないですね。学生さんは1年生とかは非常に目を輝かせてくるのですけど、その6年後にほとんど忘れているのではないかという教育担当者とのそういうお話もありますし、それは別に悪いことは忘れることはいいのですが、ぜひ職員研修に近い意味でなんとかしていきたいなと、そういうふうに思っています。
ではお願いします。2つ目、カルテの非開示。これは毎年聞いているのですが、非開示の理由はどういう理由で非開示にされているのか把握されていますか。
次、3番目ですけれども、3番目、4番目まとめてご回答いただきたいのですけれども、今年の先の国会で厚労大臣が、大学病院のことで一緒に回答したのですよね。これは実施していくということだったわけですけど、院内で掲示をしているところは42大学のうち、これはもう、やれるところはやらなければならないという通知が出ていて、国立大学付属病院は全部やれるところなのです。つまりコンピューターが入っているところなのですよね。これは、厚労省の通知による、従うところは、求めがきたら応じるというところが11というのが問題で、求めがあったら42のところは応じなければならないというはずなのですね。それはやっぱり求めがあっても31が応じていないのだったら、厚労省の通知を反故にされているはずですから、それの違反になるので、求めがあったら必ず応じなさいよということはやはり指示していただけないと、これはちょっと大きな問題と思うわけです。なおかつ無料でやるということを大臣が答弁しておりますので、無料だと答弁しておりますので、一つだけ有料なところがあるというのは大きな問題なので、これは意味がわかりませんし無料でやっていただきたい。そういうことがあるということの掲示をする必要があるのではないかということを大臣が回答しておりますので、当たり前のことだと思いますので、掲示されていなかったらわからないので、そういうことを要望したら求めがあれば応じるということは、当然しなければならない、それは42でしていただきたいですけど、求めをするためには、そういうこと求めたら出しますよということを掲示しなければならないということが今問題になっていて、そういうことを国会で質問したら、前向きに検討したいということですので、国立大学付属病院というのは、見本になっていただかないといけないので、そういうことが医療被害や、薬害の防止のうえで非常にこれは大事だということで、僕たちの要望を聞いてやっていただいたことですので、これをどんな薬が使われたのか、点滴の中に何が入っていたのか、血液製剤は〓だったのか、フィブリノゲンだったのか、そういことが全部患者にわかるという通知なのですね。これがないから自分たちが〓知らない間に、体の中に訳の分からない薬が、点滴の中に入っていたということになっているということなので、それはいけないということで通知が出ているので、国立大学が見本になれていないというこの数字は非常に問題だと思うので、至急改善していただきたいと思うのですけれども。
文科省
ご要望の主旨を踏まえて、またもう少し詳しく調べて……。
薬被連
有料でやっている1大学というのはどこですか。具体的に。有料でやっているといのは、他のところは、ここだけだったそうですけど、これはすぐには指導してもらえないですかね。大臣の国会答弁に反していると思うのですよね。国立病院も含めて当面無料でやると国会で言っているのですから。たぶん要望があれば、ということだから1日に2件か3件くらいしかないはずなのですね。
一応わかっているのだろう?
文科省
あの、ちょっとどういう、チェックしているだけなので、一応確認して対処したいと思います。
薬被連
それは至急にしていただくと。掲示している2大学というのも把握、挙げていただきたい。ぜひ全部、42全部、求めに応じて42というのは、厚労省の通知のルールですので、それはやっていただいて、無料は国会答弁ですし、掲示も国会答弁で出ていますので、見本ということで、これは当然ですから、できれば至急にお願いします。他、何かございませんか。
やはり、元に戻らせていただきますけれども、公教育についてです。ずっとこれまで薬被連として、文科省と交渉をさせていただいたのですが、初めのほうは学習指導要領、カリキュラムのなかに入れるとかね、そういう話をずっとやってきたわけですが、それが何の進展もない。それで、こういう中央審議会であるとか、こういうふうにお話をしましたとか、検討してもらいますとか、専門部会で検討してもらいますという、そういう検討してもらいます期間があまりにも長すぎると。例えば他のほうの例を取りますと、英語教育を1年生からやろうじゃないかとか、3年ほど前までは、ゆとりの教育をやろうじゃないかとか、ゆとり教育をやり出したら学力が低下した。だからゆとりの教育の場が今度は減ってきた。逆に詰め込み主義の教育が出てきたとかですね。いろんな教育界のなかでも変わっていることがあるのですね。ところが、私たちが要求してきております、非常に大事な薬害の問題が、全然、「検討してもらいます」の部分が非常に長すぎて、どこでそれだけ時間を取るの? これは認識の問題ではなかろうかと、文部科学省の先生の方々、専門部員の方々、中央審議会の先生の方々、もうちょっと、今のたくさんの方から発言のあった内容をしっかり踏まえていただけるようなそういう話し合いをやっていただきたい。来年また同じような返事では、もう本当にどうしようもありませんので、副教材の問題も含めてよろしくお願い致します。
ありがとうございました。では、予定の時間を過ぎてしまっているのですけど、この場に今年もお付き合いいただいた家西悟先生のほうから最後ちょっと一言。
家西:ご苦労様です。私、わかっていますよね。参議院議員の民主党の参議院議員の家西悟ですが、先ほどからお話をお伺いしていて、非常に毎年同じようなことを言っているなと、私も率直な感想です。そして自分たちは厚労省のツケをどうして自分たちがケツ拭きをさせられているのか、というような思いでこられているのかなというのが、ちょっと透けて見えるような気もしました。正直言って。これ、非常に自分たちの問題に大事であるということは、ご認識いただけているのだろうか。そして大臣も先ほどご出席いただいて、重要な問題であるというふうに言っていただいたわけです。そして前の中村大臣の時にも、同じように認識をいただいたはずなのですよね。そして大臣がこういう場に臨席をいただいて、お話を直接というのは本当に公務のなか、来ていただいたわけですけど、短時間でありながら、重要であるということを認識していただけたのではないかと思っています。しかしながら、このあと1か月あまりで内閣変わるわけですから、そのあとは、また違う大臣になるからいいのではないのと、また1年後と。一団体年に一回というのは、これはどこから出ている発想なのだろうと。そういうふうにお聞きしてます。先ほど花井のほうからもあったように思いますけれども、これは誰が言っているの? 一団体年に一回の要望しか受けないと誰が言っているの。教えてください。こんな馬鹿なこと通用するの。
文部科学省の幹部。
えっ? 文部科学省の幹部が言ったわけ? 問題じゃないの。国民の声を聞かなくてはならないはずでしょう。そして、ここにいる多くの被害者は、裁判所でも、こういうふうに先ほどから要望書の中にもうたっている通り、問題は教育云々とうたっているわけです。何で年に一回なのだ。そんな馬鹿な話はないはずであって、しっかりと受け止めるということを約束して和解調印書に署名したはずです。被害者として。私も被害者です。薬害エイズの。大阪の原告の代表として、和解調印書に署名をしたのは私です。代表として。そしてそういうようなこともうたったわけです。これは厚労省だけの責任ではなく、政府として約束をしますという約束をした。だったら一回ではないのですよ。きっちりとこういうものが整うまで、あなたたちはやらなければいけないはずです。にも関わらず、尻拭きだとか、厚労省さんが、厚労省さんが、ではないのです。あなたたちの姿勢をみせていただきたい。予算の要求でもそう。自分たちが、こういうパンフレットを作りたいのだ。案文についてはしっかりと厚労省として見ていただきたいとか、専門分野としてこの部分は間違っていないかと検索をしてほしいということを言うのだったら話はわかる。だから予算をこのように計上したい。そして財務省と折衝します。これは、年末においてこの8月の概算要求までには、間にきっちりと決めるということを言っていただけるなら話はわかるけれども、厚労省さんが、そういうふうに決めていただいたら我々はパンフレットを配布しますけれども、そんな馬鹿な話聞いていられれるか! という話です。ここをしっかりと受け止めていただきたい。そしてこの問題。今後もおやりになるのならば、私は今国線にいる以上、国会の場でしっかりと追求させていただきます。内閣が変わろうとも。お一人お一人しっかりと胸に刻んでいただきたい。今日は何のためにお集まりいただいたのかをしっかりと受け止めてください。そして我々が言っているのは、政府批判をしているわけではない。二度と自分たちが被った被害を起こさないでほしい。そのために教育が必要なのですよということを言っている。自分たちは何で文科省なのに、厚労省の尻拭きばっかりさせられているの、というような思いでおられるのなら、筋違いになるということをどうぞ認識いただいて、今後の施策に取り組んでいただきますようにお願いしたい。そして予算要求について、しっかいと訴えていただきたい。シーリングが変わっている。確かにその通り、財政が厳しい折、昨今の折、わかっています。しかしながら、司法が判断した問題について、そんな話が通用するのか。政治あり、構造改革云々でやってきた小泉さんの思想はわかる。しかしながら、これは司法・行政・立法府という、この3つのなかで、司法が判断した問題であることを忘れてはならないのではないですか。そのことをしっかりとあなた方はしっかりと受け止めてください。そして我々に対してそれなりの回答を毎年、要求をしているわけですから、要請、要望、その場で回答してください。同じようなことばっかりいつまで言っているのですか。8回もやって同じような答弁しかできない。いったい何なんだというのを正直感想として思っています。今後も追求してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
みなさん、本当にどうもありがとうございました。またよろしくお願いします。
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